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第5話
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アンドレ殿下は少し考えて語り始める。
「…それで土下座だが、この男に助け舟を出すということはヴィオラが代わりに土下座してくれるのか?」
「そ、それは……」
「この男をかばうくせに自分は土下座をしたくないのか? 実に我がままだな」
あろうことか婚約者に土下座を迫るアンドレ殿下に、平気で傍観していられなかったレオナルド令息が言葉を発する。
「わかりました殿下。土下座いたします」
「それなら最初から躊躇することなく直ぐに土下座すればいいだろう!」
アンドレ殿下は怒号を放つ。確かに一度目に土下座を命令された時は、なかなか踏み切れないで呆然と立ったままでいた。
そこにヴィオラ令嬢が見かねて口を挟んでしまう。
レオナルド令息は膝をついて身を屈めて伏せる。
「殿下申し訳ございません」
「何が申し訳ないんだ? 答えてみろ」
「はい…殿下の婚約者のヴィオラ令嬢に礼儀をわきまえない失礼な態度をとりました」
「ヴィオラ見てみろ。お前の元恋人のみっともない姿を」
「……」
ヴィオラ令嬢は何も言わずいたたまれない気分になり顔を伏せた。
「顔を上げてよく見ろヴィオラ」
アンドレ殿下に命じられ辛そうな表情で元恋人で今でも恋い焦がれるレオナルド令息を見る。
「ヴィオラはこの男に抱かれたいのか?」
「……」
「単純明快だな。実にヴィオラは分かりやすい。黙っていたらイエスなのだからな。あはははは……!!」
しばらくアンドレ殿下の笑い声が響く。
「次はないぞ」
「はい……」
「ではさっさと僕の目の前から消えろ!」
立ち上がったレオナルド令息は、一瞬ヴィオラ令嬢の顔を見て逃げるようにしてその場を離れた。
「…それで土下座だが、この男に助け舟を出すということはヴィオラが代わりに土下座してくれるのか?」
「そ、それは……」
「この男をかばうくせに自分は土下座をしたくないのか? 実に我がままだな」
あろうことか婚約者に土下座を迫るアンドレ殿下に、平気で傍観していられなかったレオナルド令息が言葉を発する。
「わかりました殿下。土下座いたします」
「それなら最初から躊躇することなく直ぐに土下座すればいいだろう!」
アンドレ殿下は怒号を放つ。確かに一度目に土下座を命令された時は、なかなか踏み切れないで呆然と立ったままでいた。
そこにヴィオラ令嬢が見かねて口を挟んでしまう。
レオナルド令息は膝をついて身を屈めて伏せる。
「殿下申し訳ございません」
「何が申し訳ないんだ? 答えてみろ」
「はい…殿下の婚約者のヴィオラ令嬢に礼儀をわきまえない失礼な態度をとりました」
「ヴィオラ見てみろ。お前の元恋人のみっともない姿を」
「……」
ヴィオラ令嬢は何も言わずいたたまれない気分になり顔を伏せた。
「顔を上げてよく見ろヴィオラ」
アンドレ殿下に命じられ辛そうな表情で元恋人で今でも恋い焦がれるレオナルド令息を見る。
「ヴィオラはこの男に抱かれたいのか?」
「……」
「単純明快だな。実にヴィオラは分かりやすい。黙っていたらイエスなのだからな。あはははは……!!」
しばらくアンドレ殿下の笑い声が響く。
「次はないぞ」
「はい……」
「ではさっさと僕の目の前から消えろ!」
立ち上がったレオナルド令息は、一瞬ヴィオラ令嬢の顔を見て逃げるようにしてその場を離れた。
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