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第一幕 江戸にイこう!
第二話 赤い月
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そしてこの生きがいになっている趣味に関しては家族だろうと親友だろうと、誰にも話せていない。それ以前に俺が絵を描けること自体知る者はいないだろう。
元々絵を描くのが好きだった。あるときひょんなことからエロい絵を描くことが楽しいと感じてしまい、ネットでの活動を始めたのは高校時代から。趣味を仕事にしたいのかと問われたら、ゆくゆくはそうしていきたいと考えている。
「といっても、このままじゃいられないよなぁ……」
卒業したら二十歳まででいいから自分の好きなことをさせてくださいって両親に土
下座をしまくって得たフリーター生活。
自称エロ絵師、藤山スグルの名を広めるには、コツコツとSNSでの宣伝や活動の幅を広げていくしかない。例えそれが二十歳までの期限だとしても。
「さてと、今夜も気合入れてペンを握るか!」
先をのことを考えるのはやめやめ! 悩んでも解決するわけがない。今を全力で生きるのも立派な仕事だ。知らんけど。
「あ~、風が気持ちいい~」
気合を入れるように軽く小走りで街頭ひとつしかない公園の道を駆け抜けていく。
今日のイラストは、どんなシチュエーションにして表情はどんなものにするかと考えていたところ、ふと空を見れば動いていた足を止めた。
「なんだあれ?」
何の変哲もない満月。
だが色がおかしい。血を塗りつけたんじゃないかってほどに異様に赤く染まっている。
ホラーゲームとかに出てきそうな演出に近い。暗い公園に独りぼっちということもあって不気味さは満点。不吉だと思い、すぐに家路につこう足を動かせば、赤い月からレーザービームのような光が一矢、降りてきたのだ。
「え? え?」
その光は迷うことなく俺の方へやって来る。
「なに、なに? はっ? 宇宙人?」
焦りと恐怖が入り混じって思考回路はショート寸前。
逃げようとしても時すでに遅し。足からつむじまで光に飲み込まれるように包まれると眩く目も開けられない白い世界が広がった。
――からの今に至る。
この日本庭園を迷うこと多分二十分。
隣接する城もどきの豪邸もだが、庭自体が広すぎて出入口さえ見当たらない。手にある右手の袋にあるバニラアイスはとっくに溶けて液体になっているであろう。不安なこともあり、次第に額は汗ばんでいく。
元々絵を描くのが好きだった。あるときひょんなことからエロい絵を描くことが楽しいと感じてしまい、ネットでの活動を始めたのは高校時代から。趣味を仕事にしたいのかと問われたら、ゆくゆくはそうしていきたいと考えている。
「といっても、このままじゃいられないよなぁ……」
卒業したら二十歳まででいいから自分の好きなことをさせてくださいって両親に土
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自称エロ絵師、藤山スグルの名を広めるには、コツコツとSNSでの宣伝や活動の幅を広げていくしかない。例えそれが二十歳までの期限だとしても。
「さてと、今夜も気合入れてペンを握るか!」
先をのことを考えるのはやめやめ! 悩んでも解決するわけがない。今を全力で生きるのも立派な仕事だ。知らんけど。
「あ~、風が気持ちいい~」
気合を入れるように軽く小走りで街頭ひとつしかない公園の道を駆け抜けていく。
今日のイラストは、どんなシチュエーションにして表情はどんなものにするかと考えていたところ、ふと空を見れば動いていた足を止めた。
「なんだあれ?」
何の変哲もない満月。
だが色がおかしい。血を塗りつけたんじゃないかってほどに異様に赤く染まっている。
ホラーゲームとかに出てきそうな演出に近い。暗い公園に独りぼっちということもあって不気味さは満点。不吉だと思い、すぐに家路につこう足を動かせば、赤い月からレーザービームのような光が一矢、降りてきたのだ。
「え? え?」
その光は迷うことなく俺の方へやって来る。
「なに、なに? はっ? 宇宙人?」
焦りと恐怖が入り混じって思考回路はショート寸前。
逃げようとしても時すでに遅し。足からつむじまで光に飲み込まれるように包まれると眩く目も開けられない白い世界が広がった。
――からの今に至る。
この日本庭園を迷うこと多分二十分。
隣接する城もどきの豪邸もだが、庭自体が広すぎて出入口さえ見当たらない。手にある右手の袋にあるバニラアイスはとっくに溶けて液体になっているであろう。不安なこともあり、次第に額は汗ばんでいく。
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