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第43話 出会った恋人は抱き合い愛情を感じる
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「美味しい!」
「ヴィオラは本当に美味しそうに食べるね」
ミカエルが朝食を用意してくれた。
パンと焼いたウインナーにサラダに果汁と街の食堂のモーニングと変わらないような食事にヴィオラ令嬢は嬉しそうな表情で美味しいと舌鼓を打つ。
ヴィオラ令嬢の笑顔に気持ちがほっこりするミカエルは優しい顔で上品に思いを返す。
「ミカエルさっきはどこに行ってたの?」
「ちょっと森の様子を見にね」
ヴィオラ令嬢の質問に先ほどは森の雰囲気を確かめに行っていたと答えるミカエル。しばらく二人は見つめ合い距離が縮まりキスしようとしていた。
その直後だった。
「ヴィオラ!」
怒っているような大声を聞いて体に雷を感じたように驚いてビクっと震えるヴィオラ令嬢。
恋人で婚約者のレオナルド令息がいた。隣には彫りの深い顔でイケてる友人のローレンとマティオもいる。
「レオナルド!」
「ヴィオラ!」
レオナルド令息は高鳴る心臓の響きを感じて凄い勢いで走りヴィオラ令嬢をこれでもかというほど強く抱きしめた。
「無事でよかった」
「私も一時は駄目かと思った」
「怪我はない?」
「大丈夫」
気持ちが舞い上がる二人は見つめながら話す。周りを気にせず既に二人だけの世界に入っている。
「心配したよ」
「うん…」
「ヴィオラのことで胸がいっぱいで破裂しそうだった」
「私もよレオナルド」
いつまでも二人の視線が甘くからんでまた強く抱きしめ合う。
正直に言うとヴィオラ令嬢はあまりに強く抱きしめられ苦しくて痛いと思いましたが、レオナルド令息は力を弱めることなくただ黙って抱きしめ続ける。
ヴィオラ令嬢はレオナルド令息からのあたたかい愛情が深く伝わり、心から感謝の気持ちで嬉しさが込み上げてきた。涙が溢れて止まらなくなって彼の胸の中でわんわん泣く。
お互いに恋人から深い絆で目一杯の愛情を感じ取れた。
レオナルド令息の気持ちが落ち着いてきて抱きしめる力がふっと弱まる。ヴィオラ令嬢が顔を上げると恋人がじっと見つめていた。
「今までのことを教えてほしい」
「うん」
ここでやっと二人は離れて全員が腰を下ろして話し合いが始まる。
「ヴィオラまずその男は誰なんだ?」
憂鬱そうな顔でレオナルド令息は不機嫌に眉をしかめて言う。
「この人はミカエルで危ないところを助けてくれたの」
「そうなんだ…」
「ミカエルがいなかったら私は今こうして生きてないわ」
「それは彼に感謝するよ。でもさっき食事してる時は随分と親しそうだった」
「そうかしら?」
「キスをしようとしてたね?」
「そんなことないよ」
「怒らないからヴィオラ正直に言ってくれ」
ミカエルがいなかったら狼に襲われていた恋人はこの世を去っていたのは間違いない。
だからと言ってキスは許されないと悔しさで苛立つ美青年はふてくされた口調。
美しい顔でほとんど反射的に嘘をつくが確かに二人は胸の高鳴りが抑えられなくて口づけを交わそうとした。
ヴィオラ令嬢を無事に救出できたが新たな恋の火種をかかえる。
**********
新作『妹の婚約者が子供の時に好きだった人で誘惑すると、彼は妹に婚約破棄を告げた』の連載を始めました。
「ヴィオラは本当に美味しそうに食べるね」
ミカエルが朝食を用意してくれた。
パンと焼いたウインナーにサラダに果汁と街の食堂のモーニングと変わらないような食事にヴィオラ令嬢は嬉しそうな表情で美味しいと舌鼓を打つ。
ヴィオラ令嬢の笑顔に気持ちがほっこりするミカエルは優しい顔で上品に思いを返す。
「ミカエルさっきはどこに行ってたの?」
「ちょっと森の様子を見にね」
ヴィオラ令嬢の質問に先ほどは森の雰囲気を確かめに行っていたと答えるミカエル。しばらく二人は見つめ合い距離が縮まりキスしようとしていた。
その直後だった。
「ヴィオラ!」
怒っているような大声を聞いて体に雷を感じたように驚いてビクっと震えるヴィオラ令嬢。
恋人で婚約者のレオナルド令息がいた。隣には彫りの深い顔でイケてる友人のローレンとマティオもいる。
「レオナルド!」
「ヴィオラ!」
レオナルド令息は高鳴る心臓の響きを感じて凄い勢いで走りヴィオラ令嬢をこれでもかというほど強く抱きしめた。
「無事でよかった」
「私も一時は駄目かと思った」
「怪我はない?」
「大丈夫」
気持ちが舞い上がる二人は見つめながら話す。周りを気にせず既に二人だけの世界に入っている。
「心配したよ」
「うん…」
「ヴィオラのことで胸がいっぱいで破裂しそうだった」
「私もよレオナルド」
いつまでも二人の視線が甘くからんでまた強く抱きしめ合う。
正直に言うとヴィオラ令嬢はあまりに強く抱きしめられ苦しくて痛いと思いましたが、レオナルド令息は力を弱めることなくただ黙って抱きしめ続ける。
ヴィオラ令嬢はレオナルド令息からのあたたかい愛情が深く伝わり、心から感謝の気持ちで嬉しさが込み上げてきた。涙が溢れて止まらなくなって彼の胸の中でわんわん泣く。
お互いに恋人から深い絆で目一杯の愛情を感じ取れた。
レオナルド令息の気持ちが落ち着いてきて抱きしめる力がふっと弱まる。ヴィオラ令嬢が顔を上げると恋人がじっと見つめていた。
「今までのことを教えてほしい」
「うん」
ここでやっと二人は離れて全員が腰を下ろして話し合いが始まる。
「ヴィオラまずその男は誰なんだ?」
憂鬱そうな顔でレオナルド令息は不機嫌に眉をしかめて言う。
「この人はミカエルで危ないところを助けてくれたの」
「そうなんだ…」
「ミカエルがいなかったら私は今こうして生きてないわ」
「それは彼に感謝するよ。でもさっき食事してる時は随分と親しそうだった」
「そうかしら?」
「キスをしようとしてたね?」
「そんなことないよ」
「怒らないからヴィオラ正直に言ってくれ」
ミカエルがいなかったら狼に襲われていた恋人はこの世を去っていたのは間違いない。
だからと言ってキスは許されないと悔しさで苛立つ美青年はふてくされた口調。
美しい顔でほとんど反射的に嘘をつくが確かに二人は胸の高鳴りが抑えられなくて口づけを交わそうとした。
ヴィオラ令嬢を無事に救出できたが新たな恋の火種をかかえる。
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新作『妹の婚約者が子供の時に好きだった人で誘惑すると、彼は妹に婚約破棄を告げた』の連載を始めました。
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