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第20話 婚約中の彼と大喧嘩

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「私ラブレターをもらったの」
「あはははは、何かと思ったらラブレターかよ」

ソフィアはラブレターを取り出して中身に書いてあったことを話した。するとロナウドはふてくされた感じで笑いながら言った。

「それだけ……?」
「は?」
「少しは気にしてくれたり……」
「どうせ断るんだろ?僕たち結婚するんだし」

ソフィアはロナウドの反応に不満だったらしく、むっとした表情になりながらも問いかける。なにか問題でも?という風なロナウドですが、ソフィアはもう少し気にかけてくれても良いんじゃないの?と言葉を返した。

ラブレターのことなど全く気にすることもなくあっけらかんとして、ロナウドからは言うまでもない答えが返ってきた。確かにその通りだがロナウドの表情に冷たさがあってソフィアはショックを受けたような顔になった。

「そうだけど……」
「あはっははっソフィアは僕に夢中で他の男は目に入らないからな」
「なっ……何よそれ……」
「どうした?」

ソフィアは悲しそうな口調でいった。ロナウドはさげすんだ顔で笑いをこらえきれずに見下すように笑う。続いて自然と口から飛び出した言葉にも耐え難い苛立ちを覚えて、ソフィアは怒りで全身がわなわなと震えていた。ロナウドはソフィアの異変を感じて顔を覗き込んで何気なく聞いた。

「私だけが愛してるみたいな言い方しないでよ!」
「ソフィア怒らないでくれ」

怒りが一気に込み上げたソフィアが感情をぶつけ責め立てた。ここまで怒りをあらわにすることはめったにない。ロナウドは困惑した顔で慌て気味の声で何とかなだめようとする。

「今日私がだったことも忘れてるでしょ!」
「へっ!?あ、そうだった!でも忘れてたわけじゃないよ」

怒りが冷めやらないソフィアは今朝のことを思い出した。今日は何の日か覚えてる?と質問したのだ。その時のロナウドは、ぽかんと間抜けた顔して分かってないような反応をした。

ソフィアは今日は誕生日だったのだ。ハッとして気がついたロナウドは、しまったという顔になり過去の記憶を思い出した。何年も前から毎年祝っているのに、完全に忘れてしまっていたことが自分でも信じられなかった。

「嘘つき!絶対に忘れてたくせに!」
「ぎゃああああぁあぁああぁああぁあああぁあっ!!」
「もういい!私このラブレターくれた人と付き合うから!」

ソフィアは感情をむき出しにしてヒステリックに叫んだ。腹立たしい気持ちが静まらなくてロナウドの顔面に平手打ちした。壮絶な悲鳴を上げて吹っ飛んで背後の壁に激突して、へなへなと崩れ落ちたロナウドにも厳しい言い方でラブレターの送り主と付き合うと宣言する。
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