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第12話 男は降伏して完全に犬

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『秘密の恋愛クラブ』の会員であると同時にアイリーンの取り巻きたちから次々と非難する声が飛んできた。ロナウドは捨てられた子犬みたいに不安そうに表情をこわばらせて立っている。

「でもアイリーン勘違いするな。ソフィアに手を出さないというで君の相手をしてるだけだ」

ロナウドは精一杯の虚勢を張って強い言葉で言ったが、涙をこらえようとして唇はかすかに震えていた。これからアイリーンにされることを考えれば仕方がないのかもしれない。

「まだそんな態度をとるの?私はいつでもソフィアを学園から退学にできるのよ」
「悪かった……言いすぎたよ」
「そんな謝り方で私が許すと思ってるの?」

アイリーンは悪そうな笑みを浮かべて言い始める。逆らえばソフィアが退学処分されてしまう。この世で一番大切な女性を守るために反抗するわけにもいかなくてロナウドは素直に謝った。

だが反抗的な態度を取ったロナウドをアイリーンは簡単には許してくれませんでした。嫌な思いをさせた自分と会員たちの感情を思いやる相応の謝罪のやり方があるんじゃないの?と含みを持たせた言い方をする。

「どうすればいいんだ?」
「はっきり言わないと分からないの?」
「分からないから教えてくれ」
「はぁー、それなら身を伏せて床に額をつけて謝りなさい」

ロナウドは本当に分からないという顔して問いかけました。ロナウドは長身で絶世の美男子ですが、以外に頭の回転が遅くアイリーンはもどかしい思いをして眉間にしわを寄せた。

アイリーンはやれやれという感じで溜息をつくと、床にうつ伏せになるように仕向けた。みんなの前で土下座して罪を懺悔ざんげして許しを請いなさいと命じた。

「僕のような情けない男が愚かな抵抗をして皆様にご不快な思いをさせてしまい本当に申し訳ありませんでした」
「そうよ。最初からそのような態度を取りなさい。皆さん愚かで滑稽こっけいな男が反省したようですよ?今日のところはこれで許してあげませんか?」

ロナウドは悔し涙を振り払い床に膝をついて頭を下げて、本当に申し訳のないことをしましたと詫びを入れる。

ようやく自分の立場が理解できて反省したみたいねと、アイリーンは会員の女子生徒たちに向かって呼びかけるように言った。アイリーンの言葉を聞いた会員たちは互いに顔を見合わせて頷いて同意を示してみせた。

「くっ……また僕にをさせるつもりか」
「さあ覚悟はできたかしら?今日も楽しみましょうね。うふふふふふふ」

床に伏せているロナウドは弱々しく言葉を漏らした。負け犬のようにしょんぼりするロナウドを見ながら、アイリーンは満足げにうなずいて嬉しそうな顔つきで言った。

これからロナウドと行うことを思い浮かべ自然とニヤけてしまう。扇で口元を隠しつつアイリーンの笑い声が部屋に華やかに響いていた。
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