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第五話

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二人が浮気している絶頂期の恋文のやり取りを初めて目にした時は動揺を隠せませんでした。

「ノアもうあなたしか愛せません」 
「もし浮気がオリビアにバレても喜んで慰謝料を払ってマチルダと結婚するよ」 
「嬉しい……ノアより魅力的な人は私の中には存在しないと言いきれます」 
「好きだマチルダ。早く君を抱きたい……」
「私も今すぐにノアに抱かれたいです」

何でしょうこの手紙は?背筋が凍りました。

ところが一番最初に親友のマチルダと二人だけで会った時に、浮気を問い詰めると知らぬ存ぜぬを決め込んだのです。

「マチルダあなた私の婚約者のノアと浮気していますね!」
「突然何言ってるのオリビア? 心臓が止まりかけたわ」
「浮気してると認めないの?」
「オリビア! いくら親友でも言っていい事と悪い事がありますよ!」
「証拠もあるんだけど?」

 するとマチルダは落ち着きをなくして私にこう言ったのです。

「婚約者を取られた情けない人が何言ってるの?」

私は親友だったマチルダに絶交を言い渡して、マチルダも「望むところよ!」と返されました。

私は「それでは後日、話し合いましょう」と言いその場を離れる。

そして家族同士の話し合いが終わってから1ヶ月経った頃です。

人づてに聞いたところ、結局マチルダはノアとの子供を妊娠中絶したそうです。

それで心が壊れたマチルダは廃人のようになってしまったという。

私はその話を聞いても全く同情することができませんでした。

過ぎ去った日、マチルダと親友だった時は本気で心配していたと思いますが、今の私の気持ちはマチルダの身から出たさびと思い鼻で笑いました。

親友を好きだった気持ちが憎しみに変わったのだから仕方ありませんよね?

次の結婚相手は慎重に選びたいです。ノアのような相手を選択した自分にも責任は少なからずあると考えていますので、そこは自らを見つめ直しました。 

でも一定期間は恋愛はお休みして別荘でリラックスして来ます。
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