聖女で美人の姉と妹に婚約者の王子と幼馴染をとられて婚約破棄「辛い」私だけが恋愛できず仲間外れの毎日

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第28話

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「男は暇さえあれば女の裸を想像して一人でいじってるからな。男は頭の中が未発達で救いようのない生き物だ」

ハリーは男は家にいる時は全体を眺めて判断をすると、必ずと言ってよいほど一人交尾していると自信が満々と溢れている顔で確信したように言う。

「はぁ?」
「あ、はい……」
「そう……なんですか?」

うっかり口を滑らせる女性が数人いた。不思議そうな顔で著しく奇妙であるか珍しいものを見るような目をしていた。ハリーのふざけた言葉に大半の女性たちは呆れるほかない。

女性たちはポカーンと思考が止まっていたが、何となくとほほという感じの顔で乾いた笑いを漏らしていた。この人は何を言ってるの?と冷たい目をして無言の非難を浴びせる女性もいた。

ハリーは大事な部分がなくなって、サボっていた趣味のギターの練習をするようになった。ギターが上達して有意義な時間が過ごせていると笑顔を満開にする。本人は大真面目に言っていたようで頭の悪そうな笑顔をしていた。

「……えっと、みんなは今までどんな男に苦しめられたの?」

今のやり取りで、アメリアは気まずい空気が漂っているのを敏感に察知した。その空気を振り払うかのように言った。様々な種類の男が存在し女性たちを苦しめていると、悲しそうな顔をして各自の意見を全員の前で告げてきた。

肉体関係が目的なだけで女性の気持ちを誘う口先だけの言葉を言うスケベ野郎に、詐欺師みたいな男の甘い言葉に騙されてお金を巻き上げられている女性は以外に多い。可愛くて美人だからという軽い理由で、を持たれる女性はそれ以上に当たり前にいる。

優しく断っても蛇みたいにしつこく口説いてきたり、好きじゃないと正直にはっきり言うと開き直って執拗な嫌がらせをされることもある。場合によっては突然殴られることもある。

元交際相手に別れてからもつけ回されて頭を悩ませ続けている女性は、途方もないくらい星の数ほどいる。だいたいストーカー行為をする半分以上が親しい人である場合は統計的に見ても多い。

その結果として、男性不信を植え付けられて男が近くに寄ってきただけで発作が起こる女性も少なくない。男性が気持ち悪くて自分でもコントロールできないほど苦しんでいる女性は、めったに存在しないけど個々の物事をひっくるめて考えると程々にいる。

女性の白く美しいきめの細かな柔らかい肌が気になって、いきなり触って欲望を満たそうとする汚い痴漢男は数え切れない程いる。普通に道を歩いているだけで突然見知らぬ男に襲われて酷いことされて、精神に傷を負って困っていたり苦しんでいる女性たちなどをアメリアは助けたり援助していた。

「――許せないな……僕は男として恥ずかしく思う。男を代表して謝らせてほしい」

クロフォードは女性たちの話を聞いて申し訳なさに胸が痛んだ。苦しんで心が暗くなっている女性たちのことを思うと心臓がねじれるような苦痛を感じた。そしてクロフォードは弱りきった顔になって、男の人間性を恥じて女性たちに頭を下げて謝罪をした。

「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

話は現在に戻る。アメリアはフローラとエリザベスの罰を開始する。実行と同時にフローラが甲高い悲鳴をあげた。恐怖の為か声にならない悲鳴をあげていた。

フローラの甲高い声が響くなか、妹のエリザベスは驚愕と恐怖に歪んだ顔をしていた。小柄だがスタイルの良さはひときわ目立つ。その体が怯えたように小刻みに震えていた。

フローラとエリザベスの周りには、どいつもこいつも顔のパーツの汚い男たちが色々といた。男たち全員が学歴の低い無学で財産がほとんどない貧乏人で、ホビット族を思わせる奇形レベルの低身長でした。
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