17 / 23
第17話 奥様は夫を殴る
しおりを挟む
「ナタリアは私の運命の相手だ。アメリアの分まで二人で幸せになるから心配しないでくれ。できればアメリアには祝福の言葉を結婚式で語ってほしい」
つい先ほどまでの会話と違い、ジェームズは急に怖いほど真剣な顔になって言う。ナタリアに会いに行き妊娠と結婚のことを聞いたらさっと顔色を変えた。ナタリアと関係を認め盛大な結婚式を挙げようとしている。
事もあろうにアメリアに結婚式に参列して結婚祝いのメッセージを頼んできた。この男は頭がおかしいのではなかろうか?
「ジェームズが妊娠させてしまったから責任を取るために仕方なくナタリアと結婚するだけでしょ」
責任を取る形で一緒になるだけなのに何が運命の相手なのか?ジェームズは芝居の台詞でも喋っているようだ。アメリアは悔しいやら腹立たしいやらで泣きたくなった。
「それは違う!私たちは真剣に愛し合っている。ナタリアは若くてもしっかりしている女性だが、本当は寂しがり屋で私が守ってやる必要があるのだ。アメリアは一人で生きていけるだろうけどな」
「そうですか……」
若い娘と付き合い夢に酔いしれながら、あり得ない程の金や物を貢いでおきなら真剣な愛だと熱弁をふるう。ナタリアのことを真面目で良くできた子だっただろう?と言いナタリアをあらゆる面で肯定し褒め称えるジェームズに、アメリアとエリーは呆れたような顔をしている。
母スカーレットは息子がナタリアという若い女性と不倫していて、妊娠させたという話は今初めて聞いた。まさに晴天の霹靂だったが息子を溺愛しているので、無茶な言い分にも協力しなければならないとスカーレットは使命感に燃えた。
「私たちは二人の愛を応援しましょう!そうすればアメリアもいつか運命の人に出会えますよ?」
スカーレットはアメリアの神経を逆なでするようなことを悪びれる風もなく言う。運命の二人の結婚を心から祝福してあげなさいと、アメリアに向かって熱心な説得をはじめた。
スカーレットは溺愛する息子の運命の相手に出会ったという結婚宣言に、胸が熱くなって感動の嵐が巻き起こり涙がとめどなく流れて感動で頬を濡らした。
「ジェームズもスカーレットも頭がおかしいです!」
「私もこれほど気が触れた親子だとは思いませんでした」
美しいレディーの二人は肩が激しい怒りに震えながら口々に文句を言い、アメリアとエリーは親友として心の絆を深めていく。恥を恥とも思わずにジェームズの結婚に、手をたたいて喜び号泣するスカーレットも正気でないと思われる。
「ジェームズ!あなたはルーナという人とも不倫してたでしょ」
「久しぶりに聞いた名前だ。でもルーナとは結婚する前に別れたから問題ないよね?」
アメリアはふと頭をよぎりルーナという既婚者とのことを質問したら、もう随分前に別れたと平気な顔をして話した。
「まだ私と離婚もしてないしエリーとの不倫も認めないし最低な男ね!」
ナタリアの言っていた事はどうやら真実だった。アメリアは厳しい言い方すると次の瞬間、夫に本気で殴りかかった。
「え?うわあ!?」
ジェームズは驚いて悲鳴をあげた。まさかアメリアがこんな行動を起こすなんて思わなかった。完全に油断していて避けることも出来ず、顔をいきなり殴られて後ろに倒れた。
勢いよく床に倒れて後頭部を強打した。ジェームズに意識はあり、ぶつけたところを手で押さえて床を転げ回って苦しんでいる。
「きゃあああっジェームズちゃん!」
「アメリア……」
スカーレットが最初の悲鳴をあげた。部屋に甲高い声が響く中、エリーは不安な思いに駆られて親友の名前をつぶやくように言った。
つい先ほどまでの会話と違い、ジェームズは急に怖いほど真剣な顔になって言う。ナタリアに会いに行き妊娠と結婚のことを聞いたらさっと顔色を変えた。ナタリアと関係を認め盛大な結婚式を挙げようとしている。
事もあろうにアメリアに結婚式に参列して結婚祝いのメッセージを頼んできた。この男は頭がおかしいのではなかろうか?
「ジェームズが妊娠させてしまったから責任を取るために仕方なくナタリアと結婚するだけでしょ」
責任を取る形で一緒になるだけなのに何が運命の相手なのか?ジェームズは芝居の台詞でも喋っているようだ。アメリアは悔しいやら腹立たしいやらで泣きたくなった。
「それは違う!私たちは真剣に愛し合っている。ナタリアは若くてもしっかりしている女性だが、本当は寂しがり屋で私が守ってやる必要があるのだ。アメリアは一人で生きていけるだろうけどな」
「そうですか……」
若い娘と付き合い夢に酔いしれながら、あり得ない程の金や物を貢いでおきなら真剣な愛だと熱弁をふるう。ナタリアのことを真面目で良くできた子だっただろう?と言いナタリアをあらゆる面で肯定し褒め称えるジェームズに、アメリアとエリーは呆れたような顔をしている。
母スカーレットは息子がナタリアという若い女性と不倫していて、妊娠させたという話は今初めて聞いた。まさに晴天の霹靂だったが息子を溺愛しているので、無茶な言い分にも協力しなければならないとスカーレットは使命感に燃えた。
「私たちは二人の愛を応援しましょう!そうすればアメリアもいつか運命の人に出会えますよ?」
スカーレットはアメリアの神経を逆なでするようなことを悪びれる風もなく言う。運命の二人の結婚を心から祝福してあげなさいと、アメリアに向かって熱心な説得をはじめた。
スカーレットは溺愛する息子の運命の相手に出会ったという結婚宣言に、胸が熱くなって感動の嵐が巻き起こり涙がとめどなく流れて感動で頬を濡らした。
「ジェームズもスカーレットも頭がおかしいです!」
「私もこれほど気が触れた親子だとは思いませんでした」
美しいレディーの二人は肩が激しい怒りに震えながら口々に文句を言い、アメリアとエリーは親友として心の絆を深めていく。恥を恥とも思わずにジェームズの結婚に、手をたたいて喜び号泣するスカーレットも正気でないと思われる。
「ジェームズ!あなたはルーナという人とも不倫してたでしょ」
「久しぶりに聞いた名前だ。でもルーナとは結婚する前に別れたから問題ないよね?」
アメリアはふと頭をよぎりルーナという既婚者とのことを質問したら、もう随分前に別れたと平気な顔をして話した。
「まだ私と離婚もしてないしエリーとの不倫も認めないし最低な男ね!」
ナタリアの言っていた事はどうやら真実だった。アメリアは厳しい言い方すると次の瞬間、夫に本気で殴りかかった。
「え?うわあ!?」
ジェームズは驚いて悲鳴をあげた。まさかアメリアがこんな行動を起こすなんて思わなかった。完全に油断していて避けることも出来ず、顔をいきなり殴られて後ろに倒れた。
勢いよく床に倒れて後頭部を強打した。ジェームズに意識はあり、ぶつけたところを手で押さえて床を転げ回って苦しんでいる。
「きゃあああっジェームズちゃん!」
「アメリア……」
スカーレットが最初の悲鳴をあげた。部屋に甲高い声が響く中、エリーは不安な思いに駆られて親友の名前をつぶやくように言った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,069
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる