彼が結婚している親友と関係を持っていて婚約破棄。相手が妊娠してなかったからやり直そうと手紙が届く。

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第1話

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3ヶ月前に婚約したマリア公爵令嬢とピエール王太子殿下。だがピエール殿下はマリア令嬢の親友で結婚しているアイリ夫人とかなり前から不倫していた。結婚式を挙げる予定も決まっているが白紙になりそう。

マリア令嬢とピエール殿下は学園に通っていた時から誰にも気づかれないように水面下で交際していた。

「ロベルト」
「どうした?」
「僕はとうとうあの息をのむほど美しく人目を引くほど愛らしいマリアと結婚するんだ」
「何だって!?」

ピエール殿下が婚約者としてマリア令嬢の写真を腐れ縁とでも呼べる友人のロベルト令息に勝ち誇った顔で見せる。ロベルト令息は思わず怒鳴り声を上げて突っ込みを入れたくなる気持ちを忍耐強く辛抱した。

なにしろピエールが不倫していることはロベルトは秘密裏に情報を集めて以前から知っていた。ちなみにロベルトとマリアは親戚の関係で子供の頃から可愛がっている幼馴染。

それがこんな不倫するような奴と大事なマリアが結婚すると聞けば穏やかな気分でいられるわけもなく、内心は恐ろしいほどの怒りでひどく感情を害した。

不倫相手がマリアの親友のアイリだということも許すということは考えられなく、このままピエールを葬り去りたい荒れた気分を抑える。

ロベルト令息はマリア令嬢に直ぐに手紙を送り接触を図る。

「マリア!ピエールと婚約してるのか?」
「そうですけど何か?」

会った瞬間からロベルトは興奮しているようだった。ロベルトはマリア令嬢より2歳年上の血縁者で小さい頃から優しいお兄さんみたいな感じで遊んでもらったことがあり信頼できる人。

そのロベルトが余裕がない表情で追及してきたのだ。マリアの知っているロベルトの印象ではそのようなことはなく日頃からどんな自体に直面しても冷静に対処する性格なのにと不審に思う。
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