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第13話

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実のところ二人は今日までに週に一度はデートを繰り返していました。

「ガブリエルはいつもお洒落ね。そのスーツ素敵よ」
「アイラも綺麗だ。ドレス似合ってる」

どういうわけか相も変わらず体を重ねることは頑なにガブリエル殿下は断固拒否の態度です。

だけどデートをして遊んで食事をする時のアイラ令嬢に対するガブリエル殿下の振る舞いからはとても愛情を感じられます。

アイラ令嬢もそれを感じていてデート中はずっと満足そうに顔をほころばせる。ガブリエル殿下も爽やかに笑って二人の気持ちがぴったり合っていました。

両者とも何をしていてもデートは本当に楽しくて気持ちが通じ合うということの純粋な喜びが胸の奥底に広がっていく。

そしてデートが終わり二人は部屋の中。

「今日はありがとう」
「アイラに喜んでもらえて僕も嬉しいよ」

アイラ令嬢はガブリエル殿下への愛おしさが胸元に突き上げてきて堪えきれなくなってキスを迫りました。

「アイラ駄目だよ」
「なんで?」

デートをしていた時の弾けるような笑顔と打って変わってアイラ令嬢は不満気な顔をする。

「アイラの体が心配だからね」
「大丈夫だから…」
「アイラの体は普通の子よりも虚弱なんだから無理しちゃいけないよ」
「うん…」

やっぱり今日もガブリエル殿下に体の関係を断られる。そしていつものように波風を立てないように柔らかい口調でたしなめるとアイラ令嬢は悲しい顔をして頷く。

これまでのデートでもアイラ令嬢は自然なふうにすり寄りますが結局ダメでした。だが今日のアイラ令嬢は意識の持ち方が違う。

ここまでは予想の範囲内なのでアイラ令嬢の心は毛ほども動揺していませんでした。
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