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第2話 親友に話して真実を聞く

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兄のニコラスから証拠集めを徹底するようにとアドバイスを受けて励まされた。学生のナタリアとは面識もないですが、親友同士だと思っていたエリーはよく知ってる人物。エリーと接触し揺さぶりをかけていくべきか?

ジェームズとの手紙のやり取りを見ましたよ?あなたの夫も交えて話合いましょうと怒りと復讐の脅し文句を口にしてみようかしら?普通の感覚なら速やかに降伏しそう。

「早くどうにかしたい。ジェームズにも聞いてみたいし……」

夫に単刀直入に切りだすのが一番よいと思い先に話してみたくもなる。話してみないと夫の気持ちがはっきりと分からないし、アメリアも落ち着かない気分で食欲が湧かなかった。

アメリア早まるなよ?ニコラスから注意されていたのを思い出した。

証拠は偶然見た手紙だけで今はもう手元にない状態のため、アメリアが証拠もなしに問い詰めても失敗するかもしれない。

ジェームズが手紙を見られたかもと疑ってるので見つからない場所に隠しただろうし、ジェームズが不倫している前提で追求しても単なる言いがかりとしてアメリアを悪者に仕立て上げる可能性もある。

「これ以上迷っている暇はない!」

数日後アメリアは行動を起こすことに決めた。ジェームズを問い詰める前に親友のエリーの家に行きました。エリーはアメリアをにこやかな笑顔で迎えてくれた。ジェームズと不倫していることがわかった今は白々しい態度に心の底まで憎しみで煮え立っていた。

ジェームズの手紙を見たんだけど?よくそんな態度取れるねとアメリアが言うと血の気の引いた顔になり、誰かに聞かれたら困ると警戒してエリーは慌てた声で部屋からメイドを追い出した。

「アメリアごめん。夫には秘密にして……」

アメリアは何かもう虫酸むしずが走るような不快感を感じる。人の家庭は壊しても自分の家庭は守りたいという意思を見ることができる。アメリアは大人気なくわざと大声で叫びました。

すると何か危険があったのかとメイドたちがすぐに飛んで来た。主人を呼んできなさいとアメリアは冷たく言い放つとエリーはなんで夫に話す必要があるの!と興奮してキーキー声をはりあげ不平を言う。

「そんなに騒いで何か異変が起きたのか?」

伯爵家の当主の夫がメイドに連れられ部屋に来てどうしたのかと聞くので、あなたの妻と私の夫が不倫をしていましたとアメリアは遠慮なく言った。夫は本当かと尋ねるとエリーは視線をそらし顔を横に向けたまま黙って頷く。

顔を赤くして怒った夫に目の前で頬を叩かれたエリーは、アメリアにではなく夫に土下座をしジェームズに誘惑されたんだと自己弁解めいたことを言ってました。大声で叫んでいるので二人の子供まで飛び出て来て驚いてきょとんとした顔をしていた。
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