83 / 84
ルート4 ヒロインとホテルに行こう!
案内されたのはプレイ部屋!理性よ、保て!!
しおりを挟む
「よし、今夜はこのラブリーなホテルでお泊り会よ! 愛理、ついてきて!」
「はいっ」
ホテルの自動ドアへ大きな第一歩を踏みしめご来店。店内は薄暗くありながら、プロジェクターのプラネタリウムがセッティングされており、満天夜空の星たちが私たちを迎え入れた。ラブホはもっとこう、ねっちょりとした空気が流れているイメージだったけど、案外洒落ていることに驚いた。しかもフロントも無人で自分たちで部屋を選べるタッチパネル。その横には部屋に直通のエレベーター。プライバシー的に上手いカラクリだと思う。
「部屋は最上階だってよ」
「最上階!? それって街の夜景を楽しめる部屋ってことじゃない!」
「夜景が見えるって決まったわけじゃねぇから」
「いいえ、絶対にそうよ! 予感がそう言ってる!」
最上階、スイート、夜景、いい雰囲気、桃尻ルート。う~ん、この流れ最高っ!!
あれ? そういや今日はお揃いの新しい下着を買ったはず。それをお風呂上りに着用するでしょ。んで、下着がお揃いって事実を知るのは私と愛理の二人だけ――? どうしよう、ムラムラする。性的興奮が止まらない……っ! たのむ、オラの体よ、もってくれ!!(野沢雅子ボイス)
これだけ可愛いポップな外装をしているのだからホテルの部屋もさぞ女子の胸が躍りそうなものになっているはず。しかしその期待は最上階へ着いた途端、あっけなく崩壊することとなる。
「え……」
三咲が予約した部屋は絶景ならぬ絶頂を楽しめるバリバリSMプレイ部屋だった。
手足を固定できるX型の磔と微妙に股が切れちゃうんじゃないかってぐらいに尖った三角木馬壁が部屋の中央に置かれている。それと壁には鞭と先端がピンク色の猫じゃらしに手錠に目隠し等といったお仕置きグッズがどうぞご自由にといった感じにズラリ。もちろんソファーにテレビにベッドもあるが、拘束グッズの存在感があまりにも大きいので霞んでいる。
楽しんだもん勝ちとはいったけどさ……。SMプレイをする部屋をいざ前にすると色々とエグい。ここでたくさんの人がプレイを楽しんだと思うと……なんともいえない気持ちになる。照明を最大にしても足元が見えにくいレベル。言い換えるとエロスの漂う薄暗さ。壁紙と家具も赤黒で統一してあるからか、アダルティで異様な空間がひしひしと伝わる。
「三咲さぁ……恵もなかなかだったけど、あんたも意外とドジっ子属性なのね。私、こう見えて結構引いてるわよ」
「ち、ちげぇよ! これはたまたま! 空いてる部屋があるって電話の奴が言ってたからここになったんだよ!!」
レジ袋をぶんぶん振り回す三咲のテンパり様に苦笑い。本気でガチのやつってことだけは分かった。
「すごい、この部屋は何かのコンセプトホテルみたいですね! わっ! このスティッキ、魔法使いみたいで可愛いかも……」
愛理、それ魔法のステッキちゃう。お尻の穴に入れる凸凹ビーズや。
「そうね、すんごい可愛い」
「ここに私たちが泊まるのもなんだか申し訳ないですよね。小さな子とか喜びそうなのに」
逆よ逆。子どもを作る場所にもなりうるのよ。無垢でよかったと受けとめるべきなんでしょうけど変な部屋だと疑う動作も一切見せないからちょっと心配…。ポジティブにいけば、ラブホと知られる心配がないって負担が減るからいいのかもだけどさ。
「あっ! ねぇねぇ、愛理」
「なんですか?」
「さ、先にシャワー浴びて来いよ……」
「? では、お言葉に甘えていってきます」
ふふふ、これこれ。一度言ってみたかったのよね!
「おい」
「なに? 急に後ろに立たないでくれない?」
「お前が愛理に手を出す可能性がゼロとは到底思えねぇ。だから俺はお前が変なことしたら即締め上げて恵たちの前に突き出す」
人のことは言えたものではないが、相変わらず神経を逆撫でしそうな物言いの三咲。前髪の間から見える額からは青筋がビンビンに張っていた。この怒り様、かなり信用されていないらしい。言われなくとも手出しなんかしない。……理性が保っていたらの話だけど。
「はいっ」
ホテルの自動ドアへ大きな第一歩を踏みしめご来店。店内は薄暗くありながら、プロジェクターのプラネタリウムがセッティングされており、満天夜空の星たちが私たちを迎え入れた。ラブホはもっとこう、ねっちょりとした空気が流れているイメージだったけど、案外洒落ていることに驚いた。しかもフロントも無人で自分たちで部屋を選べるタッチパネル。その横には部屋に直通のエレベーター。プライバシー的に上手いカラクリだと思う。
「部屋は最上階だってよ」
「最上階!? それって街の夜景を楽しめる部屋ってことじゃない!」
「夜景が見えるって決まったわけじゃねぇから」
「いいえ、絶対にそうよ! 予感がそう言ってる!」
最上階、スイート、夜景、いい雰囲気、桃尻ルート。う~ん、この流れ最高っ!!
あれ? そういや今日はお揃いの新しい下着を買ったはず。それをお風呂上りに着用するでしょ。んで、下着がお揃いって事実を知るのは私と愛理の二人だけ――? どうしよう、ムラムラする。性的興奮が止まらない……っ! たのむ、オラの体よ、もってくれ!!(野沢雅子ボイス)
これだけ可愛いポップな外装をしているのだからホテルの部屋もさぞ女子の胸が躍りそうなものになっているはず。しかしその期待は最上階へ着いた途端、あっけなく崩壊することとなる。
「え……」
三咲が予約した部屋は絶景ならぬ絶頂を楽しめるバリバリSMプレイ部屋だった。
手足を固定できるX型の磔と微妙に股が切れちゃうんじゃないかってぐらいに尖った三角木馬壁が部屋の中央に置かれている。それと壁には鞭と先端がピンク色の猫じゃらしに手錠に目隠し等といったお仕置きグッズがどうぞご自由にといった感じにズラリ。もちろんソファーにテレビにベッドもあるが、拘束グッズの存在感があまりにも大きいので霞んでいる。
楽しんだもん勝ちとはいったけどさ……。SMプレイをする部屋をいざ前にすると色々とエグい。ここでたくさんの人がプレイを楽しんだと思うと……なんともいえない気持ちになる。照明を最大にしても足元が見えにくいレベル。言い換えるとエロスの漂う薄暗さ。壁紙と家具も赤黒で統一してあるからか、アダルティで異様な空間がひしひしと伝わる。
「三咲さぁ……恵もなかなかだったけど、あんたも意外とドジっ子属性なのね。私、こう見えて結構引いてるわよ」
「ち、ちげぇよ! これはたまたま! 空いてる部屋があるって電話の奴が言ってたからここになったんだよ!!」
レジ袋をぶんぶん振り回す三咲のテンパり様に苦笑い。本気でガチのやつってことだけは分かった。
「すごい、この部屋は何かのコンセプトホテルみたいですね! わっ! このスティッキ、魔法使いみたいで可愛いかも……」
愛理、それ魔法のステッキちゃう。お尻の穴に入れる凸凹ビーズや。
「そうね、すんごい可愛い」
「ここに私たちが泊まるのもなんだか申し訳ないですよね。小さな子とか喜びそうなのに」
逆よ逆。子どもを作る場所にもなりうるのよ。無垢でよかったと受けとめるべきなんでしょうけど変な部屋だと疑う動作も一切見せないからちょっと心配…。ポジティブにいけば、ラブホと知られる心配がないって負担が減るからいいのかもだけどさ。
「あっ! ねぇねぇ、愛理」
「なんですか?」
「さ、先にシャワー浴びて来いよ……」
「? では、お言葉に甘えていってきます」
ふふふ、これこれ。一度言ってみたかったのよね!
「おい」
「なに? 急に後ろに立たないでくれない?」
「お前が愛理に手を出す可能性がゼロとは到底思えねぇ。だから俺はお前が変なことしたら即締め上げて恵たちの前に突き出す」
人のことは言えたものではないが、相変わらず神経を逆撫でしそうな物言いの三咲。前髪の間から見える額からは青筋がビンビンに張っていた。この怒り様、かなり信用されていないらしい。言われなくとも手出しなんかしない。……理性が保っていたらの話だけど。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

【完結】結婚式前~婚約者の王太子に「最愛の女が別にいるので、お前を愛することはない」と言われました~
黒塔真実
恋愛
挙式が迫るなか婚約者の王太子に「結婚しても俺の最愛の女は別にいる。お前を愛することはない」とはっきり言い切られた公爵令嬢アデル。しかしどんなに婚約者としてないがしろにされても女性としての誇りを傷つけられても彼女は平気だった。なぜなら大切な「心の拠り所」があるから……。しかし、王立学園の卒業ダンスパーティーの夜、アデルはかつてない、世にも酷い仕打ちを受けるのだった―― ※神視点。■なろうにも別タイトルで重複投稿←【ジャンル日間4位】。

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる