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第10話
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陛下はつい先ほどよりも輪をかけて、威圧感を感じるような顔でおっしゃいます。
「アンドレ自分の勘違いに気づかないとは並外れて愚かな息子だな」
「お父様今の謝罪に何か問題でも?」
「お前はこれだけのことをしておいて椅子に座ったままで謝るのか?」
「は?」
「間抜けな声を出すな! さっさと土下座するのだ!」
「は、はい!」
土下座したアンドレ殿下が改めて涙を流しながら謝罪の言葉を述べる。
「僕はあなたの妹のエレナ令嬢と到底許されない恥ずかしい行いをしてしまい大変反省しております」
どんなときでも気性の荒いアンドレ殿下から、このような詫びの言葉が出ることに驚いていたが、ヴィオラ令嬢は明白ながら許す気持ちは毛頭なく同情することはなかった。
アンドレ殿下が心から反省してるのではなく、陛下から絶縁されると告げられて仕方なく謝り土下座してるように見えたのです。
ヴィオラ令嬢の思いを正当化できる理由もある。
陛下から言われる前にはアンドレ殿下は謝罪することもなく、こちらが呆れるほどの悪態をつき反省の色もなく心を入れ替えていなかった。
エレナ令嬢と終始下品な言い争いをしていたのが判断の根拠を示すには十分。
それにアンドレ殿下は自分の謝罪に酔っていて、そこへ持ってきて陛下に褒め称えられると厚かましい考えまでしていたのだから。
その後もアンドレ殿下の謝罪は続きましたが、やはり判断力に優れたヴィオラ令嬢は情にほだされる気持ちは微塵もなく逆にいい気味だと思っていました。
「アンドレ自分の勘違いに気づかないとは並外れて愚かな息子だな」
「お父様今の謝罪に何か問題でも?」
「お前はこれだけのことをしておいて椅子に座ったままで謝るのか?」
「は?」
「間抜けな声を出すな! さっさと土下座するのだ!」
「は、はい!」
土下座したアンドレ殿下が改めて涙を流しながら謝罪の言葉を述べる。
「僕はあなたの妹のエレナ令嬢と到底許されない恥ずかしい行いをしてしまい大変反省しております」
どんなときでも気性の荒いアンドレ殿下から、このような詫びの言葉が出ることに驚いていたが、ヴィオラ令嬢は明白ながら許す気持ちは毛頭なく同情することはなかった。
アンドレ殿下が心から反省してるのではなく、陛下から絶縁されると告げられて仕方なく謝り土下座してるように見えたのです。
ヴィオラ令嬢の思いを正当化できる理由もある。
陛下から言われる前にはアンドレ殿下は謝罪することもなく、こちらが呆れるほどの悪態をつき反省の色もなく心を入れ替えていなかった。
エレナ令嬢と終始下品な言い争いをしていたのが判断の根拠を示すには十分。
それにアンドレ殿下は自分の謝罪に酔っていて、そこへ持ってきて陛下に褒め称えられると厚かましい考えまでしていたのだから。
その後もアンドレ殿下の謝罪は続きましたが、やはり判断力に優れたヴィオラ令嬢は情にほだされる気持ちは微塵もなく逆にいい気味だと思っていました。
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