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「う、うんっあ、っや、やっ…ん」

 ビキニを力まかせに託しあげ、熱に浮かされたようにミカルが汐織しおりの胸を攻め立てる。

 舌で舐めとられ、歯で擦り上げられ、痛いくらいだ。
 いつもつつましく胸にあるはずの頂きは、ミカルの唾液にひたされ、その身を赤くうるませていた。
 やわらかな乳房も、ミカルの節くれだった指の形に沈みこんで、いかようにも形を変えた。

「シオリの胸は柔らかいな」

 ミカルは心地良さげに谷間に顔を埋め、舐める。

「…もお、だめっや、め、」

「ずいぶん余裕がないんだな。まだ上しか弄ってないのに」

 ミカルは前をくつろげると、汗ばんで張りついたビキニのパンツの脇に親指をねじ入れ引き下げようとする。

 脱がし辛いと見るや、ステッチのラインにそってつぅーーっ、と指を下へとスライドさせ、皮膚から布地を浮かし、そのまま恥部まで滑らせ親指と人差し指で割り開く。
 大事な場所に、冷えた空気が入り込みビクンと汐織の身体がねた。

「とっくに濡れているんだな。履き物に糸が引いている」

「もう、…やめてぇ、っ」

 息も絶え絶えに懇願する。
 羞恥にたえきれず顔をそむける汐織にかまわず、ミカルの指は大胆にも膣内に侵入する。

「あっ、いっ、っ」

「お前まだ処女?」

 ミカルは汐織の入り口を、浅く抉るように掻き回す。クチュっと指にからみつく蜜音が耳に届いた。

 汐織の体は処女だ。
 前世では一応経験はあるけど記憶が薄すぎてほとんど覚えていない。

「お前のことは好きだけど俺処女はめんどくさいんだよね」

 ミカルは呟くとビキニをひと息に下げ剥がし、太ももを抱え上げ、汐織の身体に自身を突き入れた。
 先端を馴染ませもせず、合わせもしない容赦なく貫かれる痛みに、汐織は悲鳴をあげ、涙が頬を伝う。


(いや、処女は確かにじわじわと時間かけられるよりは、一気に終わらせた方が、楽ではあるんだけど)


 痛みを紛らわそうと思考を巡らせるが、あまりのことに追いつかない。

「あ、あ、あ、あ、ぅ、っん」

 まだ全部入り切っていないのだろうか。
 無遠慮にミカルの腰が推し入り、汐織の柔肉を押し広げた。
 指先一つ動かせず、ただただ痛みを耐えしのぶ。
 瞬きもできない汐織の様子をミカルは楽しんでいるかのようだ。存外に無邪気に笑う。



 (ーーその笑顔がキレイなんて思ってしまった自分は、もう終わっているかもしれない)



 にぶい痛みのなか、汐織はぼんやりそんなことを考えた。

 恥骨が合わさり、汐織の腟内なかに自身を埋めてしまったであろうミカルは何を思ったか、汐織の唇の感触を確かめるように、指を押し当てた。
 身体を蹂躙じゅうりんし、獣のように繋がったはずの男は、互いの口元をすり合わせ、探るように舌を入れ、右手でやわやわと乳房を回し揉む。

 汐織に突き立てた先程さきほどの勢いそのままに、汐織に欲を吐き出すことだってできるのに。
 耳たぶに、首筋に、胸にとミカルがキスの雨を降らせていく。



 そう、これだ。出会ってからずっと、汐織の調子を狂わせるのは。

 ミカルは自分勝手だ。現れてから今まで汐織を、勝手気ままに振り回し、蹂躙して。

 なのに、なんでこんなに優しげに触れるのか。
 一時の気まぐれにしても、これではまるで、汐織がミカルの大切なモノみたいではないか。

 ミカルの肉棒をくわえこみ、ギチギチに満たされた半身が、れられるたびうるおっていく。
 痛みと引き換えるように身体が、膣内が、甘さを拾っていく。



 強引で身勝手。なのに優しい。

 酷いし理不尽なのに、もとめてくれる。

 汐織の中で思いがはじけた。



「…ミカルっ、好きぃ、いっ」

「…俺も、だシオリ」

 ミカルが顔を上気させ汐織の両の太ももを掴み上げ、立ち上がる。

「こうすればシオリがよく見える」

 頭と背中以外が宙に浮いている姿勢で心許こころもとない。



 彼の薄青灰色の瞳が自分わたしのどこに注がれているのか。
 いやいや、と首を左右に振るのが精一杯だ。
 なのにミカルはやめてくれない

「シオリのピンク色のおま×こが俺のを涎を垂らして咥えこんでる」

 ミカルが体を動かし始めーー、

「い。や。あ。っあ、っんあ や あ、あ」

 ミカルが自身で汐織を擦り上げるたびに遠かったしびれが波のように寄せられ、背筋がゾワゾワする。

 繋がった部分に感じるミカルの眼差しに耐えられなくて目を閉じる。

「…シオリはかわいいよな、俺のモノを咥えてよがっている姿が最高にかわいい」

 長いストロークに音を立てて腰を打ち付けられるたびにすでに混ざり合った二人の蜜が、汐織の尻肉をつたい落ち、濡らしていく。

「あん、あ、んっや、あ、あっ」


 太陽が白くて眩しい。
 そういえば、青姦だったな、これ。
 やばい誰か来たら社会的に死ぬ。


 波に打ちのめされながら、すでに回らない頭の片隅でぼんやり考えていると。

「シオリ、お前俺の嫁になれ」
「うん、あ、ミカルぅ、っ」

 奥の多くまで穿たれて汐織の体は快楽に打ち震える。

 うっすらと目を開けるとミカルがあの蕩けるような笑みを浮かべているような気がした。
 この笑顔が見れるならもうなにもかも、どうでもいい。

「ミカルっ、…ダメ、私なにかきちゃういっちゃう、ぅぅぅ、…っん…」

 気持ち良すぎて、何がダメなのか正体が分からず取り乱す。
 奥からの疼きが全身を駆け抜け、四肢を小刻みに震わせる。同時に体内の奥底に熱い物が注がれる。
 強ばる身体の力が抜け、ーー心が少し、満たされたような気がした。





 
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