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第27話

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仲の良い同僚達はすっかり気落ちして心が晴れてないようなことを口にする。

「俺達が一緒にいればレオナルドが怪我をしなかった」
「確かに……」
「共に行動してればな」

居心地のいい仲間達と飲み愉快でたまらなかった。その帰りに襲われ波乱に見舞われる。だからといって当たり前だが仲間達のせいではない。

暗殺者もレオナルド令息が仲間と離れて一人きりになるのを息をひそめて狙っていたのだから。

「なにも気にするな。こんなかすり傷くらいで」

しかし全員の沈んだ顔つきを見れば責任を感じていることは痛いほど理解できたので、正直に言うとまだ少し傷は痛むがレオナルド令息は微笑んで余裕を見せた。

友人達もその笑顔を見ると安心して救われた気分になり、みんながほぼ同時に嬉しさに動かされて顔の筋肉を柔らげる。

この前の暗殺者は姿を見せて正面から向き合い正攻法での勝負だった。

だが暗殺者という立場から油断している時に、闇討ちをかけてきたり寝込みを襲うなど思いもよらないところから攻撃を仕掛けてくるかもしれない。

「悪いな」
「このくらい大したことはない」
「なあ?」
「そうだな。何も問題ない。逆にいい運動になる」

レオナルド令息の身を案じた馴れ親しんだ同僚達は帰りを数人で連れ添ってくれる。申し訳ない気持ちもあったが、それ以上に仲間達の優しさが嬉しかった。

今日も二人が同行してくれた。その帰り道の途中レオナルド令息はあることが頭をよぎりハッと気づかされて足を止める。
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