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第14話 衝撃の告白。お腹の子はあなたの子供じゃない

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エースを助けに来たのは噂話や悪口が大好きな村人たちでした。実は村人の中には凄腕の魔法使いの御祖母おばあ様や達人級の冒険者に今は引退した老兵の豪傑な騎士がいました。

彼らはあっという間に盗賊を倒してエースを救いました。技術レベルが高く強すぎる村人たちの動きに、エースは何が起こったのか分からなくて口をポカンと開けて石のように固まっていた。

悪行の限りを尽くす盗賊集団が近くに現れたことを察知して行動を開始した。村の外に散歩に出たというエースのことも聞いていたので心配して疾風のごとく駆けつけてくれたのでした。

「――アンジェリカさっきはごめん。君に八つ当たりして酷い事を言ってしまった。僕が全部悪かったから許してくれ」

エースは家に帰ったらすぐに彼女の前で頭を下げて丁寧に謝罪の言葉を口にした。

「許す!でも今回だけだよ?」

が心に伝わったらしく、アンジェリカは弾ける笑顔を向けて許すと言ってくれた。

「ありがとうアンジェリカ。こんな情けない僕を許してくれて……君の事を必ず生涯守って絶対に大事にするからね」

許してもらえたエースは顔がぱあっと明るくなった。嬉しくてしょうがなくて立ち上がるとアンジェリカの腰に手を回して両手で抱き上げました。

思いがけない事に彼女は驚いて目を丸くしていましたが屈託のない笑みで喜んだ。いきなりキスを交わし二人の唇は長い間離れる事はなく繋がっていた。

「エース大事な話があるの」
「なに?」

それは夕食後のことであった。アンジェリカがかなり深刻そうな感じで話があると言う。なにか覚悟を決めた顔にエースは返事をしながら不安な胸騒ぎを感じた。

アンジェリカはいままで見たことがないような凄く真面目な表情をしている。緊張してるのがエースも肌で感じる。

「君が過去にどんな悪さをしてても僕が受け止めるから遠慮せずに何でも言ってほしい」

エースは信頼するような笑顔を向けて肩に力が入っているアンジェリカに、とても優しく穏やかな声で何も心配いらないから心で悩んでることを明かしてほしいと言った。

「うん。わかった。エースありがとう」

本心では告白しようかためらっていたアンジェリカは、エースに後押しされて胸にたくさん詰まっていた苦しみが軽くなって不安が緩やかに消えていく。

「僕はアンジェリカを愛しているから何を言われても大丈夫だからね」

彼女が何を悩んでいるのか気になりますが、エースは自分の心は準備OKだよと返答する。アンジェリカは安心しきった顔に変わって話始める。

「エース実はね……私のお腹の子はあなたの子供じゃないの」

「――え?」

「だからエースの子供じゃないの。今まで言えなくて隠してて本当にごめんなさい」

「――あへぇ?」
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