聖女で美人の姉と妹に婚約者の王子と幼馴染をとられて婚約破棄「辛い」私だけが恋愛できず仲間外れの毎日

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第17話

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アメリアはフローラとエリザベスとクロフォードとハリーの四人に、復讐すると同時に自分の名誉を回復することを決心した。ただし学園の中では辛く苦しいことが短時間の間に連続的に発生して涙を誘わずにはいられません。

学園では想像以上に寂しい孤独な生活に加えて、数々の心ない言葉を言われアメリアの誇りは幾度となく傷つけられていたが忍耐強く耐えて唇を噛みしめる。休み時間には教室の中で時折吐き捨てられる罵倒がアメリアの胸に刺さって、胸がえぐられるようなもの苦しさを感じる。

(やっぱり仲直りしたい……でも今は何を言ってもジェシカを困らせるだけだよね?)

無二の親友と信じていたジェシカも無視する態度であり軽蔑の視線を向けられた。絶交を宣言されてしまったので分かりきっていたし、自然の事とも思えて今は頑張って諦めることにした。

毎日ごく当たり前のようにアメリアの机には花瓶が置いてあって花が生けてあった。花瓶には鮮やかな花がたっぷりと盛られて癒しと和みが感じられて綺麗でした。白い陶器のかなり大きな花瓶ですが、花は入りきらないほどに数多く机は色とりどりの花で飾り付けられていた。

(どの角度から見ても素敵に見える……人には直接伝えられないことを花で表現できる事がすごいですね)

アメリアはを受ける。ご丁寧にアメリアへの追悼するメッセージが寄せられていた。色紙にはクラス全員の名前入りで心のこもったお悔やみの言葉の数々に、アメリアは涙が出るほどの思いで胸がふさがれたようになる。アメリアはお花が好きなのでいっぱいで、とても明るく優しい気持ちになれました。

悪口を言われてもアメリアの顔は悲しげに曇ることはなかったが、機械のように表情を失った顔で眉も動かさずなげきたくなる感情を抑えつけ毎日を耐えていた。一方的に口での攻撃はされたが、腐っても鯛の公爵令嬢なので暴力的な手段を加えられることは一切なかった。

「あの人は聖女のフローラ様とエリザベス様に嫉妬していたそうよ」
「無能な人間ほど嫉妬深いねたみの感情を抱きやすいですからね」
「みんなの笑いものになってるのに恥ずかしくないのかしら?」
「私だったら恥ずかしくて耐えられなくなって転校してるわ」
「あの人はお話にならないくらい頭が悪いのよ」

アメリアが廊下を歩いている時、すれ違った瞬間にさげすんだ目で見られ冷やかすような声が生徒の口からあふれ出た。普通にしているだけで悪意ある恐ろしい顔をされたり、敵意が込められた切るような鋭い視線を向けられる。教師までも意地の悪い言い方をして情け容赦もなく執拗に睨まれた。

肩身の狭い思いをするくらいなら他の学園へ転校すればいいのにと口々に言っている生徒も少なくない。アメリアはフローラ達に仕組まれて無実の汚名を着せられた被害者だが、他の生徒たちには真実が分からないので仕方ありません。
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