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ホークは夢の中でふと思い出す。彼が14歳くらいの時、その日は学園は休みでホークは暇だったから外にでた。
「何かのイベントかな?」
近所をあてもなく歩きまわっていると女の子の集団を見つけた。彼の住んでるところは女子学園の通りで毎朝は凄い光景。
でもいつものことで見慣れているので、休日だけど制服姿の女子がいるなぁくらいしか思わず通り過ぎようとしていた。
それで適当に散歩して、疲れたし暗くなったから家に帰ろうと来た道を歩いてたら、また女の子の軍団に出会う。
「まだいるのか?一体何で?」
何してるんだろう……?ホークは不思議な顔で思ってたら、集団のほとんどの女子が彼のことを固唾を飲んで見守るように視線を向けていることに気がつく。その眼の底には一種の光りが流れていた。
パッと見た感じ100人はいないけど、70人くらいだったと思う。そこで彼は何を思ったのかお菓子を持っていたことを思い出してポケットの中をまさぐる。
「良かったら食べますか?」
数枚のクッキーの残りを手渡そうとした。すると集団が飛びかかってきて、そのクッキーを取り合いしていた。彼はなんか喜んでくれてるなぁと思って晴れやかな気持ちになり、嬉しそうに顔をほころばせる。その日は帰宅した。
多分クッキーをあげたのがきっかけだと思う。それで家に帰ってなんかドキドキして明日も何かあげようという気分で眠る。
次の日学園に行くために家から出たら、とてつもない数の女の人の群れが家の門の前を埋め尽くしていたのです。
「え……あ!」
ホークは何かを閃いて、ポケットに入れておいたクッキーを持って女の子に向かって差し出した。すると一人の子が全て掴んで勢いよく走って逃げていく。
「その子を捕まえろ!独り占めする気だぞ!」
間髪いれずに、その集団のボスらしい女の子が、のども張り裂けんばかりの叫び声を上げる。クッキーを掴んで走っていた子は、あっという間に別の子達に取り押さえられてクッキーを奪われていた。
その光景を見ると何となく切なく思えてきたホーク少年。弱肉強食の構図が出来上がっていると感じ複雑な表情をしていた。
「可哀想だよ!そんなに皆で寄ってたかってクッキーを奪うなんてひどいよ……」
ホークは泣き声で言うと、再び家に引き返して倒れている子の前に綺麗にラッピングされたチョコやクッキーを置く。
「警戒心があったのかな?」
でも全然手に取ろうとしない。ホークは歩き始めてチラッと振り向いたら嬉しそうな顔で手に取っていた。彼は笑顔になり心がゆったりと幸せな気持ちで登校する。
「何かのイベントかな?」
近所をあてもなく歩きまわっていると女の子の集団を見つけた。彼の住んでるところは女子学園の通りで毎朝は凄い光景。
でもいつものことで見慣れているので、休日だけど制服姿の女子がいるなぁくらいしか思わず通り過ぎようとしていた。
それで適当に散歩して、疲れたし暗くなったから家に帰ろうと来た道を歩いてたら、また女の子の軍団に出会う。
「まだいるのか?一体何で?」
何してるんだろう……?ホークは不思議な顔で思ってたら、集団のほとんどの女子が彼のことを固唾を飲んで見守るように視線を向けていることに気がつく。その眼の底には一種の光りが流れていた。
パッと見た感じ100人はいないけど、70人くらいだったと思う。そこで彼は何を思ったのかお菓子を持っていたことを思い出してポケットの中をまさぐる。
「良かったら食べますか?」
数枚のクッキーの残りを手渡そうとした。すると集団が飛びかかってきて、そのクッキーを取り合いしていた。彼はなんか喜んでくれてるなぁと思って晴れやかな気持ちになり、嬉しそうに顔をほころばせる。その日は帰宅した。
多分クッキーをあげたのがきっかけだと思う。それで家に帰ってなんかドキドキして明日も何かあげようという気分で眠る。
次の日学園に行くために家から出たら、とてつもない数の女の人の群れが家の門の前を埋め尽くしていたのです。
「え……あ!」
ホークは何かを閃いて、ポケットに入れておいたクッキーを持って女の子に向かって差し出した。すると一人の子が全て掴んで勢いよく走って逃げていく。
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