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ルート4 ヒロインとホテルに行こう!
これってディスティニー!?またも男参戦!!
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なんだろう、ざわざわする。顔に出さないだけで絶対に無理してる。このまま歩き続けるのもよくないって野生と女の勘がそう言っている。
「ちょいとごめんね!!」
勢いよく屈んでから愛理のその美しいおみ足に指の先が触れるか触れないかの際どい距離感を保ち続けながら、足首まで下げていく。これには近くにいた人間もぎょっとしていた。そらそうだ。同性といえど、スカートの中に顔を入れているのだから。公開セクハラといってもおかしくはない。ちなみにパンティーは白よ。
「な、ももも……桃尻、さん!?」
やめてというような感じにスカートを掴んでくる。それでもやめなかった。私の中の勘がイケとそう言っているから。
今日愛理が履いている靴は水色のパンプス。脱げ落ちるのを防ぐストラップが足首に一周巻き付いている。このパンプスに見覚えがある。デートイベントでしか出てこない、それもめったに履かないお出かけ用の靴だ。
「――やっぱり。あなた、すごい靴擦れしてるじゃないの」
長細いストラップが当たっている下の足首周辺の肌は赤くなって、所々皮が剝け、水ぶくれになりかけている部分もあった。応急処置として絆創膏を貼り付け、ベンチに座ってもらうことに。
「黙っていてごめんなさい。歩いている間は平気だったんですけど、立ち止まると痛みが……でも、少し休めばまた歩けるので!」
「ダメよお! ちゃんと座って休んでて!」
一体いつから? こんなボロボロの足であちこち歩き回っていたの? 心配をかけないよう、気を使っていたのかと思うと……ああ! なんてことを! 結果的に傷物にさせちゃった! 私が靴にさえ気づいておけば、この子を長距離歩かせることなんてなかったのにぃ……。
「もう泣き言は後よ。これからのことを見据えなきゃ。私が担いで歩く? それとも私一人で探しに行くのも……ああんダメ! この子をハチ公みたいに待たせることなんて出来ないぃ!!」
「なにやってんだお前」
慌てふためいているところへ、聞き馴染みのある声が飛び込む。咄嗟に声のした方向に顔をやれば、菓子やら菓子パンが大量に入ったコンビニ袋を持つ三咲の姿があった。なんでまだ駅の近くにいるのかは不明。てっきりどこかのネカフェやゲーセンにでも入り浸っているのかと思っていたから。
なんでまたこいつが参戦するのよとげんなりとした感じで今まで起こったことを話す全て話す。と、あっちもどうやら同じ状態らしくゲーセンも人混みで空き場所がなく、ネカフェはどこも満室。駅前で一夜を明かそうと漂流者の一人になりかけていたっぽい。
「おい、いつから足痛かったんだよ」
「えっと……」
「正直に言えよ」
追い詰める言い方をするのにムカついたけど、正直なところ私もいつから痛み出したのか知りたかった。
「ショッピングしているときに、少し痛いかな? って……」
まさかの序盤――!?
「あばばば、ご、ごめんね……私……そうとも知らずにいろんなお店を連れまわして……!! うう、罪悪感でもうオゲロ吐きそう……!」
「いえいえ! 言い出さなかった私が悪いんです、ごめんなさい!」
「謝っても仕方ねぇだろ。とりあえず愛理、お前はホテルで休め」
「でもどこも満室じゃ……」
「シリに近場のホテル聞いてみる。だからもう少し待ってろ」
「へ、私? ここの土地勘全然ないわよ?」
「おめぇじゃねぇよ。スマホのsiriだボケ」
「なによもう、紛らわしい言い方してんじゃないわよ」
ていうかsiriとか使いこなす人種なのね。
「ちょいとごめんね!!」
勢いよく屈んでから愛理のその美しいおみ足に指の先が触れるか触れないかの際どい距離感を保ち続けながら、足首まで下げていく。これには近くにいた人間もぎょっとしていた。そらそうだ。同性といえど、スカートの中に顔を入れているのだから。公開セクハラといってもおかしくはない。ちなみにパンティーは白よ。
「な、ももも……桃尻、さん!?」
やめてというような感じにスカートを掴んでくる。それでもやめなかった。私の中の勘がイケとそう言っているから。
今日愛理が履いている靴は水色のパンプス。脱げ落ちるのを防ぐストラップが足首に一周巻き付いている。このパンプスに見覚えがある。デートイベントでしか出てこない、それもめったに履かないお出かけ用の靴だ。
「――やっぱり。あなた、すごい靴擦れしてるじゃないの」
長細いストラップが当たっている下の足首周辺の肌は赤くなって、所々皮が剝け、水ぶくれになりかけている部分もあった。応急処置として絆創膏を貼り付け、ベンチに座ってもらうことに。
「黙っていてごめんなさい。歩いている間は平気だったんですけど、立ち止まると痛みが……でも、少し休めばまた歩けるので!」
「ダメよお! ちゃんと座って休んでて!」
一体いつから? こんなボロボロの足であちこち歩き回っていたの? 心配をかけないよう、気を使っていたのかと思うと……ああ! なんてことを! 結果的に傷物にさせちゃった! 私が靴にさえ気づいておけば、この子を長距離歩かせることなんてなかったのにぃ……。
「もう泣き言は後よ。これからのことを見据えなきゃ。私が担いで歩く? それとも私一人で探しに行くのも……ああんダメ! この子をハチ公みたいに待たせることなんて出来ないぃ!!」
「なにやってんだお前」
慌てふためいているところへ、聞き馴染みのある声が飛び込む。咄嗟に声のした方向に顔をやれば、菓子やら菓子パンが大量に入ったコンビニ袋を持つ三咲の姿があった。なんでまだ駅の近くにいるのかは不明。てっきりどこかのネカフェやゲーセンにでも入り浸っているのかと思っていたから。
なんでまたこいつが参戦するのよとげんなりとした感じで今まで起こったことを話す全て話す。と、あっちもどうやら同じ状態らしくゲーセンも人混みで空き場所がなく、ネカフェはどこも満室。駅前で一夜を明かそうと漂流者の一人になりかけていたっぽい。
「おい、いつから足痛かったんだよ」
「えっと……」
「正直に言えよ」
追い詰める言い方をするのにムカついたけど、正直なところ私もいつから痛み出したのか知りたかった。
「ショッピングしているときに、少し痛いかな? って……」
まさかの序盤――!?
「あばばば、ご、ごめんね……私……そうとも知らずにいろんなお店を連れまわして……!! うう、罪悪感でもうオゲロ吐きそう……!」
「いえいえ! 言い出さなかった私が悪いんです、ごめんなさい!」
「謝っても仕方ねぇだろ。とりあえず愛理、お前はホテルで休め」
「でもどこも満室じゃ……」
「シリに近場のホテル聞いてみる。だからもう少し待ってろ」
「へ、私? ここの土地勘全然ないわよ?」
「おめぇじゃねぇよ。スマホのsiriだボケ」
「なによもう、紛らわしい言い方してんじゃないわよ」
ていうかsiriとか使いこなす人種なのね。
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