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第二幕 江戸の生活をシよう!
第四十三話 彼女の望むプレイ
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だが好きな子に押し倒されていても、圧倒的経験値不足のため行動をどう移せばいいのやら。ええと、俺はいわゆる受けなのか? 受けってことは動かなくていいのか? え? いや、待て。なんか色々とスキップしすぎて分からん。
そんな彼女が積極的な行動に出たのは今が初めてではないにしても、ギラギラと獲物を狙っているように協力な眼光。こちらをじっくりと性の対象として意識するというのは、記憶を辿った限りない。
「千代姫は……これから……どうしたいんですか……」
喉奥に言いたい言葉たちが絡まっている。スラスラと話すには程遠く、カラカラに乾いた口内が唾液を求めた。
「そうですね。まずは、あの日の続きがしたいです。スグル様のお尻を蹴飛ばそうとしたあの夜、せっかく正直に生きようとした場面にちょうどミツが入り込んでおあずけされちゃいましたからね、ふふ」
最後に漏れ出す優しい笑みは、どことなく不穏さがある。意を決して欲望をむき出そうとした瞬間に邪魔されたことが相当頭にきている。
「早く膝と手を地につけた体勢になってください」
「待ってください。背中を直にしてたのでやや痛みが……いてててっ」
「ふふ、ミミズより動きが鈍いですね」
「はは……」
敬語を使っているが話している内容はモロ女王様。まさか江戸に来てまでこんなSMプレイ、それもどちらの立ち位置を経験するとはな……父さん、母さん、落ち込んだりもするけど、俺は元気です。
「こうですか?」
「もうちょっとお尻突き上げてくれますか? 暗くてよく見えませんが、ここかしら?」
千代姫は暗がりの部屋中心辺りで四つん這いになっている俺の尻に向けて、足の指先を伸ばす。皮膚の柔らかさと位置感覚、そして全てを研ぎ澄まされる五感センスが試されるこの行為。
「あら、なにか当たりました。ふかふか、というよりふにふに? ここはお尻ですか?」
「やー、違いますね」
残念、そこは下にある袋。薄いふんどしで尚且つ押し倒されたときに着崩れが起きてしまい、布が何周かほどけて千代姫のつま先と股間はほぼ布越し。袋を刺激されると気持ちいいと性的興奮するタイプもいれば、俺のようにゾワッと鳥肌が立つタイプもいる。
「千代姫は少し後ろに下がってみてください。そうすればお尻に足が触れると思うので」
「二歩下がりましたが、このぐらいですか?」
まだ袋に当たる。千代姫は足が長いのか、さすがだ。
「もしかすると、俺が足を開きすぎなだけかもしれません。気持ち半分くらい閉じますね」
よっこいしょっと。角度的には四十五度から二十度ぐらいになった感じか? これでもう玉袋をつつかれる心配はないな。なにがきてもどんとこい。
余裕のよっちゃんでいるのも束の間、
「おい、さっきからボソボソ声がしてるけど大丈夫かぁ?」
穴のある造りの荒い戸の外から助六の声がした。
まずい! こんな場面、それも千代姫といるのを目撃されたら町中が大騒動になる!
気が動転して返す言葉も出てこずに、オロオロで煮え返るように動顚した。そしてそれは後ろに立つ女王様、千代姫も同じであった。
「ひっ」
可愛い悲鳴を上げてから、飛び上がるほど驚いたのはまあ分かる。問題は足。足に力を入れて、そのままジャンプでもしてくれれば断然マシだった。助走もつけずに足が発砲されたような勢いをつけて俺の尻と尻の間にある、無防備にぶら下がった袋へキックオフ。
――体の中に稲妻が走ったように痛みが走り抜ける。
そんな彼女が積極的な行動に出たのは今が初めてではないにしても、ギラギラと獲物を狙っているように協力な眼光。こちらをじっくりと性の対象として意識するというのは、記憶を辿った限りない。
「千代姫は……これから……どうしたいんですか……」
喉奥に言いたい言葉たちが絡まっている。スラスラと話すには程遠く、カラカラに乾いた口内が唾液を求めた。
「そうですね。まずは、あの日の続きがしたいです。スグル様のお尻を蹴飛ばそうとしたあの夜、せっかく正直に生きようとした場面にちょうどミツが入り込んでおあずけされちゃいましたからね、ふふ」
最後に漏れ出す優しい笑みは、どことなく不穏さがある。意を決して欲望をむき出そうとした瞬間に邪魔されたことが相当頭にきている。
「早く膝と手を地につけた体勢になってください」
「待ってください。背中を直にしてたのでやや痛みが……いてててっ」
「ふふ、ミミズより動きが鈍いですね」
「はは……」
敬語を使っているが話している内容はモロ女王様。まさか江戸に来てまでこんなSMプレイ、それもどちらの立ち位置を経験するとはな……父さん、母さん、落ち込んだりもするけど、俺は元気です。
「こうですか?」
「もうちょっとお尻突き上げてくれますか? 暗くてよく見えませんが、ここかしら?」
千代姫は暗がりの部屋中心辺りで四つん這いになっている俺の尻に向けて、足の指先を伸ばす。皮膚の柔らかさと位置感覚、そして全てを研ぎ澄まされる五感センスが試されるこの行為。
「あら、なにか当たりました。ふかふか、というよりふにふに? ここはお尻ですか?」
「やー、違いますね」
残念、そこは下にある袋。薄いふんどしで尚且つ押し倒されたときに着崩れが起きてしまい、布が何周かほどけて千代姫のつま先と股間はほぼ布越し。袋を刺激されると気持ちいいと性的興奮するタイプもいれば、俺のようにゾワッと鳥肌が立つタイプもいる。
「千代姫は少し後ろに下がってみてください。そうすればお尻に足が触れると思うので」
「二歩下がりましたが、このぐらいですか?」
まだ袋に当たる。千代姫は足が長いのか、さすがだ。
「もしかすると、俺が足を開きすぎなだけかもしれません。気持ち半分くらい閉じますね」
よっこいしょっと。角度的には四十五度から二十度ぐらいになった感じか? これでもう玉袋をつつかれる心配はないな。なにがきてもどんとこい。
余裕のよっちゃんでいるのも束の間、
「おい、さっきからボソボソ声がしてるけど大丈夫かぁ?」
穴のある造りの荒い戸の外から助六の声がした。
まずい! こんな場面、それも千代姫といるのを目撃されたら町中が大騒動になる!
気が動転して返す言葉も出てこずに、オロオロで煮え返るように動顚した。そしてそれは後ろに立つ女王様、千代姫も同じであった。
「ひっ」
可愛い悲鳴を上げてから、飛び上がるほど驚いたのはまあ分かる。問題は足。足に力を入れて、そのままジャンプでもしてくれれば断然マシだった。助走もつけずに足が発砲されたような勢いをつけて俺の尻と尻の間にある、無防備にぶら下がった袋へキックオフ。
――体の中に稲妻が走ったように痛みが走り抜ける。
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