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第21話
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男はすらりとした長身でもなければ、誰もが認める整ったハンサムな顔立ちの部類でもなく、たくましい体をしている感じでもなかった。
全く逆で男は見てくれが悪いのです。だが男には余裕のある雰囲気に、異性を引きつける不思議な魅力を漂わせている。
アリスが男に秘めている思いは、たとえようもない安心感を与えてくれること。その広い心が全てを包み込んでくれる。男の笑顔も見慣れればどこか落ち着くのだ。
「少し話そうか」
「う、うん……」
今日の男は少し違うようであった。いつもは会えばすぐに関係を求めてくるのに気分が狂う。アリスは無意識に調子はずれの声を発した。
付き合って長いが互いに密接な気持ちは変わらないので、体を重ねることに執着もなかった。男はほのぼのとした笑顔を振りまき、隣に座るよう手招きをしてアリスは嬉しそうに腰を下し男を見つめる。
アリスは好きな男に対して本能的に出してしまう表情になる。男は話し上手で物知りだったから、これまでアリスにたくさんの愉快で楽しい会話を交すことができた。
「今日は疲れてるけどアリスの顔を見ると心が安らぐよ」
男はさり気ない視線を向けて気取った感じで言う。その後は軽い食事でもしようかと男が言い、アリスが応じると飲み物や軽食が運ばれてきて心ゆくまで話し合う。
男は酒を飲みながら楽しそうに笑ってくれる。それだけでアリスは喜ぶ様子を見せて、満足気な笑みを浮かべている。
話のところどころで、男はアリスの可愛らしい容姿と声を必ず褒める。瞳が合ったら、微笑んでまた褒める言葉を繰り返す。男はアリス以外にも女性を褒めることに何ら躊躇はしない。
「ありがとう」
アリスは恵まれた顔だ。異性から褒められることは昔から慣れていた。だが性格の良さまで兼ね備えてはいないので、その度に無機質な声で返事をしたり、雑な態度で接することもあった。
それで話かけてきた異性といがみ合い衝突したことも多い。それでもアリスに媚びへつらって作り笑いでその場をしのいだ者など様々。
ところが、この男にだけは素直に感謝の言葉を口にして、アリスは信頼するような笑顔を男に向けるのです。
「ねぇ、そう言えば子供は何人いるの?」
「娘と息子がいる」
「そう……」
お互いの家族の話しは基本的にしないが、何となくアリスは弾んだ声で好奇な視線を送って、興味本位で男の家庭の事情を尋ねた。
男は結婚していて子供もいる。そのことはアリスも前から知っていました。でも、ほくほく顔で嬉しい気分を隠しきれないように答える男を見て、アリスは気持ちが切なくなり悲しい声をもらす。
全く逆で男は見てくれが悪いのです。だが男には余裕のある雰囲気に、異性を引きつける不思議な魅力を漂わせている。
アリスが男に秘めている思いは、たとえようもない安心感を与えてくれること。その広い心が全てを包み込んでくれる。男の笑顔も見慣れればどこか落ち着くのだ。
「少し話そうか」
「う、うん……」
今日の男は少し違うようであった。いつもは会えばすぐに関係を求めてくるのに気分が狂う。アリスは無意識に調子はずれの声を発した。
付き合って長いが互いに密接な気持ちは変わらないので、体を重ねることに執着もなかった。男はほのぼのとした笑顔を振りまき、隣に座るよう手招きをしてアリスは嬉しそうに腰を下し男を見つめる。
アリスは好きな男に対して本能的に出してしまう表情になる。男は話し上手で物知りだったから、これまでアリスにたくさんの愉快で楽しい会話を交すことができた。
「今日は疲れてるけどアリスの顔を見ると心が安らぐよ」
男はさり気ない視線を向けて気取った感じで言う。その後は軽い食事でもしようかと男が言い、アリスが応じると飲み物や軽食が運ばれてきて心ゆくまで話し合う。
男は酒を飲みながら楽しそうに笑ってくれる。それだけでアリスは喜ぶ様子を見せて、満足気な笑みを浮かべている。
話のところどころで、男はアリスの可愛らしい容姿と声を必ず褒める。瞳が合ったら、微笑んでまた褒める言葉を繰り返す。男はアリス以外にも女性を褒めることに何ら躊躇はしない。
「ありがとう」
アリスは恵まれた顔だ。異性から褒められることは昔から慣れていた。だが性格の良さまで兼ね備えてはいないので、その度に無機質な声で返事をしたり、雑な態度で接することもあった。
それで話かけてきた異性といがみ合い衝突したことも多い。それでもアリスに媚びへつらって作り笑いでその場をしのいだ者など様々。
ところが、この男にだけは素直に感謝の言葉を口にして、アリスは信頼するような笑顔を男に向けるのです。
「ねぇ、そう言えば子供は何人いるの?」
「娘と息子がいる」
「そう……」
お互いの家族の話しは基本的にしないが、何となくアリスは弾んだ声で好奇な視線を送って、興味本位で男の家庭の事情を尋ねた。
男は結婚していて子供もいる。そのことはアリスも前から知っていました。でも、ほくほく顔で嬉しい気分を隠しきれないように答える男を見て、アリスは気持ちが切なくなり悲しい声をもらす。
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