リンクして跳んだ先は異世界だった!?幸せを願う者にもらった未来~

すずなり。

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呼ばれた先は。

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「ここは・・・・」


強い光が収まったのを感じて目を開けると、目の前に草原が広がっていた。

見渡す限りの草原で、背中側にあの『枯れた木』がある。

ここは・・・ケルセンの町だ。


「え・・・!?どうしてここに・・・・」


そう思って辺りを見回すと、少し離れたところにカーマインさんの姿を見つけた。

どうも彼は巻き込まれて一緒に来てしまったようだ。


「と、いうことは今川先生もいる?」


幾何学模様が床に広がった時、確かに彼女が駆けてきた記憶があった。

だから近くにいると思って見回すけど、彼女の姿はなさそうだ。


「マオ・・・っ!」


私の姿に気がついたのか、カーマインさんが駆けてきてくれた。

どうしてこんなことになってるのか疑問なようで、辺りをきょろきょろと見回してる。


「カーマインさん・・大丈夫ですか?」

「俺は大丈夫だ。それよりなんでここに・・・」


その時、私の頭の中に直接何かが聞こえてきた。


『マ・・オ・・?』

「?・・・カーマインさん?呼びました?」

「いや?俺じゃない。でも誰かが呼んだ・・よな・・・?」


カーマインさんも聞こえていたようで、二人で辺りを見回してみる。

でも人と呼べるような人は見当たらず、二人で顔を見合わせた。

するとまた声が聞こえてきたのだ。


『マオ・・・ココ二・・イル・・・』


その声を聞き、私とカーマインさんはゆっくり木を見た。

この木が・・喋ってるような気がしたのだ。


「まさか・・・」

「この木・・・?」


目に見える範囲で端から端まで木を見ると、一本の枝の端に小さい葉があるのを見つけた。

そっと手を伸ばしてその葉を触ると、その瞬間、私の頭の中に一気に映像が流れ込んできた。

小さい頃の『私』が・・・植木鉢にある枝に一生懸命お世話をしてる映像だ。


「え・・待って・・この記憶って・・・」


覚えがあるその枝は、昔、私が拾って来た桜の枝だった。

いつの間にかどこかに行ってしまった枝だけど・・・この映像は続きがあるようだ。

毎日お世話をしていた私だったけど、この枝は自分の力で生きることができなかったようで次第に枯れていったのだ。

朽ちてぼろぼろになり、風に乗ってどこか遠くに運ばれていった。

そして映像は一瞬暗くなり、次に明るくなったときはこの草原の景色が見えていたのだ。


『ココデ ウマレカワッタ。』

「あなた・・もしかしてあの時の枝・・?」

『ソウ。マオ二 アイタカッタ。』

「私に?どうして?」

『タスケテクレタ オレイ スル。』

「お礼?」


木がそう言ったあと、今度は違う映像が頭の中に流れ出した。

今度の映像はこの木が成長したあとのことみたいだ。


『マオ アイタイ。マオ ドコ。』


この世界で生まれ変わったこの桜の枝は、私を探すために根を広げ始めた。

幹を成長させ、枝を伸ばして根も広げていく。

最初こそはこの草原全体に根を広げるのが精いっぱいだったみたいだけど少しずつ少しずつ広げていき、その根からたくさんの植物を生やして探っていったようだ。


『ココニモイナイ。ドコニモ・・・イナイ。』


根から生やした植物を使って私を探していったみたいだけど、そもそも世界が違うから私を見つけることはできなかったようだ。

いつ私と再会してもいいようにいつも満開の桜を咲かせていたこの木だったけど、国中探しても私を見つけることができず、諦めかけたときにこの木と会話ができる植物使いに出会った。


「こんなに大きく成長して・・・どこまで大きくなるんだ?」


そう聞く植物使いに、木は自分の考えを話していた。

会いたい人がいて探してることを。


「こんなに成長してまで探したいのか。・・・よし、私も手伝おう。」


植物使いの人はこの木に私の特徴を聞き、それを召喚の陣に組み込んでいった。

『この世界にいない』ということを聞いていた植物使いは、他世界から私を呼ぶための陣を作っていったようだけど、一つ問題が現れたようだ。

それは・・・


「悪いけど、その人が今いる世界に嫌気をささないとこの世界に呼べないようだ。世界をまたぐということは・・簡単にはいかないようだ。」

『・・・。』


違う世界に行くということは、前の世界を捨てるということ。

無理矢理引っ張ってくることはできないというその植物使いの人の言葉を聞いて、この木は黙りこくってしまった。

そして咲かせていた花を一気に落とし、枯れていったのだった。


「わ・・私を待ってくれてたの・・?一体どうして・・・」

『マオ シアワセニ スル。』

「え?」

『タスケテクレテ ウレシカッタ。』


そう木が言った瞬間、風がザァッ・・!と、吹いた。

その風に一瞬目を閉じ、次に開くと頭上に満開の桜が咲いていたのだ。


「わぁ・・・!すごい・・・!」


空一面が桜の花で埋め尽くされ、花びらが風に乗ってひらひらと舞っている。

想像以上の光景に口を開けて見てると、カーマインさんも同じように口を開けて見ていた。


『マオ ウレシイ?』


木の言葉に、私は幹に抱きついた。

そして優しくぽんぽんっと叩き、お礼を言った。


「うんっ、ありがとね。・・・千桜(ちお)。」

『!!』

「私がつけた名前だよね?覚えてる?」


自分の名前が『万桜』だから、似た名前として『千桜』と名付けたことを思い出した。


「一緒に大きくなりたかったけど・・こんなに大きくなるなんてね。ふふ。」


大きすぎる幹に抱きついてよしよししてると、バサッ・・!と、枝が大きく揺れた。

そして千桜を中心として突風が一つ吹いたのだ。


「わっ・・・!?」


驚きながら突風の行方を目で追うと、草原が波立ちながら町の方に行くのが見えた。

そしてその風はずっとずっと向こうまで走っていき、風が流れたところに木が生えていく。

むき出しになっていた岩山は緑に覆われ、川の水が増える音が聞こえてくる。

この世界に根を張り巡らせてる千桜が・・元の状態にしてくれてるようだ。


『チオ・・・マオヲ シアワセニ スル!』

「!!・・・ふふ、私が辛い時に助けてくれたんだよね?ありがとう。」

『アイタカッタ!』

「私も会いたかったよ?一度は枯れちゃったみたいだけど・・元気で良かった。」


千桜をぎゅっと抱きしめながらそんな会話をしてるとき、カーマインさんがおずおずと声をかけてきた。


「マ・・マオ・・?どういうことなのか教えてくれるか・・?」

「あ・・・。」


私はカーマインさんと一緒にチオの根元に座り、この木と私に繋がりがあることを説明した。

千桜が私をこの世界に呼び、私はそれに応えたことになることを。


「・・・つまり、原初の木はお前に会いたいがためにこの世界を豊かにしてた・・のか?」

「えーと・・・そうなるんですかね・・。」


曖昧な答え方をしたとき、千桜が口を開いた。


『ソウ!』

「マジかよ・・・」

「あはは・・・。」


カーマインさんは後ろ手に頭をかきながら、一つ、大きなため息を漏らした。


「はぁー・・・こんなこと国に報告できないな・・。どうしたもんだか。」


枯れた木が花を満開に咲かせた今、おそらくこの世界全体が緑に溢れてるだろう。

千桜が復活したことでもう飢饉や干ばつ、砂漠化するなんてことはないのだ。


「でも状態が改善されるのはいいことですよね?それなら千桜が元気になったことはいいことなんじゃ・・・」

「それ自体はいいんだよ。問題は『全てがマオの為』の行動だったってことなんだよ。マオ一人の為に国全体を豊かにしてて、マオがいないと知って豊かにするのを止めてたなんて・・・言えるわけないだろ?」

「あー・・あはは・・・・」


よくよく考えればそんなこと、言えるようなことではない。

この話は私とカーマインさんの二人だけの秘密にしようと決め、私たちは空を見上げた。

どこまでも続く青い空に、桜の枝。

遥か遠くには青々しい山々が広がっていて、いつまでも見てられるような光景が広がってる。


「・・・あ、お城に戻らないといけないですよね?パニックになってそうな気が・・・」


ふと思い出したお城のこと。

私とカーマインさんが消えたことで大変なことになってることが想像ついた。


「そうだな。・・・マオはここに残れ。あいつらに勉強教えながらチオと一緒にいればいい。」

「え・・いいんですか?」

「俺が戻って状況を説明してくる。」


そう言うとカーマインさんは立ち上がり、千桜の幹をじっと見つめた。


「・・・チオ、マオがここに来やすいように道を作ってくれるか?森は歩きにくいし、時間もかかる。」


その言葉に千桜は大きな枝を一本、バサッ・・!と、振った。

するとケルセンの町の方向にある森の一部が・・・裂け開き始めたのだ。


「すご・・・・。」


千桜の力で町までの一本道ができ、私とカーマインさんはその道に向かって足を進める。

すると森の中がおかしなことになっていたのだ。

足場の悪かったときは街から千桜まで半日はかかっていたはずの道なのに、少し遠くにもう町が見えてるのだ。


「え・・・こんなに近かったでしたっけ・・・?」

「いや・・俺の足でも結構かかるはずなんだが・・・。」


首を傾げながら歩いて行くけど、結局30分ほどで町に辿り着いてしまった。

あまりの時間の短さに振り返って見ると、遠くに千桜が小さく見えていたのだ。


「まさか・・千桜が距離まで縮めた・・・?」


地面に根を張り巡らせてる千桜ならできないことではない。

と、いうか前の世界でできないことがこの世界ではできるのだから、その観点から考えても不可能なことではないのだ。


「いやもう、ほんと規格外すぎる世界・・・」


驚きながら私は自分の家に向かって足を進めた。

一週間以上ぶりに見る自分の家は変わりなく、扉を開けると安堵する匂いが私の鼻を抜けていった。


「カーマインさんって今日はどうするんですか?もう日が暮れる時間になりますけど・・・」


明るかった太陽はもうオレンジ色になっていて、山の向こうに沈み始めていた。

今すぐにお城に戻るなんてことはできなさそうだ。


「宿にいく。馬の手配があるから早くて明日・・遅くても明後日には城に向かって出発できると思う。」

「そうですね・・馬が必要・・・。」


歩いてなんて行ける距離ではないことを思い出し、私は家のリビングに置いてある椅子に座った。


「あ・・そういえば食材が何もなかったんだ。」


帰って来れたのはいいけど出発する前に食材は全て使い切ったことを思い出し、私はキッチンに向かった。

作ってもらった棚の奥に作った隠し棚の中からお金を少し取り出してポケットに入れる。


「カーマインさん、ご飯、うちで食べていきます?もうこの時間だったら宿の方も用意できないでしょうし・・・。」


宿ではもうすぐ晩御飯の時間だ。

宿にいけばそれなりに何か用意はしてくれるだろうけど、もう少し・・カーマインさんと一緒にいたい気がしたのだ。


「いいのか?」

「いいですよ?その代わり、荷物持ちしてくださいね?」

「するする。」


私たちは一緒に町に行き、そこで食材を買っていく。

何を作ろうか悩みながらお店を回っていくと、いつもの店員さんが気さくに声をかけてきてくれた。


「マオちゃん!今日は何作るんだい?」

「まだ決めてなくてー・・・。あ、カーマインさん、食べたいものとか・・ありますか?」


せっかくだったら彼が食べたいものを作りたいと思って聞くと、カーマインさんは少し照れるようにして小さく答えた。


「・・・さんどいっち。」

「!!・・・ふふっ、約束しましたもんね。」


要望に応える為、私はパンと卵、あと鶏肉や野菜を買っていった。

それらは全てカーマインさんが持ってくれ、私たちは帰路についていく。


(こうやって男の人と歩くとか・・前の世界でも無かったなぁ・・。)


仕事ばかりにかまけていたけど、こうやって誰かと買い物するのもいいものだと思う自分がいる。


(仕事は好きだったから・・同じような職種の人とかだったら出会いがあったのかな。)


あと数年か十数年がんばれば、余裕をもって仕事ができていたかもしれない。

そうしたら誰かいい人と出会って・・・なんて考えるけど私は隣を歩いてるカーマインさんを見上げた。

もし・・誰かと出会えるならカーマインさんがいいと思ってるのだ。


「ん?どうした?」

「---っ!なっ・・なんでもないです・・・っ。」


赤くなってしまいそうな顔を冷ますように手で仰ぐ。


(一度意識すると後戻りができない・・・っ)


どきどきする胸を落ち着かせるように深呼吸を繰り返していく。

そして落ち着きを取り戻したころに家に着き、私はカーマインさんのリクエストであるサンドイッチを作り始めたのだった。





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