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第七話

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マイロ殿下は残念そうな顔をして悔し涙を流す。

「やっぱりそうか……」と理解して自分に言い聞かせるような感じでつぶやく。

そしたらマイロ殿下が顔を向けてとんでもない事を口にしたのです。

「ルナわがままな要求をするが相手とは別れてもらえないか?」
「殿下にはもうそのような権利を主張する資格はありませんが?」
「自分勝手なことを言っているのはわかっている!」

眉間にしわを寄せてルナは不快感をあらわにした。

「ルナ頼む!」
「馴れ馴れしい! 名前で気安く呼ばないでください! 礼儀を欠いた無礼な態度ですよ!」

突然かつての妻に激しい剣幕で怒鳴りつけられてしまい顔色が青ざめる。

「すまない…悪かった……」

思わず謝罪の言葉を口にした。

離婚したルナは皇后から公爵令嬢になりマイロ殿下とは他人の関係。そんな人から親しみやすい呼び方をされ、恋人と別れろなんてお願いされたら怒るのは当然のこと。

「どうしても気持ちは戻らないのか?」
「戻らないと思います。殿下への気持ちは申し分なく冷めていますから……」
「どうして私達はこんな事になったのだろうな…あんなに幸せだったのに」

マイロ殿下はそうささやくと力なくうなだれて泣きながら帰って行かれました。

その日からマイロ殿下は情緒不安定になってしまい、すぐ怒ったり泣いたり無気力な状態になっているとルナは人づてに聞く。

3ヶ月後、ルナの結婚が正式に決定する。言うまでもなく相手はマイロ殿下ではない。

その知らせを聞いたマイロ殿下はひどくショックを受けてその場に倒れてしまい意識不明になって、1ヶ月経った今でも目を覚ましていないという。

結婚したルナ夫人は今日も幸せな日々を過ごし、子供と旦那には状況が許す限り愛情を注いでいました。
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