結婚式で王子を溺愛する幼馴染が泣き叫んで婚約破棄「妊娠した。慰謝料を払え!」花嫁は王子の返答に衝撃を受けた。

window

文字の大きさ
上 下
16 / 20

第16話 彼女は女性の身分の最高地点に到達した

しおりを挟む
エースとアンジェリカが住みついた場所は決して安住の地とは言えなかった。当然ながら交通は不便で村人は高齢者が多く、若者が減少して労働者不足が深刻化し急速に過疎化が進んでいた。村にいた数少ない若者たちは次から次へと村を捨てて都会に出て行った結果でした。

「大きくなったら絶対に村を出てお金持ちと結婚する!」
「裕福な実業家と一緒になって家で雇ったメイドにとか呼ばれたいよね?」
「うん。呼ばれたい!」
「私はって言われたいな」
「それホントわかる。わたしは結婚するなら裕福な商人がいい!」
「私はやっぱり貴族様がいいかな?パーティーとかでどっかの貴公子に見初められて夫婦のちぎりを交わすの」
「周りは田んぼと畑で何もないところだよね。一度でいいからお洒落なお店に行ってみたい……」
「近くの街に行くのに三日もかかるなんて遠すぎるのよ。涙がとまらない」
「夜は真っ暗で虫の鳴き声が凄すぎて眠れないわ」
「こんなド田舎で一生暮らせるか!」

村の子供たちの間ではセレブな奥様ごっこをしたりしていました。若者は田舎は嫌だと華やかさを求めた。色とりどりの都会の雰囲気や生活に憧れもあり、こんな所で貧乏な田舎暮らしはしたくないと皆が口を揃えて言う。

分かりきったことだが学校なんて無いので、試験勉強という息も詰まるような不気味な圧迫感に明け暮れる必要もない。そのために十代半ばになった少年少女は、お金を稼げる場所を求めてここを離れた。どんなに遅くても成人までには村から旅立っていく。

村の出身者には実は過去にした女性がいた。子供の頃に抱いていた夢を実現させる。運も実力のうちと言いますが歴史に残る快挙を成し遂げる。彼女は偉大な存在になり女性の地位のに達した。

こんな消滅を待つような場所にそんな人がいたのか?と誰もが耳を疑うような話ですが、彼女は今も生きていて向かうところ敵なしの状態で自由気ままに優雅な生活を送っている。

「――何という愛らしい顔をした赤ん坊なんだ!」

その昔、もはや何十年以上も前のことだった。村で在住する普通の夫婦から、これまでに例のないほどの信じられない器量よしの女の子が偶発的に誕生した。村の人から運命の女神の生まれ変わりと言われて尊い存在として愛されていた。

彼女は年頃の娘になる前の小さい頃から化粧もしてないのに顔は浮いたように美しく、いつでも輝いて見えて村人たちはまぶしさを感じていた。村人の男は全員が愛の告白をしましたが彼女は告白されるたびに優しく丁重に断っていました。

「付き合ってください!」
「顔が全然タイプじゃないの。ごめんなさい」
「結婚してください!!」
「経済的に苦しい男は無理」
「僕の子供を産んでください!!!」
「泥臭いから寄らないで。臭いから向こう行ってよ」

この女性は相当に賢く小さい時から美を極めている顔の造りをしていて自分の価値に気がついていた。あんな田舎者丸出しの汚い男と結婚するのは自分がもったいないと思ったのです。そんな彼女は言うまでもなく、まともな風呂もトイレもない衛生的に問題のある村で一生を過ごすなんて考えられなかった。

田舎に住む彼女にそのようなをつけさせたのは、月に一度村に来る行商人の女性の影響でした。その女性は背が高く髪も短く実にボーイッシュな感じで、最初に見た時は外見から男だと間違えました。

みすぼらしい場所に美しすぎる子がいたので行商人の女性は息もつけないほど驚いた。二人は仲良くなり、これまでの人生で苦労を重ねてきたと行商人は話し始め色々な事を小さな彼女に教えてくれた。そして順調に成長して村を出発した。

神もおそれる美しさを放つ彼女は都会に出て、たくさんの男に好意を寄せられた。三年後に彼女は遊び相手の男にある記念パーティーに誘われて会場でをした。その男と結婚して今ではウィンストン王国の王妃にまで上りつめる。後にエースという名前の王子を産んだ。
しおりを挟む
*****新作「病気で療養生活を送っていたら親友と浮気されて婚約破棄を決意。私を捨てたあの人は――人生のどん底に落とします。」を投稿しました。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

あなたにおすすめの小説

もういいです、離婚しましょう。

うみか
恋愛
そうですか、あなたはその人を愛しているのですね。 もういいです、離婚しましょう。

【完結】冷遇・婚約破棄の上、物扱いで軍人に下賜されたと思ったら、幼馴染に溺愛される生活になりました。

えんとっぷ
恋愛
【恋愛151位!(5/20確認時点)】 アルフレッド王子と婚約してからの間ずっと、冷遇に耐えてきたというのに。 愛人が複数いることも、罵倒されることも、アルフレッド王子がすべき政務をやらされていることも。 何年間も耐えてきたのに__ 「お前のような器量の悪い女が王家に嫁ぐなんて国家の恥も良いところだ。婚約破棄し、この娘と結婚することとする」 アルフレッド王子は新しい愛人の女の腰を寄せ、婚約破棄を告げる。 愛人はアルフレッド王子にしなだれかかって、得意げな顔をしている。

婚約破棄を、あなたのために

月山 歩
恋愛
私はあなたが好きだけど、あなたは彼女が好きなのね。だから、婚約破棄してあげる。そうして、別れたはずが、彼は騎士となり、領主になると、褒章は私を妻にと望んだ。どうして私?彼女のことはもういいの?それともこれは、あなたの人生を台無しにした私への復讐なの?

お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】 私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。 その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。 ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない 自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。 そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが―― ※ 他サイトでも投稿中   途中まで鬱展開続きます(注意)

【完結】真実の愛だと称賛され、二人は別れられなくなりました

紫崎 藍華
恋愛
ヘレンは婚約者のティルソンから、面白みのない女だと言われて婚約解消を告げられた。 ティルソンは幼馴染のカトリーナが本命だったのだ。 ティルソンとカトリーナの愛は真実の愛だと貴族たちは賞賛した。 貴族たちにとって二人が真実の愛を貫くのか、それとも破滅へ向かうのか、面白ければどちらでも良かった。

大好きなあなたを忘れる方法

山田ランチ
恋愛
あらすじ  王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。  魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。 登場人物 ・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。 ・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。 ・イーライ 学園の園芸員。 クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。 ・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。 ・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。 ・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。 ・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。 ・マイロ 17歳、メリベルの友人。 魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。 魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。 ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない

鈴宮(すずみや)
恋愛
 孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。  しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。  その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?

処理中です...