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第2話 幼馴染と結婚するからウェディングドレスを脱いで
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「本当に僕の子供なのか?」
「私はエース以外の男性と体の関係を持った事はありません」
「わかった。僕はアンジェリカと結婚する」
金色の髪に色白で端正な顔立ちのエースは深い緑の瞳でアンジェリカを見つめる。一点の曇りもない気持ちでアンジェリカは答えた。するとエースは結婚すると言う。
「本当?嬉しい……」
「アンジェリカとお腹の子供は僕が守るからね」
「エースありがとう!」
アンジェリカは嬉しそうに声を弾ませ抱きついて、自分と結婚をすると言ってくれたエースにキスの雨をふらせた。しばらく二人は愛情が盛り上がって長いキスをして愛し合っていることを再確認するのだった。
純白の花嫁衣装で着飾ったエリザベートは、すぐ横でその様子を見ながら焦りを顔に浮かべる。すっかり思考停止といった状態になっていた。自分の結婚式なのにどうして?エースは何を言ってるの?
階段の上でエースとアンジェリカがキスをしている間は多くの参列者が注目していた。顔がこわばって狼狽と苦痛に歪んでいる人に、驚きのあまり言葉が出てこない人など様々な思いが渦巻いている。
「エリザベート」
「……は、はい」
「そういう事だから僕は幼馴染のアンジェリカと結婚する」
「はぁ?」
「君はウェディングドレスを脱いでアンジェリカに着させてくれ」
「ひょえっ!?」
まだ足りないような気分だったが、ようやくキスが終わって二人は離れた。愛を確かめ合って満足そうな顔をしていた。
次の瞬間エースは花嫁衣装に身を包んだエリザベートのほうを向いて声をかけた。頭の中が真っ白になり当惑が心の中にあったので驚いたように返事をする。
アンジェリカと結婚するから純白の花嫁衣装を脱いでくれと言った。平気な顔で淡々とした態度には悪びれた素振りが少しもない。
エースの言葉に心底仰天したエリザベートは型破りな声を出してしまった。
「花嫁はアンジェリカに変わった!みんな心から祝福の声を改めて頼む!!」
参列者一同に向かってエースは自信に満ちあふれた声で高らかに宣言した。
「ふざけるなーーーーーー」
「誰が祝ってやるかっ」
「お前たちの結婚なんか祝福するわけないだろ!」
「エリザベート様が可哀想です」
「恥ずかしくないのかーー!王子は何を考えてるんだーーーー!!」
今の状況に驚くというよりも戸惑っていた参列者たちは、エース殿下の言葉を聞いてハッと我に返った。おかしな事を言い出したと気がついて激昂して罵詈雑言の嵐を浴びせた。
「私はエース以外の男性と体の関係を持った事はありません」
「わかった。僕はアンジェリカと結婚する」
金色の髪に色白で端正な顔立ちのエースは深い緑の瞳でアンジェリカを見つめる。一点の曇りもない気持ちでアンジェリカは答えた。するとエースは結婚すると言う。
「本当?嬉しい……」
「アンジェリカとお腹の子供は僕が守るからね」
「エースありがとう!」
アンジェリカは嬉しそうに声を弾ませ抱きついて、自分と結婚をすると言ってくれたエースにキスの雨をふらせた。しばらく二人は愛情が盛り上がって長いキスをして愛し合っていることを再確認するのだった。
純白の花嫁衣装で着飾ったエリザベートは、すぐ横でその様子を見ながら焦りを顔に浮かべる。すっかり思考停止といった状態になっていた。自分の結婚式なのにどうして?エースは何を言ってるの?
階段の上でエースとアンジェリカがキスをしている間は多くの参列者が注目していた。顔がこわばって狼狽と苦痛に歪んでいる人に、驚きのあまり言葉が出てこない人など様々な思いが渦巻いている。
「エリザベート」
「……は、はい」
「そういう事だから僕は幼馴染のアンジェリカと結婚する」
「はぁ?」
「君はウェディングドレスを脱いでアンジェリカに着させてくれ」
「ひょえっ!?」
まだ足りないような気分だったが、ようやくキスが終わって二人は離れた。愛を確かめ合って満足そうな顔をしていた。
次の瞬間エースは花嫁衣装に身を包んだエリザベートのほうを向いて声をかけた。頭の中が真っ白になり当惑が心の中にあったので驚いたように返事をする。
アンジェリカと結婚するから純白の花嫁衣装を脱いでくれと言った。平気な顔で淡々とした態度には悪びれた素振りが少しもない。
エースの言葉に心底仰天したエリザベートは型破りな声を出してしまった。
「花嫁はアンジェリカに変わった!みんな心から祝福の声を改めて頼む!!」
参列者一同に向かってエースは自信に満ちあふれた声で高らかに宣言した。
「ふざけるなーーーーーー」
「誰が祝ってやるかっ」
「お前たちの結婚なんか祝福するわけないだろ!」
「エリザベート様が可哀想です」
「恥ずかしくないのかーー!王子は何を考えてるんだーーーー!!」
今の状況に驚くというよりも戸惑っていた参列者たちは、エース殿下の言葉を聞いてハッと我に返った。おかしな事を言い出したと気がついて激昂して罵詈雑言の嵐を浴びせた。
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*****新作「病気で療養生活を送っていたら親友と浮気されて婚約破棄を決意。私を捨てたあの人は――人生のどん底に落とします。」を投稿しました。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
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第1~4話 メイシア視点
第5~9話 ユージーン視点
エピローグ
ユージーンが好きすぎていつも逃げてしまうメイシアと、
その裏のユージーンの葛藤(答え合わせ的な)です。
※無断転載・複写はお断りいたします。
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