38 / 84
ルート2 ヒロインとテスト勉強会をしよう!
ヒロインをハートキャッチ!挑め、不可抗力作戦!
しおりを挟む
「ホラー得意なんですか?」
「あまりしないけど、まあまあかしら?」
「すごーい! 頑張ってください!」
好きな子の前では大きく見せたい、または強がる男の気持ちが痛いほど分かる。ここまでしたのなら、もう後には引けない。胸説立証のためとはいっても、苦手なホラーVRゲームは避けられない。まだドレス丈が長くて助かった。こんな大口を叩いておきながら、太もも辺りから冷や汗ダラダラのガクブルで震えているなんて誰も思うまい。
「はい、着けたらすぐにゲームが開始されるはずだよ」
「了解ですわ」
けれどそんな逃げ出したい恐怖を乗り越えてこそ真実の愛なのだと、私は思う。
恵から渡されたゴーグルを装着する、ごくわずかな短時間で愛理がどの位置にいるかを瞬時に把握。自分の位置から右斜め四十五度ぐらいで窓際辺り。
愛理と私は二メートルも離れていないから小股三歩で動いて「ガチョーン」の手を鎖骨よりやや下方にしたらバストへ一本橋が架かるってわけ。私と愛理を結ぶレインボーブリッジは、誰にも封鎖させないんだから。ふふふ、やっばい。考えるだけで興奮してきた。というか、そもそもゲームの画面は直視せずに、目をつむって適当に怖がる演技をしていりゃいいじゃない。漫画でよくある不可抗力作戦よ。
「きゃぁぁ~思ったより怖いですわ~! いや~んゾンビが~!」
VRゴーグルを身に着けた私は愛理がいると思われる方向へ腕を伸ばしながらフラフラと歩いていく。もち、ゾンビなんか見ていない。瞼に光が入り込まないぐらい完璧に閉じている。この辺りできっと何かが、柔らかなモノに触れる感覚がくるはず。ガチョーンポーズをブレさせず、固定して進むこと三歩目で、柔らかくズブズブと指の先が沼に沈んでいくような感覚を捕らえた。
「ほあ……ああぁ……っ」
これ、が、大好きなあの子の……愛理の……胸……。ぷにぷにで、赤子を抱いているような尊さが血管を通して全身に注入されていく……っ!
「あああ~しゅきぃ~!!!」
私が胸だと思って両手でこねくり回していたモノの正体は、カーテンの束だった。染色性にも優れては、ナチュラルな風合いと柔らかい肌ざわりが特徴の綿素材。そらもう、興奮MAXでいる私が勘違いしてもおかしくはない。しかしその奇行じみた行動を囲む周囲の奴らがいるわけであって、
「桃尻さん落ち着いてください。それはカーテンですよ」
「見るな。見たら死ぬぞ」
「ん? おやおや、おかしいな。VRと同じ画面が映し出されているテレビには、難易度を決めるメニュー段階で止まっているんだけどな」
「パイセンには何か見えているのかなぁ? きも~っ!」
「どっちかというと……桃尻さん自体がホラーだよね……」
皆が白けていることに気づかずに、私は長々とカーテンに欲情しまくったのを最後にゲーム大会はあっけなくお開きとなり、私語厳禁のクソ真面目でつまらない勉強会がまた開始されてしまった。まあ、赤点回避は絶対にしなければならないので、ちょびっと集中すれば時間は経つ。白髭執事が夕飯をを用意をしてくれて、有難く召し上がってお邪魔しましたの雰囲気が流れたときのこと。
一人のメイドが慌てた様子で小走りをしてきたかと思えば、こう言った。
「大変です。予想もしていない大雨で道路が冠水して通れないとの情報が入りました。そこでお二方の安全確保のため、本日は金持家へ一泊するよう海外にいるお館様から直々に指示が入りました」
なっ、なんだって――!?
「あまりしないけど、まあまあかしら?」
「すごーい! 頑張ってください!」
好きな子の前では大きく見せたい、または強がる男の気持ちが痛いほど分かる。ここまでしたのなら、もう後には引けない。胸説立証のためとはいっても、苦手なホラーVRゲームは避けられない。まだドレス丈が長くて助かった。こんな大口を叩いておきながら、太もも辺りから冷や汗ダラダラのガクブルで震えているなんて誰も思うまい。
「はい、着けたらすぐにゲームが開始されるはずだよ」
「了解ですわ」
けれどそんな逃げ出したい恐怖を乗り越えてこそ真実の愛なのだと、私は思う。
恵から渡されたゴーグルを装着する、ごくわずかな短時間で愛理がどの位置にいるかを瞬時に把握。自分の位置から右斜め四十五度ぐらいで窓際辺り。
愛理と私は二メートルも離れていないから小股三歩で動いて「ガチョーン」の手を鎖骨よりやや下方にしたらバストへ一本橋が架かるってわけ。私と愛理を結ぶレインボーブリッジは、誰にも封鎖させないんだから。ふふふ、やっばい。考えるだけで興奮してきた。というか、そもそもゲームの画面は直視せずに、目をつむって適当に怖がる演技をしていりゃいいじゃない。漫画でよくある不可抗力作戦よ。
「きゃぁぁ~思ったより怖いですわ~! いや~んゾンビが~!」
VRゴーグルを身に着けた私は愛理がいると思われる方向へ腕を伸ばしながらフラフラと歩いていく。もち、ゾンビなんか見ていない。瞼に光が入り込まないぐらい完璧に閉じている。この辺りできっと何かが、柔らかなモノに触れる感覚がくるはず。ガチョーンポーズをブレさせず、固定して進むこと三歩目で、柔らかくズブズブと指の先が沼に沈んでいくような感覚を捕らえた。
「ほあ……ああぁ……っ」
これ、が、大好きなあの子の……愛理の……胸……。ぷにぷにで、赤子を抱いているような尊さが血管を通して全身に注入されていく……っ!
「あああ~しゅきぃ~!!!」
私が胸だと思って両手でこねくり回していたモノの正体は、カーテンの束だった。染色性にも優れては、ナチュラルな風合いと柔らかい肌ざわりが特徴の綿素材。そらもう、興奮MAXでいる私が勘違いしてもおかしくはない。しかしその奇行じみた行動を囲む周囲の奴らがいるわけであって、
「桃尻さん落ち着いてください。それはカーテンですよ」
「見るな。見たら死ぬぞ」
「ん? おやおや、おかしいな。VRと同じ画面が映し出されているテレビには、難易度を決めるメニュー段階で止まっているんだけどな」
「パイセンには何か見えているのかなぁ? きも~っ!」
「どっちかというと……桃尻さん自体がホラーだよね……」
皆が白けていることに気づかずに、私は長々とカーテンに欲情しまくったのを最後にゲーム大会はあっけなくお開きとなり、私語厳禁のクソ真面目でつまらない勉強会がまた開始されてしまった。まあ、赤点回避は絶対にしなければならないので、ちょびっと集中すれば時間は経つ。白髭執事が夕飯をを用意をしてくれて、有難く召し上がってお邪魔しましたの雰囲気が流れたときのこと。
一人のメイドが慌てた様子で小走りをしてきたかと思えば、こう言った。
「大変です。予想もしていない大雨で道路が冠水して通れないとの情報が入りました。そこでお二方の安全確保のため、本日は金持家へ一泊するよう海外にいるお館様から直々に指示が入りました」
なっ、なんだって――!?
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる