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8年前のこと。(2人は12歳)

佑希「色々と頭が追いつかねぇ」1

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(12歳の佑希 視点)


里「もうすぐ卒業だね…」

里久に話しかけられた。
確かに。俺は頷く。

佑希「だな。意外と早かった。」

ほんとうに、6年あったか?
と言いたいほど短かった気がする。

だよねだよね!と嬉しそうに
言ってくる里久に、
なぜか笑ってしまう。


それから、中学どこにするか聞かれた。

正直、里久と一緒ならどこでもいい。

なんてことは言わず、
a中学だと答えておいた。

緊張してしまって本音なんて言えない。
我ながら弱いなぁなんて苦笑する。


すると里久が、
俺と一緒がいいからそこにする!
とか言い出して。


思わず笑ってしまった。

あ。

俺って、やっぱ。
里久のこと、好きなんだろうな。


それから、中学校での部活とかについて
話していた時。


ズキッ


急になにか痛みがあった。
もはやズキッですらないかもしれない。
ぐわぁん、みたいな。とにかく、痛い。

頭が痛くて何も考えられない。

頭の奥の方で、なにか声がする。
0とか1とか。


これ、、、。
もしかして、寄生、、、?


俺は目の前の里久に助けを求めようとした。
けれど、声が出なかった。


「ぅぅぅぅ」声にならない声が
自分の頭の中をぐるぐるして気持ち悪い。


なんか、頭が働かなくなってきた。
その代わりに、奥で聴こえる数字が
綺麗に交互になっている気がする。
0と1が。ずっと0101言ってる。



俺。cpに負けるのかな。
ぽつっと思った。
もーいいや、なんて。
自暴自棄になってしまいたかった。

理性を手放したら終わり、って
聞いたことがあったのをぼんやり思い出す。

もういっそ手放して、
早く痛みから解放されたかった。
その先のことなんて知らない。


その瞬間、
動かない頭に
様々な記憶がよみがえってきた。

その場面には、ほとんど里久が。
そばで笑っていた。



…はnareたく、ない。
まけtaくない。どうしたr。。。


自分の心の声が
なぜかカタコトに聞こえる。
さっき弱気になったからかな。
多分cpにおされてるんだろうな。



海のそこに沈んでいくような感覚。


その時、上から声が微かに届いた。


里「僕。佑希が好き。
ゆ、佑希は、好きな人、いる?」

そんな感じのことを言ってる。気がする。
声が震えてた。


俺は。
さっき、自覚した。
もう言える。言わなきゃ。言うんだ。


里久だよ。里久が好きだ。
そう言いたいのに、自分から出たのは。


佑「…く……き…」


思ったより出ない声に
諦めを感じるかわいた笑いが
こみ上げてきた。


はぁ。侵食、されるのか。
どんな感じなんだろ。


そして、ふっ、と
意識が飛びそうだった時。


カチャリ


ーー自分のチョーカーが外れた音がした。
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