44 / 51
第二幕 江戸の生活をシよう!
第四十三話 彼女の望むプレイ
しおりを挟む
だが好きな子に押し倒されていても、圧倒的経験値不足のため行動をどう移せばいいのやら。ええと、俺はいわゆる受けなのか? 受けってことは動かなくていいのか? え? いや、待て。なんか色々とスキップしすぎて分からん。
そんな彼女が積極的な行動に出たのは今が初めてではないにしても、ギラギラと獲物を狙っているように協力な眼光。こちらをじっくりと性の対象として意識するというのは、記憶を辿った限りない。
「千代姫は……これから……どうしたいんですか……」
喉奥に言いたい言葉たちが絡まっている。スラスラと話すには程遠く、カラカラに乾いた口内が唾液を求めた。
「そうですね。まずは、あの日の続きがしたいです。スグル様のお尻を蹴飛ばそうとしたあの夜、せっかく正直に生きようとした場面にちょうどミツが入り込んでおあずけされちゃいましたからね、ふふ」
最後に漏れ出す優しい笑みは、どことなく不穏さがある。意を決して欲望をむき出そうとした瞬間に邪魔されたことが相当頭にきている。
「早く膝と手を地につけた体勢になってください」
「待ってください。背中を直にしてたのでやや痛みが……いてててっ」
「ふふ、ミミズより動きが鈍いですね」
「はは……」
敬語を使っているが話している内容はモロ女王様。まさか江戸に来てまでこんなSMプレイ、それもどちらの立ち位置を経験するとはな……父さん、母さん、落ち込んだりもするけど、俺は元気です。
「こうですか?」
「もうちょっとお尻突き上げてくれますか? 暗くてよく見えませんが、ここかしら?」
千代姫は暗がりの部屋中心辺りで四つん這いになっている俺の尻に向けて、足の指先を伸ばす。皮膚の柔らかさと位置感覚、そして全てを研ぎ澄まされる五感センスが試されるこの行為。
「あら、なにか当たりました。ふかふか、というよりふにふに? ここはお尻ですか?」
「やー、違いますね」
残念、そこは下にある袋。薄いふんどしで尚且つ押し倒されたときに着崩れが起きてしまい、布が何周かほどけて千代姫のつま先と股間はほぼ布越し。袋を刺激されると気持ちいいと性的興奮するタイプもいれば、俺のようにゾワッと鳥肌が立つタイプもいる。
「千代姫は少し後ろに下がってみてください。そうすればお尻に足が触れると思うので」
「二歩下がりましたが、このぐらいですか?」
まだ袋に当たる。千代姫は足が長いのか、さすがだ。
「もしかすると、俺が足を開きすぎなだけかもしれません。気持ち半分くらい閉じますね」
よっこいしょっと。角度的には四十五度から二十度ぐらいになった感じか? これでもう玉袋をつつかれる心配はないな。なにがきてもどんとこい。
余裕のよっちゃんでいるのも束の間、
「おい、さっきからボソボソ声がしてるけど大丈夫かぁ?」
穴のある造りの荒い戸の外から助六の声がした。
まずい! こんな場面、それも千代姫といるのを目撃されたら町中が大騒動になる!
気が動転して返す言葉も出てこずに、オロオロで煮え返るように動顚した。そしてそれは後ろに立つ女王様、千代姫も同じであった。
「ひっ」
可愛い悲鳴を上げてから、飛び上がるほど驚いたのはまあ分かる。問題は足。足に力を入れて、そのままジャンプでもしてくれれば断然マシだった。助走もつけずに足が発砲されたような勢いをつけて俺の尻と尻の間にある、無防備にぶら下がった袋へキックオフ。
――体の中に稲妻が走ったように痛みが走り抜ける。
そんな彼女が積極的な行動に出たのは今が初めてではないにしても、ギラギラと獲物を狙っているように協力な眼光。こちらをじっくりと性の対象として意識するというのは、記憶を辿った限りない。
「千代姫は……これから……どうしたいんですか……」
喉奥に言いたい言葉たちが絡まっている。スラスラと話すには程遠く、カラカラに乾いた口内が唾液を求めた。
「そうですね。まずは、あの日の続きがしたいです。スグル様のお尻を蹴飛ばそうとしたあの夜、せっかく正直に生きようとした場面にちょうどミツが入り込んでおあずけされちゃいましたからね、ふふ」
最後に漏れ出す優しい笑みは、どことなく不穏さがある。意を決して欲望をむき出そうとした瞬間に邪魔されたことが相当頭にきている。
「早く膝と手を地につけた体勢になってください」
「待ってください。背中を直にしてたのでやや痛みが……いてててっ」
「ふふ、ミミズより動きが鈍いですね」
「はは……」
敬語を使っているが話している内容はモロ女王様。まさか江戸に来てまでこんなSMプレイ、それもどちらの立ち位置を経験するとはな……父さん、母さん、落ち込んだりもするけど、俺は元気です。
「こうですか?」
「もうちょっとお尻突き上げてくれますか? 暗くてよく見えませんが、ここかしら?」
千代姫は暗がりの部屋中心辺りで四つん這いになっている俺の尻に向けて、足の指先を伸ばす。皮膚の柔らかさと位置感覚、そして全てを研ぎ澄まされる五感センスが試されるこの行為。
「あら、なにか当たりました。ふかふか、というよりふにふに? ここはお尻ですか?」
「やー、違いますね」
残念、そこは下にある袋。薄いふんどしで尚且つ押し倒されたときに着崩れが起きてしまい、布が何周かほどけて千代姫のつま先と股間はほぼ布越し。袋を刺激されると気持ちいいと性的興奮するタイプもいれば、俺のようにゾワッと鳥肌が立つタイプもいる。
「千代姫は少し後ろに下がってみてください。そうすればお尻に足が触れると思うので」
「二歩下がりましたが、このぐらいですか?」
まだ袋に当たる。千代姫は足が長いのか、さすがだ。
「もしかすると、俺が足を開きすぎなだけかもしれません。気持ち半分くらい閉じますね」
よっこいしょっと。角度的には四十五度から二十度ぐらいになった感じか? これでもう玉袋をつつかれる心配はないな。なにがきてもどんとこい。
余裕のよっちゃんでいるのも束の間、
「おい、さっきからボソボソ声がしてるけど大丈夫かぁ?」
穴のある造りの荒い戸の外から助六の声がした。
まずい! こんな場面、それも千代姫といるのを目撃されたら町中が大騒動になる!
気が動転して返す言葉も出てこずに、オロオロで煮え返るように動顚した。そしてそれは後ろに立つ女王様、千代姫も同じであった。
「ひっ」
可愛い悲鳴を上げてから、飛び上がるほど驚いたのはまあ分かる。問題は足。足に力を入れて、そのままジャンプでもしてくれれば断然マシだった。助走もつけずに足が発砲されたような勢いをつけて俺の尻と尻の間にある、無防備にぶら下がった袋へキックオフ。
――体の中に稲妻が走ったように痛みが走り抜ける。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

夢の中でもう一人のオレに丸投げされたがそこは宇宙生物の撃退に刀が重宝されている平行世界だった
竹井ゴールド
キャラ文芸
オレこと柊(ひいらぎ)誠(まこと)は夢の中でもう一人のオレに泣き付かれて、余りの泣き言にうんざりして同意するとーー
平行世界のオレと入れ替わってしまった。
平行世界は宇宙より外敵宇宙生物、通称、コスモアネモニー(宇宙イソギンチャク)が跋扈する世界で、その対策として日本刀が重宝されており、剣道の実力、今(いま)総司のオレにとってはかなり楽しい世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる