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第6話 彼女へ反省とざんげ

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「覚えてなさいよ!」

悔しそうな表情を浮かべたアイリーンは、捨て台詞を吐いて取り巻きたちを連れてその場から立ち去った。

「ソフィア大丈夫?」
「う、うん大丈夫だよ。ロナウドにいつも助けてもらってばかりで迷惑かけてごめんなさい」

ロナウドがそばに来てソフィアの肩に手をかけながら静かにいった。恋人の苦しみを感じ取ることができなかった無力な自分への怒りで、ロナウドは言いようのない怒りに溢れていた。

ソフィアはお礼を言いたいのはこちらのほうという気持ちだった。ロナウドに心配かけさせたくないからこの問題は自分で解決しようと思っていたのに、結局ロナウドに助けられて迷惑をかけてしまい申し訳ありませんと小さい声で言う。

「ソフィア僕は一度も迷惑だなんて思ったことはないよ」
「ロナウドありがとう」

次の瞬間ロナウドはソフィアの腰のくびれに腕を回し小さな身体を強く抱きしめた。そして迷惑を感じたことは一度もないとロナウドは力強く宣言していた。ソフィアは感謝の念で心がいっぱいになって涙を流さんばかりの声で感謝の言葉を言った。

「――悩んでいたのに気づいてあげられなくてごめん。ソフィア辛いと思うけど今までのことを話してほしい」

二人は保健室にいた。ロナウドはソフィアをお姫様だっこで抱え上げると足早に歩いて保健室に連れていってくれた。ソフィアが体調を崩しているというのは、アイリーンの調子のよい口から出まかせの嘘だがロナウドは心配していた。ロナウドの言葉にベッドで横になっているソフィアは救われた気分を感じる。

端正なマスクのロナウドは女子生徒に人気があった。彼に笑顔で挨拶されると瞳の部分がハート型になり女子生徒は見惚れてしまう程の美男子。190cmを超える長身というほどではないが180cmでやや高めである。細身の体なのでいくぶん背は高く見え甘いルックスで学園ではアイドル的な人気を得ていた。

先ほど廊下でロナウドの結婚を知ってショックを受けたような顔をして、取り乱し泣き崩れている女子生徒も決して少なくなかった。ロナウドに恋の炎を燃やすうら若い乙女たちにとっては余りにも酷な情報であった。

「ソフィアを助けられて良かった。いつぶりだろう?」
「なにが?」
「ソフィアの自然な笑顔を見たのは……」

ソフィアは今までのことをロナウドに話した。ソフィアは心から楽しく笑うのはずいぶん久しぶりだった。二人は愉快そうに互いを眺めて話を続けていた。

「ロナウド私の傷ついた心を埋めてほしい」

二人は潤んだ目で見つめ合い思わずキスしたくなる衝動に駆られて、絡みあうようにして長い口づけを交わし合った。
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