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ルート4 ヒロインとホテルに行こう!
私また何かやっちゃった!気まずい帰り道!
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会計を済ませ、カラオケ店を出て駅へ横一列で歩き出す私たち三人の雰囲気はどこかよそよそしく、薄い壁が出来上がっていた。
超絶汚いゲップを解き放った後、私はその場でへたり込み、泡を吹いていたらしい。正気に戻ったのは、会計する十分前のこと。その間にも愛理は眠っている私の傍を離れずに看病をしてくれた。三咲は三咲で、店員から冷やしたタオルを借りたりと色々してくれたっぽい。
「本当……ごめんね……」
「全然気にしないでください。元気になってよかったです。カラオケはいつでも行けますし、また次の休みにでも行きましょう!」
「……ごめんね」
謝罪しては謝罪の繰り返し。この会話を何十回したことだろうか。ゲップうんぬんよりも、私のせいでカラオケを台無しにしてしまったことが申し訳なさすぎて、ここで切腹してもいいくらいの罪悪感につぶされる。
ショッピングとカラオケに行こうと約束した日、ものすっごく楽しみにしてくれたのに。それを奪った私は、本っっっ当どうしようもない女……。
「お前元気なんだろ? いつまでへこんでんだよ。辛気臭ぇ」
「三咲くん、その言い方はちょっとないんじゃないかな」
「わーったよ」
言い返すこともなくここで会話終了。シーン、といった効果音が似合うほど気まずく、呼吸するのも苦しさが増していく。夜になる飲み屋街から出てくる女子たちのヒール音や、スーツ姿で客引きを仕掛ける男と釣られそうな男数人のガヤが三人の居心地を余計に悪くしてるようだった。
うう、しんどい。元凶が自分だけど、こんなギスギスなぐちょメモは望んでない。月曜日からもこんな感じだったら、どう生活していけばいいのよぉ!
そして誰も口を開けることないまま、駅に到着。……が、駅の外や構内には人で溢れていた。休日だと人は多くて当然だが、今日ばかりはそんなレベルではない。他人と肩が連続でぶつかり合い、親を探そうと必死の背の低いキッズからは顎に頭突きをされ、電話で歩きながら話す高身長の男からはエルボーを後頭部にくらったりとボコボコにされて一旦まだ駅でも空いていた自販機の前に三人は避難した。
「ここならまだ動けますね。――って、桃尻さん服も顔もボロボロですけど大丈夫ですか!? 人混みで一体何が……」
「え、えへへ……ちょっとね……。にしても、人で嫌になっちゃうわよね。何か催しでもあったかしら?」
「運休だってよ」
「え?」
「ほら」
そう言って三咲が突き出したスマホには運行状況のページが開かれており、赤い文字でシステム障害と事故のため復旧のめどが立たないため全て運休とデカデカと記載されていた。いやいやいや、全部何もかも運休ってそんなのあり!? ま、まあゲームの世界だからいっか!
「じゃあここにいる人たちは、電車に乗れない帰宅困難者ってこと?」
「そうなりますよね。じゃあ今日はタクシーで帰ります?」
「いや無理じゃね? あそこ、階段までタクシーの並び続いてるみたいだしな」
この自販機の一角はタクシー乗り場から何百メートルもあるのに近くの階段までズラリと待ち人が並んでいた。この行列はえぐすぎる。中には徒歩で帰った方が早いんじゃないかってお客さんもいそう。タクシーもこの状況に切羽が詰まって周囲が見えていないのか、クラクションの鳴らし合い&煽り合いで治安最悪。
タクシーがないなら桃尻家から車を出してもらえばいいじゃない案をすぐに思いつくも、
「申し訳ございませんエリカ様。道路が非常に渋滞しておりまして、そちらに迎えが着くのは深夜になる可能性があると……」
「あっ、いいのいいの、一晩くらい適当に過ごすから大丈夫。若林も今日は上がっていいよ。お疲れ!」
空元気な口調で電話を切り、二人を前にして途方に暮れる。まいったな。さてどうしたことか。
超絶汚いゲップを解き放った後、私はその場でへたり込み、泡を吹いていたらしい。正気に戻ったのは、会計する十分前のこと。その間にも愛理は眠っている私の傍を離れずに看病をしてくれた。三咲は三咲で、店員から冷やしたタオルを借りたりと色々してくれたっぽい。
「本当……ごめんね……」
「全然気にしないでください。元気になってよかったです。カラオケはいつでも行けますし、また次の休みにでも行きましょう!」
「……ごめんね」
謝罪しては謝罪の繰り返し。この会話を何十回したことだろうか。ゲップうんぬんよりも、私のせいでカラオケを台無しにしてしまったことが申し訳なさすぎて、ここで切腹してもいいくらいの罪悪感につぶされる。
ショッピングとカラオケに行こうと約束した日、ものすっごく楽しみにしてくれたのに。それを奪った私は、本っっっ当どうしようもない女……。
「お前元気なんだろ? いつまでへこんでんだよ。辛気臭ぇ」
「三咲くん、その言い方はちょっとないんじゃないかな」
「わーったよ」
言い返すこともなくここで会話終了。シーン、といった効果音が似合うほど気まずく、呼吸するのも苦しさが増していく。夜になる飲み屋街から出てくる女子たちのヒール音や、スーツ姿で客引きを仕掛ける男と釣られそうな男数人のガヤが三人の居心地を余計に悪くしてるようだった。
うう、しんどい。元凶が自分だけど、こんなギスギスなぐちょメモは望んでない。月曜日からもこんな感じだったら、どう生活していけばいいのよぉ!
そして誰も口を開けることないまま、駅に到着。……が、駅の外や構内には人で溢れていた。休日だと人は多くて当然だが、今日ばかりはそんなレベルではない。他人と肩が連続でぶつかり合い、親を探そうと必死の背の低いキッズからは顎に頭突きをされ、電話で歩きながら話す高身長の男からはエルボーを後頭部にくらったりとボコボコにされて一旦まだ駅でも空いていた自販機の前に三人は避難した。
「ここならまだ動けますね。――って、桃尻さん服も顔もボロボロですけど大丈夫ですか!? 人混みで一体何が……」
「え、えへへ……ちょっとね……。にしても、人で嫌になっちゃうわよね。何か催しでもあったかしら?」
「運休だってよ」
「え?」
「ほら」
そう言って三咲が突き出したスマホには運行状況のページが開かれており、赤い文字でシステム障害と事故のため復旧のめどが立たないため全て運休とデカデカと記載されていた。いやいやいや、全部何もかも運休ってそんなのあり!? ま、まあゲームの世界だからいっか!
「じゃあここにいる人たちは、電車に乗れない帰宅困難者ってこと?」
「そうなりますよね。じゃあ今日はタクシーで帰ります?」
「いや無理じゃね? あそこ、階段までタクシーの並び続いてるみたいだしな」
この自販機の一角はタクシー乗り場から何百メートルもあるのに近くの階段までズラリと待ち人が並んでいた。この行列はえぐすぎる。中には徒歩で帰った方が早いんじゃないかってお客さんもいそう。タクシーもこの状況に切羽が詰まって周囲が見えていないのか、クラクションの鳴らし合い&煽り合いで治安最悪。
タクシーがないなら桃尻家から車を出してもらえばいいじゃない案をすぐに思いつくも、
「申し訳ございませんエリカ様。道路が非常に渋滞しておりまして、そちらに迎えが着くのは深夜になる可能性があると……」
「あっ、いいのいいの、一晩くらい適当に過ごすから大丈夫。若林も今日は上がっていいよ。お疲れ!」
空元気な口調で電話を切り、二人を前にして途方に暮れる。まいったな。さてどうしたことか。
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