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そして、時は入学式翌日に至る。

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入学式翌日。


大樹は、緊張しながら教室に入った。



昨日の泰斗の周りでの騒ぎについては
大樹も子供たちも知る由もないので、
(保護者たちは、言われた通り
子供にすら言わなかった。)


大樹は、(仲良くなれるかな、、、)
と心の中はそればかり。


何人かがおはようと言ってくれたことに
安心しながら、それに返して
1番後ろの席に着いた。


と、同じくらいに、

1人の男の子が教室に入ってきた。


「おはよー綾人。」
「はよ、利紀」

「おはよっ利紀くん」
「佳奈おはよう」

なんて、たくさんの人に
挨拶しながら返されながら、

何故か近づいてくる。


なんでかな?と大樹が思っていると。


「おはよう、莇くん。」
挨拶をしてくれた。


大樹は嬉しくなって、
「おはよう!…えっと、、、」

挨拶を返したが、
名前がわからなくて困っていると。


「俺の名前?利紀。」
利紀が名前を言ってくれた。


「利紀くん!おはよう」
と言って、笑うと。

利紀の顔が心無しか赤くなった。


大樹はそれには気づかず、

「なんで僕の名前知ってるの??
どこかで会ったっけ?」

なんて言っている。


「え、お前自覚なかったの、、、?」
と利紀は返した。


利紀は結夜の子供であるから、
莇の子供について聞いて知っていた。


利紀以外でも、
親に言われてなくても
ある程度莇の名前を知っている者は
何人かはいる。


利紀は、大樹が自身の有名さに
気づいてないことに驚いた。


当の本人は、
「え?自覚ー?」
なんて言っている。


利紀は、
「なぁ、お前の親父、ヤクザなんだろ?」
と聞いた。

本人の口から聞きたかったから。



だが、その声が思いのほか大きかったようで
話に花を咲かせていた者たちが
いっせいに話をやめ、2人をみた。


大「ん?う、うん。そう、だけど。」

唐突にされた質問に
戸惑いながらも肯定すると。


教室がざわざわしだした。


「そーいえば、昨日、
あの人スピーチしてた気がする!」
「ヤクザってもしかして、莇、、?」


大樹は、ざわざわしだしたことを
不思議に思っているが、
自身の話をされているとは
夢にも思っていない。


ざわざわに収集がつかなくなってきた頃、
担任の先生がやってきた。
そのおかげで、教室は静かになった。


先「今日から1年間、
みなさんの担任をします、内藤です。
よろしくね!」

内藤先生は、明るく気さくな先生だった。


話しやすそうでよかった、と
大樹が安心していると。


先「…。じゃあ、これから
自己紹介をしましょう!」

先生のその一言で、自己紹介が始まった。


大樹は、あ、で始まるので
出席番号は3番目だ。

よって、すぐに順番が来た。


大樹は、1度深呼吸をしてから
話し始めた。
馬鹿にされないように、
はっきりと話す、を意識しながら。
(頑張れ自分!)


「莇 大樹です。
仲良くしたいので話しかけてください。
よろしくお願いします。」
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