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第33話

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「ジャック最近スキンシップが足りない!」
「エリザベスごめんよ。僕も構ってあげたいんだけど……」

最近仕事が忙しすぎて、丸っ切りエリザベスの遊び相手になってあげれなかった。先日、辛抱できずにエリザベスから夫婦の触れ合いが少ないと文句を言われてしまう。

「私今日はとっても頑張ったんだよ。だからたくさん褒めて癒してほしいな」
「そうなの?何をがんばったの?」

夕食の時、エリザベスが元気のいい声で話しかけてきた。よく分からないけど今日は頑張ったらしい。だから夫のジャックに、お姫様みたいにチヤホヤしてほしいとねだるのです。

ジャックは何をそんなに頑張ったのか気になって尋ねました。すると、一瞬停止して頭を働かせるエリザベス。

「えっーと……なんだっけ?思い出せない……でも褒めて!」

エリザベスは記憶の彼方に消えてしまったと残念がる。とりあえずジャックはいたわるような顔で優しく頭をなでるとエリザベスも嬉しそうに笑顔を浮かべていました。


「僕はエリザべスが大好きだー!」
「どうしたのジャック今日はやけにテンションが高いね?」
「近頃はエリザベスと全然コミュニケーションを取れなかったからさ、今日はいっぱい可愛がるからね」
「とっても嬉しくて幸せ!」

二人は幼馴染として10年以上も一緒にいるのに、未だに初めて交際したような青春の匂いを感じさせる恋人みたいな夫婦。毎日ふざけ合っていても全然飽きない程の仲良し。

今日はジャックの仕事が休みで、ぴったり密着して子供のように度が過ぎるほどはしゃぎ、途切れることがなく笑顔を交わして浮かれ気分でした。

逆にいえば、結婚して子供が生まれて二人で色んなイベントを計画して楽しんでいると、親密度が徐々に増していく。

「ママはパパのものだぞ!」

まだ生後わずか半年の息子に向かって、そんなことを言ってるジャック。冗談なのか本気で言ってるのか不明だが、妻のエリザベスの事は誰にも渡したくないらしい。

実は付き合い始めたころのジャックは、感情表現が下手で身体を寄せ合うのも恥ずかしいと拒否していたのです。

しかしエリザベスからのイチャイチャ攻撃に、なす術がない程やられてしまう。現在は夫婦になってお互い似てくるもの。

事あるごとに腕を絡ませようとしてくるジャックに、廊下とかでばったり会うとすぐにでも駆け寄って抱きついてきたりするエリザベスなのでした。
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