2 / 12
第2話
しおりを挟む
「申し訳ありません。引き合いに出して比べるものではありませんね」
控えめな態度で反省するような事を口にするがハリー殿下の問い掛けに答えていない。
「だからジョージと言うのは?」
ハリー殿下は問いただす調子にひどく余裕がない雰囲気になったが、切羽詰まった表情のオリビア夫人からやはり答えが返ってくることはなかった。
この場にはメイドや側近もいるしハリー殿下も喧嘩のように議論を戦わせるのは好ましくないと思い、喉に刺さった小骨のように心に引っかかり納得のいかない顔でしたがそれ以上尋ねようとせず腰砕けに終わる。
「ジョージは誰なのか答えろ!」
「もういいじゃありませんか」
「よくないだろう」
「あなたは蛇みたいにしつこいですよ」
「誰なのか質問しているだけだ」
「粘つくようなしつこさですね」
その後に聞いてもオリビア夫人はのらりくらりとかわしていたずらっぽく笑ったりふてぶてしい態度をとって誰なのか答えてくれなかった。
探りを入れて質問するハリー殿下は、まさかオリビア夫人がジョージと言う男と不貞をしているのかと気が気じゃない。
数日が経ったある日、娘のカミ-ユと遊んでいたらオリビア夫人が思わず口にした気になる名前ジョージがカミ-ユの口から出てきた。
娘は5歳なので言葉も話せて理解できるがまさか娘からその名前が出てきたことにハリー殿下は息もつけないほど驚く。
「カミ-ユはジョージを知っているの?」
「うん。知ってる」
「どこで会ったの?」
「遊んでもらったことがあるの」
「遊んでもらったの?」
「うん。ママとジョージはとても仲良しで一緒にご飯食べた」
すらすらと答える娘に開いた口が塞がらなかった。詳しくカミ-ユに話を聞くとオリビア夫人と馬車で買い物などに出かけた時にジョージと会って遊んだり食事をしているという。
これまでジョージとは何回会ったの?と聞くと数えきれないと答えて意識が遠のいていきそうになるのをひたすら耐え抜く。
控えめな態度で反省するような事を口にするがハリー殿下の問い掛けに答えていない。
「だからジョージと言うのは?」
ハリー殿下は問いただす調子にひどく余裕がない雰囲気になったが、切羽詰まった表情のオリビア夫人からやはり答えが返ってくることはなかった。
この場にはメイドや側近もいるしハリー殿下も喧嘩のように議論を戦わせるのは好ましくないと思い、喉に刺さった小骨のように心に引っかかり納得のいかない顔でしたがそれ以上尋ねようとせず腰砕けに終わる。
「ジョージは誰なのか答えろ!」
「もういいじゃありませんか」
「よくないだろう」
「あなたは蛇みたいにしつこいですよ」
「誰なのか質問しているだけだ」
「粘つくようなしつこさですね」
その後に聞いてもオリビア夫人はのらりくらりとかわしていたずらっぽく笑ったりふてぶてしい態度をとって誰なのか答えてくれなかった。
探りを入れて質問するハリー殿下は、まさかオリビア夫人がジョージと言う男と不貞をしているのかと気が気じゃない。
数日が経ったある日、娘のカミ-ユと遊んでいたらオリビア夫人が思わず口にした気になる名前ジョージがカミ-ユの口から出てきた。
娘は5歳なので言葉も話せて理解できるがまさか娘からその名前が出てきたことにハリー殿下は息もつけないほど驚く。
「カミ-ユはジョージを知っているの?」
「うん。知ってる」
「どこで会ったの?」
「遊んでもらったことがあるの」
「遊んでもらったの?」
「うん。ママとジョージはとても仲良しで一緒にご飯食べた」
すらすらと答える娘に開いた口が塞がらなかった。詳しくカミ-ユに話を聞くとオリビア夫人と馬車で買い物などに出かけた時にジョージと会って遊んだり食事をしているという。
これまでジョージとは何回会ったの?と聞くと数えきれないと答えて意識が遠のいていきそうになるのをひたすら耐え抜く。
0
お気に入りに追加
247
あなたにおすすめの小説
あなたのためなら
天海月
恋愛
エルランド国の王であるセルヴィスは、禁忌魔術を使って偽の番を騙った女レクシアと婚約したが、嘘は露見し婚約破棄後に彼女は処刑となった。
その後、セルヴィスの真の番だという侯爵令嬢アメリアが現れ、二人は婚姻を結んだ。
アメリアは心からセルヴィスを愛し、彼からの愛を求めた。
しかし、今のセルヴィスは彼女に愛を返すことが出来なくなっていた。
理由も分からないアメリアは、セルヴィスが愛してくれないのは自分の行いが悪いからに違いないと自らを責めはじめ、次第に歯車が狂っていく。
全ては偽の番に過度のショックを受けたセルヴィスが、衝動的に行ってしまった或ることが原因だった・・・。

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。
かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。
ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。
二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。

【完結】幼い頃から婚約を誓っていた伯爵に婚約破棄されましたが、数年後に驚くべき事実が発覚したので会いに行こうと思います
菊池 快晴
恋愛
令嬢メアリーは、幼い頃から将来を誓い合ったゼイン伯爵に婚約破棄される。
その隣には見知らぬ女性が立っていた。
二人は傍から見ても仲睦まじいカップルだった。
両家の挨拶を終えて、幸せな結婚前パーティで、その出来事は起こった。
メアリーは彼との出会いを思い返しながら打ちひしがれる。
数年後、心の傷がようやく癒えた頃、メアリーの前に、謎の女性が現れる。
彼女の口から発せられた言葉は、ゼインのとんでもない事実だった――。
※ハッピーエンド&純愛
他サイトでも掲載しております。

十分我慢しました。もう好きに生きていいですよね。
りまり
恋愛
三人兄弟にの末っ子に生まれた私は何かと年子の姉と比べられた。
やれ、姉の方が美人で気立てもいいだとか
勉強ばかりでかわいげがないだとか、本当にうんざりです。
ここは辺境伯領に隣接する男爵家でいつ魔物に襲われるかわからないので男女ともに剣術は必需品で当たり前のように習ったのね姉は野蛮だと習わなかった。
蝶よ花よ育てられた姉と仕来りにのっとりきちんと習った私でもすべて姉が優先だ。
そんな生活もううんざりです
今回好機が訪れた兄に変わり討伐隊に参加した時に辺境伯に気に入られ、辺境伯で働くことを赦された。
これを機に私はあの家族の元を去るつもりです。

二度目の婚約者には、もう何も期待しません!……そう思っていたのに、待っていたのは年下領主からの溺愛でした。
当麻月菜
恋愛
フェルベラ・ウィステリアは12歳の時に親が決めた婚約者ロジャードに相応しい女性になるため、これまで必死に努力を重ねてきた。
しかし婚約者であるロジャードはあっさり妹に心変わりした。
最後に人間性を疑うような捨て台詞を吐かれたフェルベラは、プツンと何かが切れてロジャードを回し蹴りしをかまして、6年という長い婚約期間に終止符を打った。
それから三ヶ月後。島流し扱いでフェルベラは岩山ばかりの僻地ルグ領の領主の元に嫁ぐ。愛人として。
婚約者に心変わりをされ、若い身空で愛人になるなんて不幸だと泣き崩れるかと思いきや、フェルベラの心は穏やかだった。
だって二度目の婚約者には、もう何も期待していないから。全然平気。
これからの人生は好きにさせてもらおう。そう決めてルグ領の領主に出会った瞬間、期待は良い意味で裏切られた。

忙しい男
菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。
「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」
「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」
すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。
※ハッピーエンドです
かなりやきもきさせてしまうと思います。
どうか温かい目でみてやってくださいね。
※本編完結しました(2019/07/15)
スピンオフ &番外編
【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19)
改稿 (2020/01/01)
本編のみカクヨムさんでも公開しました。

あなたが幸せになるために
月山 歩
恋愛
幼馴染の二人は、お互いに好きだが、王子と平民のため身分差により結婚できない。王子の結婚が迫ると、オーレリアは大好きな王子が、自分のために不貞を働く姿も見たくないから、最後に二人で食事を共にすると姿を消した。
言いたいことは、それだけかしら?
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【彼のもう一つの顔を知るのは、婚約者であるこの私だけ……】
ある日突然、幼馴染でもあり婚約者の彼が訪ねて来た。そして「すまない、婚約解消してもらえないか?」と告げてきた。理由を聞いて納得したものの、どうにも気持ちが収まらない。そこで、私はある行動に出ることにした。私だけが知っている、彼の本性を暴くため――
* 短編です。あっさり終わります
* 他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる