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第6話 美しく気高い心を持つ女性

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「アイの好みの男を国中から集めてアイが一人を選んで結婚するのはどうだ?」
「お父様それは名案ですね。私がアイと結婚できないのは悲しいけど……」

愛が黙っているとカルロスが何か思いついたらしく調子よさそうに言ってきました。アルシオンが良い考えだと話を合わせるように応じる。でも愛と結ばれることが難しくなると思い少し残念そうな顔をしてつぶやいた。

「アイよ。結婚を決めた相手の他に気に入った者がいれば、アイのそばに置いて身の回りの世話をさせ一緒に暮らせばいい」

よりどりみどりで好きなのを選べばいい。カルロスは愛のことを気にかけるように言う。集めた男たちは良いなと思えば愛に仕える召使にすればいいと提案した。

王族に生まれたカルロスからすれば当たり前の感覚だが、愛は日本では普通の日常生活を送っていたので庶民的な感覚を持っている。

愛は小説とかドラマをよく見ていて美男子たちに囲まれる生活に憧れを抱いたこともありましたが、実際にそのようなことを言われると愛は照れて戸惑っているような様子になっていた。

「――私は結婚しませんし一生独身で過ごすと決めています!」

カルロスとアルシオンは親子それぞれ勝手なことを想像しては言い合っていると、愛が二人に顔を向けてばっさりと言い放った。

愛は日本では優雅な独身生活を送っていた。一時は恋人関係にあった男もいたが、一緒にいると譲歩することになり生活が息苦しい。愛は活発で自由奔放な性格でモデル経験があり見栄えがする顔で人目を惹く女性。

愛はを貫く気高い心を持つ女性でした。恋人がいたことはありましたが実はまだ処女であった。それなのに異世界に来て僅かの期間のうちに、様々な男性と出会い男の味を覚えて愛は大きく変わっていくのかもしれない。

「アイは素敵な女性だよ。私も一目で恋に落ちた」
「アイは気品が感じられる。貴族令嬢よりも美しい。もう少し私が若ければ……」

アルシオンとカルロスは子供を作ることに、消極的な姿勢を見せる愛に不安な気持ちが胸に満ちてきた。親子は互いに顔を見つめて小さく頷き合うと愛のご機嫌を取るようなことを言い出す。

「あの、そんな事より私は元の世界に戻れるのですか?」

愛はふと思いついたことを口走った。自分は元の世界に帰れるのか?愛にとってかなり重要な問題である。

「悪いがそれは無理なのだ」
「アイが帰れる方法を必ず見つけ出すから今は待ってほしい」

カルロスは心苦しさが感じられる顔で返答した。続けてアルシオンが言う。自信の根拠となるものはなく気休めみたいなものだが喋らずにはいられなかった。
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