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第11話 秘密の恋愛クラブ

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超名門校のフォージャー学園の理事長の娘で公爵令嬢アイリーンが代表を務める『秘密の恋愛クラブ』は特別な許可がないかぎり入ることを許されない。要するにVIPルームということなのだろう。一体どのような活動を行うのか? 

一見すると怪しさ満開に思えるが男女交際のきっかけを与えることを目的にして、な恋愛関係を築くために創設された。まともなクラブ活動として多くの女子会員に支持されている。

基本的な仕組みはアイリーンが会員たちの様々な要望を聞いて動き始める。学園にいる長身でルックスの良さそうな男子生徒を調達して、女子会員に提供する時代の最先端を行くサービス。

「アイリーン様ありがとうございます。私にもやっと彼氏ができました」
「良かったわね。おめでとう」
「これも全てアイリーン様にご尽力いただいたおかげです」

学園では傍若無人ぼうじゃくぶじんな振る舞いをしていたアイリーンだが自分の太鼓持ちとして付き従い、慕って尊敬してくれる取り巻きたちには一転して優しく面倒見のいい人物だった。

話を聞いてみると取り巻きたちの中には恋愛に消極的な子も少なくない。そんな恋愛経験ゼロのか弱い乙女たちを救済するために立ち上げた恋愛応援組織といえる。

ほんの数日前にもカップル成立した会員への祝福と幸せを願い、みんなの前で報告会が開かれていた。良かったねとアイリーンから肩に手を置かれ、軽く抱擁されて背中をさすられる。恋人ができた女子生徒はいかにも嬉しそうに笑って白い歯がこぼれた。

「そんなことないわ。あなたが頑張った努力の賜物たまものだと思いますよ」
「アイリーン様、いつも温かいお言葉をいただき……う、うわあああああああああああんっ」
「大丈夫だから泣かないで。ボーイフレンドができた会員に皆さん盛大な拍手をお願いします」

自分は男子生徒を調達して紹介し場を提供しただけで、あなたの努力が実を結んで幸せを得られたとアイリーンは女子会員を最大級に褒め称えた。神のごとくうやまっているアイリーンに愛情が込められた言葉をかけられたら、胸が熱くなって涙が流れるのは自然なことでした。

女子生徒は心を撃ち抜かれ感涙にむせび泣きながら、ご恩は一生忘れませんと心のなかでアイリーンに忠誠を誓っていた。アイリーンは慈愛に満ちた微笑みを見せて頭を撫でながら言う。

「おめでとうございます!」
「よかったですね」
「どうか末永くお幸せに」
「私達も本当にうれしく思います」

彼氏ができた会員に惜しみない拍手と声援を送られた。みんな一緒に自分のことのように喜んで歓声を上げて誰かれかまわず互いに抱き合った。乙女たちは深い共感を喚び起こしハイテンションで喜びを爆発させ続けていた。
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