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第五話
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仮に話し合ったとしてもルナの都合を考えないマイロ殿下からの弁明が何度も繰り返しされるだけだろう。
マイロ殿下は素直に非を認めるだろうけど、ただの不倫ではなく決して無かったことにはできない隠し子の存在があります。
ご両親様からの強い思いにルナの心は動かされましたが、その場の雰囲気に引きずられないようにじっと我慢していました。
この前の話し合いでは、結局マイロ殿下からは離婚だけはしたくないと泣きながら言われましたが、ルナは離婚の意志は固く揺るぎない。
マイロ殿下への愛情はとっくに冷めていて、憎しみを抱いていた心も今はもう落ち着いていますが、ルナは消し去ることのできない精神的な苦痛を受けました。
その心の傷がまだ癒えることはなく、永遠に残ることをルナは痛いほど理解できている。
陛下と夫人の思いと裏腹に、ルナは清水の舞台から飛び降りるつもりで第二の人生を生きる方針を定めていた。
マイロ殿下とルナ夫人は離婚をすることが決まる。行き着くところそういう選択になった。
話し合いの場でのこと。
「申し訳ありません」
「ルナさんが謝ることはないでしょう?」
「そうだな。私達も無理な願いをして悪かった」
「この前は無理強いしてごめんなさいね……」
ご両親様も離婚はしょうがないと納得していただきました。
陛下が言われました。
「月日が流れたらルナの気持ちも変わるかもしれない。その時は息子との再婚を考えてほしい」
「はい……」
ルナはつぶやき声で返事をする。
マイロ殿下は絶縁はしないそうですが今回の件は厳しく処分するとおっしゃられました。
マイロ殿下は素直に非を認めるだろうけど、ただの不倫ではなく決して無かったことにはできない隠し子の存在があります。
ご両親様からの強い思いにルナの心は動かされましたが、その場の雰囲気に引きずられないようにじっと我慢していました。
この前の話し合いでは、結局マイロ殿下からは離婚だけはしたくないと泣きながら言われましたが、ルナは離婚の意志は固く揺るぎない。
マイロ殿下への愛情はとっくに冷めていて、憎しみを抱いていた心も今はもう落ち着いていますが、ルナは消し去ることのできない精神的な苦痛を受けました。
その心の傷がまだ癒えることはなく、永遠に残ることをルナは痛いほど理解できている。
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「申し訳ありません」
「ルナさんが謝ることはないでしょう?」
「そうだな。私達も無理な願いをして悪かった」
「この前は無理強いしてごめんなさいね……」
ご両親様も離婚はしょうがないと納得していただきました。
陛下が言われました。
「月日が流れたらルナの気持ちも変わるかもしれない。その時は息子との再婚を考えてほしい」
「はい……」
ルナはつぶやき声で返事をする。
マイロ殿下は絶縁はしないそうですが今回の件は厳しく処分するとおっしゃられました。
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