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第31話
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「クロエといると言葉が止まらないね」
「意識が回復したばかりなのに大丈夫なの?」
「平気だよ」
再び意識を取り戻したミカエルは、クロエと久しぶりに打てば響くような楽しい会話を続けた。寝起き直後の寝ぼけた頭なのに、一緒に笑い合い気分の良い気持ちでした。
ぼんやりと話をしていたら、瞬間的にある考えが頭をかすめた。異常なほど溺愛している妹のローラだった。
「そう言えばローラは今どうしてるのかな?」
自分の大事な妹のローラは今は何をしているだろう?ミカエルはクロエに尋ねた。その時には、すでにクロエの顔から笑顔が消えていた。
どこか悲しそうな瞳を見せて何も答えてくれないのです。さっきとまるで異なった表情になるクロエに、ミカエルは不安な胸騒ぎを感じて緊張し体をこわばらせる。
「ローラに何かあったのか!」
「……」
ローラのことが心配になるあまり、圧のかかった声で質問した。その声には苛立ちがにじみ出ている。それでもクロエは気まずそうにうつむいてしまうだけであった。
その様子を見る限り、ローラに尋常でない事態が起こっていることをミカエルは感じ取る。気持ちが抑えられなくなったミカエルはクロエの肩を掴んで揺さぶった。
「クロエ教えてくれ!ローラに何があったんだ!」
「ちょっとミカエル痛いから落ち着いて!今話すから」
「ごめんクロエ、でも我慢できなくて……」
よりいっそう大声で威嚇するような声でクロエに向かって問いかける。ミカエルはクロエの細い体を強く揺さぶると鋭い痛みを感じて、思わず高らかな悲鳴を上げた。
冷静さを保ちなさい!そうクロエに言われるが興奮しているため、それどころではない。クロエはミカエルの頬を平手で叩いて落ち着かせる。
弱らされたミカエルは取り乱して熱を帯びた気持ちを静めると、クロエに直ぐに謝って最善を尽くした。
「嘘だあああああ!ローラがそんなことするわけないだろう?」
「私が爆発音を聞いて駆けつけたときにはひどい状態で……」
「信じられない……なんという怖ろしいことをするんだ」
思わずミカエルは火がついたように悲鳴まじりの奇声を張り上げた。ローラは爆弾騒ぎを実行したというのだ。その理由にも息が詰まるほど驚く。
意識を失って一向に回復の兆しを見せない兄のミカエルに、胸を痛めたローラはクロエの家に行った。そこで脅し文句をくり返してクロエを呼んだが、言うまでもなく門前にいる警備兵に何もしゃべるなと警告されてクロエは出てこなかった。
心の中で何かがぶちキレてしまったローラは、理性的な判断を失い感情のブレーキが壊れた。持っていた爆弾を取り出すと警備兵に向かって放り投げてきたのだ。
「意識が回復したばかりなのに大丈夫なの?」
「平気だよ」
再び意識を取り戻したミカエルは、クロエと久しぶりに打てば響くような楽しい会話を続けた。寝起き直後の寝ぼけた頭なのに、一緒に笑い合い気分の良い気持ちでした。
ぼんやりと話をしていたら、瞬間的にある考えが頭をかすめた。異常なほど溺愛している妹のローラだった。
「そう言えばローラは今どうしてるのかな?」
自分の大事な妹のローラは今は何をしているだろう?ミカエルはクロエに尋ねた。その時には、すでにクロエの顔から笑顔が消えていた。
どこか悲しそうな瞳を見せて何も答えてくれないのです。さっきとまるで異なった表情になるクロエに、ミカエルは不安な胸騒ぎを感じて緊張し体をこわばらせる。
「ローラに何かあったのか!」
「……」
ローラのことが心配になるあまり、圧のかかった声で質問した。その声には苛立ちがにじみ出ている。それでもクロエは気まずそうにうつむいてしまうだけであった。
その様子を見る限り、ローラに尋常でない事態が起こっていることをミカエルは感じ取る。気持ちが抑えられなくなったミカエルはクロエの肩を掴んで揺さぶった。
「クロエ教えてくれ!ローラに何があったんだ!」
「ちょっとミカエル痛いから落ち着いて!今話すから」
「ごめんクロエ、でも我慢できなくて……」
よりいっそう大声で威嚇するような声でクロエに向かって問いかける。ミカエルはクロエの細い体を強く揺さぶると鋭い痛みを感じて、思わず高らかな悲鳴を上げた。
冷静さを保ちなさい!そうクロエに言われるが興奮しているため、それどころではない。クロエはミカエルの頬を平手で叩いて落ち着かせる。
弱らされたミカエルは取り乱して熱を帯びた気持ちを静めると、クロエに直ぐに謝って最善を尽くした。
「嘘だあああああ!ローラがそんなことするわけないだろう?」
「私が爆発音を聞いて駆けつけたときにはひどい状態で……」
「信じられない……なんという怖ろしいことをするんだ」
思わずミカエルは火がついたように悲鳴まじりの奇声を張り上げた。ローラは爆弾騒ぎを実行したというのだ。その理由にも息が詰まるほど驚く。
意識を失って一向に回復の兆しを見せない兄のミカエルに、胸を痛めたローラはクロエの家に行った。そこで脅し文句をくり返してクロエを呼んだが、言うまでもなく門前にいる警備兵に何もしゃべるなと警告されてクロエは出てこなかった。
心の中で何かがぶちキレてしまったローラは、理性的な判断を失い感情のブレーキが壊れた。持っていた爆弾を取り出すと警備兵に向かって放り投げてきたのだ。
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