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第3話

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すると彼は突然目に涙を浮かべる。

「どうしたのマックス?」
「すまない。君の顔を見てたら嬉しくてつい……」
「大丈夫?」
「ただこれだけは言わせてほしい」
「なに?」
「僕は本当はシャーロットと別れたくなかった……」

彼は涙声で続ける。

「シャーロットに会ってもらいたい人がいるんだ」
「会ってもらいたい人?」
「うん」
「私の知ってる人?」
「どうだろう?」
「誰?」
「それは今は秘密」
「どうして?」
「ごめん…今度会った時に全て話すから……」

マックスは明確に答えない。ここでその人の名前を言ってしまったらシャーロットは会ってくれないかもしれない。

それにマックスが一番伝えたい別れた本当の理由を今も愛している彼女に二度と伝えられなくなると思っていた。

「わかった。じゃあ今度会った時に詳しい話を聞かせて」
「ありがとうシャーロット」

その日は別れて後日会う約束をした。

3日後、シャーロットはマックスとの待ち合わせ場所に時間通りに到着していた。

「シャーロット!」

彼が現れた。隣には知らない女性がいる。

「待った?」
「私も今来たところ」
「こんにちは」

挨拶した女性を見ながらシャーロットは不思議そうな顔をして彼に問いただす。

「そちらの方は?」
「彼女は僕の幼馴染で人妻のフローレンス」
「どうしてその幼馴染と一緒に来るの? 二人はどういう関係?」
「その話は部屋に移動してから話そう」

3人は20分ほど歩いて部屋に入った。全員椅子に座ったところでマックスが口を開く。

「シャーロットこれから僕が伝える事は誰にも言わないで君の胸の中だけにとどめておいてほしい」
「わかった」

マックスがあまりにも深刻な表情で言うので思わず返事をする。

次にマックスは幼馴染のフローレンスに声をかける。

「フローレンス話を聞くのが辛いなら席を外して構わないからね」

優しそうな視線で幼馴染に気遣うようなことを言う。

「私もここに居させてください。もう捨てられなくない。あなたと片時も離れたくないの……」

捨てる? どういうことだろう? シャーロットには意味が理解できなかった。
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