オメガを助けて番になったら脳で会話できるようになりました。

10年前のこと。(2人は10歳)

10年前のこと 2

当然、世界は大騒ぎになった。

なにしろ、
cpが自分の意思で動き始めたのだから。


しかも、今この時代、
端末を持っていない人の方が少ない。

自分が持っているデータが暴走したら、、、
考えれば考えるほど混乱する。


データは、2人に1人の脳に入る。
つまり、可能性は50%。
みんな、寄生される恐れはあるのだ。


人々は、いつ寄生されるかと
怯えながら端末を使っていた。



だが、cpも確かにすごいのだが
それを上回る者がいた。

cpを作った根源、人̀間̀である。

研究者は、2、3年研究に研究を重ね、
なんと、
データを媒体に結びつけるコマンドを
作ることに成功した。


このコマンドを解除するには、
人間の体温が必要なのだ。
だから、cp自身が
その結びを解くことは出来ない。


この開発をきっかけに、
騒動はだんだん収まっていった。


そして、10年経った今では、
寄生するcpはかなり減った。

あの時点で使われていたものの中には、
未だにコマンドを適用しないcpもいるため
完全に、ではないが。


コマンドが作られてから作られたcpには
全て、それが書き込まれている。


さらに、今はもう、寄生された場合に
自分の理性を勝たせる方法も
わかっている。


だから、今の人たちはもう、
あの記憶が遠い日になっている。


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しかし。
里久には他人事に思えなかった。


なぜなら。
さきほど
里久の脳に語りかけてきた相手である
佑希は、cpに寄生された
被害者の一人だったから。