17 / 24
第17話
しおりを挟む
「誰にでも間違いはあるでしょ。夫婦はお互いに許し合って成長していくもの」
「冗談を言うな。僕達は別れてるんだぞ」
「ならまたやり直せばいい。私は今お姉様が子供を虐待するかもしれないことを心配してる」
「そんなことは絶対にあり得ない」
「万に一つの確率であなたとお姉様の間に子供ができたらその可能性は膨らんでいく。そのことを考えるだけで身を切られるような苦悩で眠れない」
風呂上がりのアメリアと改めて話し合いをすると平行線のままで好き勝手にいい加減なことを言う。
あろうことか娘のミアを姉のエミリーが暴力的に扱うのでは?とあきれ果てることを口にする。子供を虐待していたのはお前の方だろうと言う気持ちでした。
「ミアを押し返して傷つけたのはアメリアのほうじゃないか!」
オリバーは押さえていた苛立ちが耐え切れなくなり怒りもあらわに怒声をぶつける。
「だからあの時はどうかしてたって言ってるでしょ!謝ったことを執念深く言わないで!」
やはりアメリアに自責の念などは感じなく反省の色が極端に薄い。弟のフレディに捨てられて口先だけの謝罪の印象を抱く。
せっかくエミリーとの再婚が決まって来たのに、もう離婚もして実家からも絶縁されているので赤の他人と呼べるアメリアの存在はハリボテのように感じられるオリバー。
「もう別れたアメリアと関係を修復するつもりは一切ない!」
「駄目!私が納得できない!ミアには本当の母親が必要なの!」
子供を引き合いに出すアメリアに父親のジャックと母親のイザベラは沈黙して困惑したような顔をしている。まさか自分の娘がここまでとんでもない人間だったのかと嫌気がさす。
しばらく無言の間が続いていたがジャックが話し始める。
「アメリアは私達の娘なので私が責任を持って相手を探して結婚させてオリバーとエミリーに今後は迷惑をかけないようにする」
公爵家当主のジャックが是が非でもアメリアの縁談を取りまとめると強い口調で答える。
「お父様本当ですか!」
「それしか方法がないだろう……」
「それなら相手はオリバーなんかよりも心が広くて若くて背の高いイケメンがいいです!」
何故か嬉しそうに顔を輝かせ結婚相手の男性に勝手な注文をつけて声を弾ませるアメリアに対してジャックはやれやれといった感じの表情。
「田舎の貴族で結婚相手がいなくて困っていると聞いていた知り合いが頭に浮かんだからな……」
「そんな人となんて嫌ですよ!」
「縁を切られている立場でこれ以上の我がままを言うなら本当に繋がりをなくして今から叩き出すぞ!」
アメリアの反論を叩き切るようなジャックの怒鳴り声が部屋中に響き渡った。
「冗談を言うな。僕達は別れてるんだぞ」
「ならまたやり直せばいい。私は今お姉様が子供を虐待するかもしれないことを心配してる」
「そんなことは絶対にあり得ない」
「万に一つの確率であなたとお姉様の間に子供ができたらその可能性は膨らんでいく。そのことを考えるだけで身を切られるような苦悩で眠れない」
風呂上がりのアメリアと改めて話し合いをすると平行線のままで好き勝手にいい加減なことを言う。
あろうことか娘のミアを姉のエミリーが暴力的に扱うのでは?とあきれ果てることを口にする。子供を虐待していたのはお前の方だろうと言う気持ちでした。
「ミアを押し返して傷つけたのはアメリアのほうじゃないか!」
オリバーは押さえていた苛立ちが耐え切れなくなり怒りもあらわに怒声をぶつける。
「だからあの時はどうかしてたって言ってるでしょ!謝ったことを執念深く言わないで!」
やはりアメリアに自責の念などは感じなく反省の色が極端に薄い。弟のフレディに捨てられて口先だけの謝罪の印象を抱く。
せっかくエミリーとの再婚が決まって来たのに、もう離婚もして実家からも絶縁されているので赤の他人と呼べるアメリアの存在はハリボテのように感じられるオリバー。
「もう別れたアメリアと関係を修復するつもりは一切ない!」
「駄目!私が納得できない!ミアには本当の母親が必要なの!」
子供を引き合いに出すアメリアに父親のジャックと母親のイザベラは沈黙して困惑したような顔をしている。まさか自分の娘がここまでとんでもない人間だったのかと嫌気がさす。
しばらく無言の間が続いていたがジャックが話し始める。
「アメリアは私達の娘なので私が責任を持って相手を探して結婚させてオリバーとエミリーに今後は迷惑をかけないようにする」
公爵家当主のジャックが是が非でもアメリアの縁談を取りまとめると強い口調で答える。
「お父様本当ですか!」
「それしか方法がないだろう……」
「それなら相手はオリバーなんかよりも心が広くて若くて背の高いイケメンがいいです!」
何故か嬉しそうに顔を輝かせ結婚相手の男性に勝手な注文をつけて声を弾ませるアメリアに対してジャックはやれやれといった感じの表情。
「田舎の貴族で結婚相手がいなくて困っていると聞いていた知り合いが頭に浮かんだからな……」
「そんな人となんて嫌ですよ!」
「縁を切られている立場でこれ以上の我がままを言うなら本当に繋がりをなくして今から叩き出すぞ!」
アメリアの反論を叩き切るようなジャックの怒鳴り声が部屋中に響き渡った。
1
お気に入りに追加
1,230
あなたにおすすめの小説
学院内でいきなり婚約破棄されました
マルローネ
恋愛
王立貴族学院に通っていた伯爵令嬢のメアリは婚約者であり侯爵令息、さらに生徒会長のオルスタに婚約破棄を言い渡されてしまう。しかも学院内のクラスの中で……。
慰謝料も支払わず、さらに共同で事業を行っていたのだがその利益も不当に奪われる結果に。
メアリは婚約破棄はともかく、それ以外のことには納得行かず幼馴染の伯爵令息レヴィンと共に反論することに。
急速に二人の仲も進展していくが……?
束縛の激しい夫にずっと騙されていました。許せないので浮気現場に乗り込みます。
Hibah
恋愛
オリヴィアは、夫ゲラルトに束縛される夫婦生活を送っていた。ゲラルトが仕事に行く間、中から開けられない『妻の部屋』に閉じ込められ、ゲラルトの帰宅を待つ。愛するがゆえの行動だと思い我慢するオリヴィアだったが、ある日夫婦で招かれた昼食会で、ゲラルトのキス現場を見てしまう。しかもゲラルトのキス相手は、オリヴィアの幼馴染ハンスの妹カタリーナだった。オリヴィアは幼馴染ハンスと計画して、ゲラルトとカタリーナの決定的な浮気現場を押さえるべく、計画を練る……
嫌いになりたいのに、それでもあなたが好き
乙
恋愛
幼馴染のハル兄とお姉ちゃんと私。
小さい頃から大好きで
2つ上の2人に構ってほしくて
いつも背中を追っていた。
いつも見つめていたから気づいてしまった。
私とは交わらないハル兄の視線の先は
お姉ちゃん______。
家に帰ると夫が不倫していたので、両家の家族を呼んで大復讐をしたいと思います。
春木ハル
恋愛
私は夫と共働きで生活している人間なのですが、出張から帰ると夫が不倫の痕跡を残したまま寝ていました。
それに腹が立った私は法律で定められている罰なんかじゃ物足りず、自分自身でも復讐をすることにしました。その結果、思っていた通りの修羅場に…。その時のお話を聞いてください。
にちゃんねる風創作小説をお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる