38 / 44
第38話 誘拐された美しき令嬢は森を彷徨う
しおりを挟む
「はぁ…はぁ…」
暗殺したと思っていた恋敵のレオナルド令息が生きていてアンドレ殿下がレストランで雷に打たれて寿命が縮まるような精神的なダメージを受けた10日後。
ヴィオラ令嬢は薄暗い森の中を一人で彷徨っていた。
当然のことながらアンドレ殿下の指示でこのような非常に不幸な状態に置かれている。
「僕はもう我慢できない。ヴィオラをどんなやり方でもいいから連れてこい!分かったな!」
「殿下承知いたしました」
独占欲が胸の中に泡のように湧いてアンドレ殿下は血走った目でなりふり構わず命令した。
皇太子殿下から怒鳴りつけるような大声で指令を飛ばされれば、それがたとえ理不尽な要求でも聞く以外に選択はない。
一人でいるところを狙われてヴィオラ令嬢は攫われた。そこから逃げ出して森の中をあてもなく迷い歩いている。
3時間ほど前のこと。
連れ去られて目を覚ましたヴィオラ令嬢は小屋の中にいた。口を布などでふさがれていないから声も出せるし、手も足も縛られてもいなかった。
立ち上がったヴィオラ令嬢は部屋の様子をうかがう。ここから逃げ出すのに何か使える物はないのかと思い、探し回ったが殺風景な部屋で特に何もない。
ここはどこなのか?と部屋の外の様子も気になりドアに耳を当てて聞き耳を立てると男の声がする。
「綺麗な人だったな」
「貴族の令嬢を連れてこいだなんて依頼者は普通じゃないな」
「まあ、俺達には関係ない話だ。成功すれば破格の報酬だ」
「そうだな。ここまで問題もないし後は引き渡すだけで完了する」
ヴィオラ令嬢の隣の部屋の中には二人の男がいた。言うまでもなく逃げ出さないように見張りをしている。
絶世の美女と言われるヴィオラ令嬢に男達は一瞬で心がときめいて好意を寄せた。だがそれも叶わぬ夢だとハッと気づかされ現実に戻される。
男達は何でも屋で後ろめたさを感じる仕事もこれまでたくさん経験した。そんな自分達のような世に容れられない存在がお日様のように輝いている美しい女性と釣り合うわけがないとしみじみと思う。
「ここから逃げよう!」
隣の部屋で小さな声でつぶやくヴィオラ令嬢は希望の匂いがして座り目を閉じて考えを巡らす。
数分でまばゆい美しい大きな瞳を開けて立ち上がる。何か思いつき決意したような顔をして間をおかずにドアを叩く。
「なんだ?何か用か?」
多額の報酬が約束された誘拐した大事な令嬢が呼んでいる。男の一人は直ぐにドアの前に行って問いかけた。
「少しお話があるのでここを開けてください」
「話だと?会話ならドアを開けなくてもできるぞ」
「でも顔を見てゆっくり話がしたいのです」
男は足りない頭でせいぜい考える。身も心もとろけさす素敵な女性が自分と話がしたいと言う。部屋の中に武器のような物が無いのも確認済みだし、当然ながらヴィオラ令嬢の身体検査もしてあり危ない道具は持っていない。
中にいるのは輝きが満ち溢れている令嬢ただ一人。こちらは二人いるし逃げようとしても不可能だ。何も恐れることはないじゃないか?そう思った男はドアの鍵を外す。
ドアを開けて部屋の中を見るとやはり胸が躍ってときめきを覚える。改めて見てもなんと美しいのだと緩やかに感動が噴き上げる。
「それで話とはなんだ?」
「まずは傍に来てください。あちらの素敵な紳士の方ともお話がしたいわ」
閉ざされていたドアが開くとヴィオラ令嬢は瞬時に外の様子をうかがう。そしたらもう一人男がいてその男とも話がしたいと甘い蜜のような声で誘う。
どちらも紳士とはかけ離れた不潔そうな男達だがヴィオラ令嬢は純真そうな顔で親しげに笑いかける。
「お前もこい。こんな美女が俺達と話しをしたいと言ってくれてるんだぞ。こんなことは人生でもう二度とないことだ」
「その通りだな。今行く」
男がヴィオラ令嬢の魅力をこれでもかと語り男を呼ぶと、椅子に座って何か食べていた男は風のような素早い動きでやってきた。
「お二人だけですか?」
「そうだ。二人だけなら逃げられると思っているのか?」
「そんなことはございませんよ。ちょっと聞いてみただけです」
やはり警戒する男。いくら美しくても人質という立場なのだから逃げられるわけには絶対にいかない。ヴィオラ令嬢はこぼれるような笑顔を向けて何でもないと口にする。
10分後。3人は昔ながらの友人のように和気あいあいと楽しげな雰囲気だった。ヴィオラ令嬢の両隣にむさくるしい男がいて愉快でたまらないといった顔をしていた。
「あなたたちと話すのは本当に楽しいわ」
「俺もだ」
「いやあ、貴族なのに随分と気さくな人だな」
「そんなことは気になさらないでください。私達は友人ではないですか」
「俺達のような日陰者にこれは嬉しいことを言ってくれる」
当然ながら声と顔を取り繕ってヴィオラ令嬢は演技をしている。まずはこの男達を気持ちよくさせて話を弾ませることが大事な計画の第一歩。
会話をしながらいろんなことを聞いた。ここは森の中にある小屋で街からはかなりの距離がある。幸いなことに小屋の周りには誰もいなくてこの場にいるのは隣にいる二人の男だけというのが分かった。
これは間違いなく逃げれる。胸の内でそう思うヴィオラ令嬢だった。
「少し汗をかいたわ。体を拭きたいのだけれど…」
「これは失礼いたしました公爵令嬢様。俺達は部屋から出ていますので…」
「別にここに居ても構いませんよ」
「いいのですか?」
「ただしほんの少しだけ目をつぶっていてください」
「わかりました」
ヴィオラ令嬢は体を布で拭き清潔に保ちたいと口にする。
自分が公爵令嬢という身分も会話の中で話していたので、男達は妙にかしこまった態度で部屋を出ようとするがそれを引き止める。部屋の外に出られては困るのだ。
しばらくすると男が水と綺麗な布を持ってきてヴィオラ令嬢は体を拭き始めるが実際に拭いたのは最初だけ。男達は後ろを向いて目を閉じている。
「とても気持ちいいわ」
「それはよろしゅうございました」
「あなた達のおかげよ」
会話をしながら足音が聞こえないように器用に歩いてドアの前に来た。影のごとく音も出さずにドアを開けるとまだ慎重に動く。
「あと少しですから」
「はい、俺達に気を遣わないでゆっくり拭いてくださいませ」
「ありがとう。とても優しいのね」
ヴィオラ令嬢の呼びかけに男も丁寧な言葉で実に素直に従う。
たった数十分の会話でここまで男は調教されているのか?と不思議に思うが、それほど心を開かずには居られないヴィオラ令嬢の美しい華やかな横顔に無意識のうちに魅了されていた。
これが最後の会話になり外に出る前にテーブルの上に置いてあったパンを一つ手に取り、悪魔のごとき世にも美しい金髪のヴィオラ令嬢は魔法みたいに消える。
十数秒後、どこから見ても綺麗とはいえない身なりの間抜けな男達はようやく逃げられたことに気がついたがもう遅い。部屋から逃げるには十分な時間だった。
「くそが!」
「逃げられた!」
「直ぐに後を追うぞ。ただじゃ済まさんぞ!」
「おう!」
「ここら辺りは俺達の庭みたいなもんだ。逃がさんからな…」
息遣いが荒々しくなり男達は不機嫌そのものの声で顔に火のような怒りの色をみせる。鬼のような厳しい瞳をして肩が震え、先ほどまでの楽しい雰囲気はもうどこにもなかった。
今は昼すぎだが森の奥にいるため深く茂った木々の葉を通して太陽の光が差し込むようなことはない。辺りは薄暗く太陽の温もりも感じなくて風が寒いくらいに吹きつける。
恐ろしい獣が活発に行動する森の中にいる状況。できる限り早くこの場所から出なくてはいけないのに出口も検討がつかない。
「これからどうしましょう…」
しばらく森の中を歩いて困り果てた顔で言葉を漏らす。疲れたので休憩することにして、ちょうどよさそうな場所がありそこで崩れるように地面に座り込む。
体力が尽きたヴィオラ令嬢は後ろの木に体を預けていると、これまで溜まった疲れがどっと出て体が限界で悲鳴を上げてるのを感じます。
ひどい疲労からそのまま自然と目を閉じて意識を失った――
暗殺したと思っていた恋敵のレオナルド令息が生きていてアンドレ殿下がレストランで雷に打たれて寿命が縮まるような精神的なダメージを受けた10日後。
ヴィオラ令嬢は薄暗い森の中を一人で彷徨っていた。
当然のことながらアンドレ殿下の指示でこのような非常に不幸な状態に置かれている。
「僕はもう我慢できない。ヴィオラをどんなやり方でもいいから連れてこい!分かったな!」
「殿下承知いたしました」
独占欲が胸の中に泡のように湧いてアンドレ殿下は血走った目でなりふり構わず命令した。
皇太子殿下から怒鳴りつけるような大声で指令を飛ばされれば、それがたとえ理不尽な要求でも聞く以外に選択はない。
一人でいるところを狙われてヴィオラ令嬢は攫われた。そこから逃げ出して森の中をあてもなく迷い歩いている。
3時間ほど前のこと。
連れ去られて目を覚ましたヴィオラ令嬢は小屋の中にいた。口を布などでふさがれていないから声も出せるし、手も足も縛られてもいなかった。
立ち上がったヴィオラ令嬢は部屋の様子をうかがう。ここから逃げ出すのに何か使える物はないのかと思い、探し回ったが殺風景な部屋で特に何もない。
ここはどこなのか?と部屋の外の様子も気になりドアに耳を当てて聞き耳を立てると男の声がする。
「綺麗な人だったな」
「貴族の令嬢を連れてこいだなんて依頼者は普通じゃないな」
「まあ、俺達には関係ない話だ。成功すれば破格の報酬だ」
「そうだな。ここまで問題もないし後は引き渡すだけで完了する」
ヴィオラ令嬢の隣の部屋の中には二人の男がいた。言うまでもなく逃げ出さないように見張りをしている。
絶世の美女と言われるヴィオラ令嬢に男達は一瞬で心がときめいて好意を寄せた。だがそれも叶わぬ夢だとハッと気づかされ現実に戻される。
男達は何でも屋で後ろめたさを感じる仕事もこれまでたくさん経験した。そんな自分達のような世に容れられない存在がお日様のように輝いている美しい女性と釣り合うわけがないとしみじみと思う。
「ここから逃げよう!」
隣の部屋で小さな声でつぶやくヴィオラ令嬢は希望の匂いがして座り目を閉じて考えを巡らす。
数分でまばゆい美しい大きな瞳を開けて立ち上がる。何か思いつき決意したような顔をして間をおかずにドアを叩く。
「なんだ?何か用か?」
多額の報酬が約束された誘拐した大事な令嬢が呼んでいる。男の一人は直ぐにドアの前に行って問いかけた。
「少しお話があるのでここを開けてください」
「話だと?会話ならドアを開けなくてもできるぞ」
「でも顔を見てゆっくり話がしたいのです」
男は足りない頭でせいぜい考える。身も心もとろけさす素敵な女性が自分と話がしたいと言う。部屋の中に武器のような物が無いのも確認済みだし、当然ながらヴィオラ令嬢の身体検査もしてあり危ない道具は持っていない。
中にいるのは輝きが満ち溢れている令嬢ただ一人。こちらは二人いるし逃げようとしても不可能だ。何も恐れることはないじゃないか?そう思った男はドアの鍵を外す。
ドアを開けて部屋の中を見るとやはり胸が躍ってときめきを覚える。改めて見てもなんと美しいのだと緩やかに感動が噴き上げる。
「それで話とはなんだ?」
「まずは傍に来てください。あちらの素敵な紳士の方ともお話がしたいわ」
閉ざされていたドアが開くとヴィオラ令嬢は瞬時に外の様子をうかがう。そしたらもう一人男がいてその男とも話がしたいと甘い蜜のような声で誘う。
どちらも紳士とはかけ離れた不潔そうな男達だがヴィオラ令嬢は純真そうな顔で親しげに笑いかける。
「お前もこい。こんな美女が俺達と話しをしたいと言ってくれてるんだぞ。こんなことは人生でもう二度とないことだ」
「その通りだな。今行く」
男がヴィオラ令嬢の魅力をこれでもかと語り男を呼ぶと、椅子に座って何か食べていた男は風のような素早い動きでやってきた。
「お二人だけですか?」
「そうだ。二人だけなら逃げられると思っているのか?」
「そんなことはございませんよ。ちょっと聞いてみただけです」
やはり警戒する男。いくら美しくても人質という立場なのだから逃げられるわけには絶対にいかない。ヴィオラ令嬢はこぼれるような笑顔を向けて何でもないと口にする。
10分後。3人は昔ながらの友人のように和気あいあいと楽しげな雰囲気だった。ヴィオラ令嬢の両隣にむさくるしい男がいて愉快でたまらないといった顔をしていた。
「あなたたちと話すのは本当に楽しいわ」
「俺もだ」
「いやあ、貴族なのに随分と気さくな人だな」
「そんなことは気になさらないでください。私達は友人ではないですか」
「俺達のような日陰者にこれは嬉しいことを言ってくれる」
当然ながら声と顔を取り繕ってヴィオラ令嬢は演技をしている。まずはこの男達を気持ちよくさせて話を弾ませることが大事な計画の第一歩。
会話をしながらいろんなことを聞いた。ここは森の中にある小屋で街からはかなりの距離がある。幸いなことに小屋の周りには誰もいなくてこの場にいるのは隣にいる二人の男だけというのが分かった。
これは間違いなく逃げれる。胸の内でそう思うヴィオラ令嬢だった。
「少し汗をかいたわ。体を拭きたいのだけれど…」
「これは失礼いたしました公爵令嬢様。俺達は部屋から出ていますので…」
「別にここに居ても構いませんよ」
「いいのですか?」
「ただしほんの少しだけ目をつぶっていてください」
「わかりました」
ヴィオラ令嬢は体を布で拭き清潔に保ちたいと口にする。
自分が公爵令嬢という身分も会話の中で話していたので、男達は妙にかしこまった態度で部屋を出ようとするがそれを引き止める。部屋の外に出られては困るのだ。
しばらくすると男が水と綺麗な布を持ってきてヴィオラ令嬢は体を拭き始めるが実際に拭いたのは最初だけ。男達は後ろを向いて目を閉じている。
「とても気持ちいいわ」
「それはよろしゅうございました」
「あなた達のおかげよ」
会話をしながら足音が聞こえないように器用に歩いてドアの前に来た。影のごとく音も出さずにドアを開けるとまだ慎重に動く。
「あと少しですから」
「はい、俺達に気を遣わないでゆっくり拭いてくださいませ」
「ありがとう。とても優しいのね」
ヴィオラ令嬢の呼びかけに男も丁寧な言葉で実に素直に従う。
たった数十分の会話でここまで男は調教されているのか?と不思議に思うが、それほど心を開かずには居られないヴィオラ令嬢の美しい華やかな横顔に無意識のうちに魅了されていた。
これが最後の会話になり外に出る前にテーブルの上に置いてあったパンを一つ手に取り、悪魔のごとき世にも美しい金髪のヴィオラ令嬢は魔法みたいに消える。
十数秒後、どこから見ても綺麗とはいえない身なりの間抜けな男達はようやく逃げられたことに気がついたがもう遅い。部屋から逃げるには十分な時間だった。
「くそが!」
「逃げられた!」
「直ぐに後を追うぞ。ただじゃ済まさんぞ!」
「おう!」
「ここら辺りは俺達の庭みたいなもんだ。逃がさんからな…」
息遣いが荒々しくなり男達は不機嫌そのものの声で顔に火のような怒りの色をみせる。鬼のような厳しい瞳をして肩が震え、先ほどまでの楽しい雰囲気はもうどこにもなかった。
今は昼すぎだが森の奥にいるため深く茂った木々の葉を通して太陽の光が差し込むようなことはない。辺りは薄暗く太陽の温もりも感じなくて風が寒いくらいに吹きつける。
恐ろしい獣が活発に行動する森の中にいる状況。できる限り早くこの場所から出なくてはいけないのに出口も検討がつかない。
「これからどうしましょう…」
しばらく森の中を歩いて困り果てた顔で言葉を漏らす。疲れたので休憩することにして、ちょうどよさそうな場所がありそこで崩れるように地面に座り込む。
体力が尽きたヴィオラ令嬢は後ろの木に体を預けていると、これまで溜まった疲れがどっと出て体が限界で悲鳴を上げてるのを感じます。
ひどい疲労からそのまま自然と目を閉じて意識を失った――
0
お気に入りに追加
1,819
あなたにおすすめの小説
あなたの一番になれないことは分かっていました
りこりー
恋愛
公爵令嬢であるヘレナは、幼馴染であり従兄妹の王太子ランベルトにずっと恋心を抱いていた。
しかし、彼女は内気であるため、自分の気持ちを伝えることはできない。
自分が妹のような存在にしか思われていないことも分かっていた。
それでも、ヘレナはランベルトの傍に居られるだけで幸せだった。この時までは――。
ある日突然、ランベルトの婚約が決まった。
それと同時に、ヘレナは第二王子であるブルーノとの婚約が決まってしまう。
ヘレナの親友であるカタリーナはずっとブルーノのことが好きだった。
※R15は一応保険です。
※一部暴力的表現があります。
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。
とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」
成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。
「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」
********************************************
ATTENTION
********************************************
*世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。
*いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。
*R-15は保険です。
王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。
婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました
Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、
あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。
ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。
けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。
『我慢するしかない』
『彼女といると疲れる』
私はルパート様に嫌われていたの?
本当は厭わしく思っていたの?
だから私は決めました。
あなたを忘れようと…
※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる