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改善と改変。
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「日光浴・・?」
「陽の光を浴びるのか?」
「それだけ?」
「一体何の意味が・・・」
4人はぽかんと口を開けながら口々に疑問の声を出していた。
『ビタミンD欠乏症』の可能性があるなんてわからなくても無理はないのだ。
「確実とは言えないですけど、あくまでも可能性の話ですからね?人間の体にはビタミンDというものが不可欠で・・・」
私は覚えてる限り、太陽の光を浴びることが大切なことを説明した。
所々この世界にない単語があったようで時々首を傾げる4人だったけど、王子さまや騎士団に所属してるだけのことあってすぐに理解してくれたようだ。
「・・・つまり、毎日塔の外に出ろってことだよな?」
「そうです。」
「それだけでこの状態が改善されると・・・?」
「多分。」
「そんなことあるのか・・・?」
「一応食品も考えましょう。普段は何を食べてるんですか?」
「芋粥だが?」
「それはちょっと・・・できればきのこ類を多くしてもらって、お魚とか・・・あと葉物の野菜と鶏肉なんかも欲しいところですね。」
「・・・。」
医者の打つ手なしの言葉は4人に深く刺さっていたようで、4人は顔を見合わせて頷き始めた。
「俺、料理長に言ってくる。」
「俺は外に出れるように車輪付きの椅子持ってくる。」
「ぼ・・ぼくは・・・えっと・・・なんかする!」
3人はすぐに行動を開始し、王子さまはとりあえず一回、外に連れ出すことになった。
(これが正解だったらいいんだけど・・・)
小さいころから太陽の光を浴びてなく、それでいて同じものばかり食べていたら『ビタミンD欠乏症』を疑ってもいいと思ったのだ。
加えてこの世界はサプリメントなんてなさそうだし、科学技術も前の世界ほど発展はしてない。
打つ手なしなら試してみる価値はあるのだ。
「どれくらいで改善されるかもしれないんだ?マオ。」
外で太陽の光をバンバンに浴びてる王子さまが私を見上げながら聞いて来た。
「そうですね・・・1ヶ月は先になるかと・・・効果がでなければごめんなさいなんですけど・・。」
その時はがっかりさせてしまうことになる。
でもたぶん、合ってる気がしていた。
「ははっ、別にいい。マオのおかげでこうして外に出る理由ができた。それだけでいいさ。」
久々の空気なのか、王子さまは大きく深呼吸を繰り返していた。
それだけだけど、顔色がどことなく良くなった気がする。
「ふふ。気分が晴れるだけでも違いますからね。」
「そうだな。」
こうして王子さまは毎日外に出るようになった。
本を片手に塔の入り口付近で朝から昼まで過ごし、夜は栄養バランスの取れた食事をとる。
カーマインさんたちが毎日王子さまのところに通い、話をしたりする。
そんな生活が1ヶ月続いたある日、私は彼に聞きたいことがあって王子さまのもとを訪れることにした。
「・・・こんにちは。」
いつも通り塔の下で日光浴をしてる王子さまに声をかけると、王子さまは読んでいた本をパタンと閉じた。
「一人かい?マオ。」
「はい。カーマインさんたちはもう一人の王子さまに呼ばれて行きました。」
「そうか。そろそろ動きがありそうだな。」
「?」
少し遠くを見るように視線を移した王子さま。
どことなく悲しそうな表情をしてるような気もするけど、私は聞きたいことがあったのだ。
「あの・・あの木のこと、もう少し詳しく教えてもらえませんか?ちゃんと聞きたくて・・・」
あの木が本当に私を呼んだとしたら、何か接点があるはずだ。
その接点を見つけ出したくて、今日、一人で聞きに来たのだ。
「いいよ?どこからがいいかな?」
「できれば・・王子さまが知ってること全部・・・」
「『ライラック』でいいよ。じゃあ・・・」
ライラックさんは自分が文献や本で知ったことを細かく話してくれた。
この前聞いた通り、あの木はこの世界のものではないらしい。
別の世界で後悔の念を残して枯れたのち、この世界で再び芽吹いたのだとか。
そしてあの木は前の世界に残してきた後悔の念を晴らすためにこの世界で誰かを待ち続けていたらしい。
「それは誰なのかって・・わからないんですか?」
「わからない。でもあの木は別の名前があったらしいんだ。」
「別の名前?」
「あぁ。『枯れた木』とか『原初の木』とか呼ばれてるだろう?だがそれはこちらが勝手に呼んでるだけなんだよ。最初に名前をつけた人がいるんだ。」
その言葉を聞いて、昔の記憶が私の頭をよぎった。
小さいころに折られた桜の枝の記憶だ。
「もしかして・・・あの木・・・・」
その時、ざわざわと大勢の人の声が聞こえてきた。
どうもお城の入口らへんが騒いでるようだ。
「・・・ライラックさん、行ってみます?」
「そうだな。ちょっとなら歩けるから・・・」
ライラックさんは椅子から立ち上がり、ゆっくりした足取りで歩き始めた。
その一歩後ろをハラハラしながらついていき、私たちはお城の入り口付近までやってきた。
「これは・・・国民たちか?」
「なんか文句言ってそうな気がしますね・・・」
入口では押しかけて来たような国民たちを騎士団の人達が通さないように必死に抵抗していた。
「聖女さまは何をしてるんだ!!」
「全く何も変わらないじゃないか!!」
「前に緑が増えたところはまた無くなったんだぞ!?どうしてくれるんだ!!」
話を聞く限りではどうも今川先生へのクレームのようだった。
「え・・今川先生はちゃんとお勤めしてるって聞いてるのに一体・・・」
「・・・。」
何がどうなってこんなことになってるのかわからず、私はぽかんと口を開けてこの様子を見ていた。
するとライラックさんがゆっくりと押しかけてる人たちのところに向かって歩き始めたのだ。
「・・・不満はわかる。だがもう少し待ってくれ。必ず期待に応えるから。」
そうライラックさんが言うと、押しかけていた人たちは驚いた顔をして彼を見ていた。
「・・・第一王子さま!?」
「うそ・・・病気じゃ・・・」
「ライラックさまがどうにかしてくださるんですか!?」
注目が集まり始めたライラックさんは、右手をスッと上げた。
「約束する。だからもう少しだけ待ってくれ。」
そう言うと不満をぶちまけていた人たちはみんな散り散りに帰っていき始めた。
『待ってくれ』の一言で納得させてしまうところはさすが王子さまといったところなのだろう。
「さてマオ。ちょっと身内の喧嘩に付き合ってくれるか?」
「?」
にこっと微笑むライラックさんは、またゆっくりした足取りで歩き始めた。
その少し後ろを同じ歩幅で歩いて行く。
お城の中に入り、長い長い廊下を歩き、角を曲がり、階段を上がり・・・
「・・・どこに向かってるんですか?」
迷子になりそうなくらいの距離を進んでいくライラックさんだけど、一体どこに向かってるのか気になった私は問いかけた。
「ビリジアンの部屋だ。仕事をしてないのは明らかだからな。」
そう言ってライラックさんはお城の中をぐるっと見回した。
視線の先には廊下や部屋のような場所の前で話し込んでる侍女さんたちの姿がある。
(なんか前より・・・おおらかというか仕事をしてないというか・・・)
そんな印象を受けながら歩き続け、一つの大きな扉の前でライラックさんは足を止めた。
重厚感がある造りに、私は思わず一番上まで見上げてしまう。
「・・・この扉の向こうにもう一人の王子さまがいらっしゃるんですか?」
細部まで細かく作られた扉の隅々まで見ながら聞くと、ライラックさんは険しい顔をしながら扉を見ていた。
いや、扉ではなく、まるでこの部屋の中を見てるかのようだ。
「ちょっと・・部屋の中はあまりいい雰囲気ではないな。マオ、耳を塞いでくれるか?」
「?・・・わかりました。」
言われた通りに両手で自分の耳を塞ぐと、ライラックさんは私の目を塞ぐようにして手を覆いかぶせてきた。
よくわからないまま体を少し押され、ゆっくり歩いて行く。
「陽の光を浴びるのか?」
「それだけ?」
「一体何の意味が・・・」
4人はぽかんと口を開けながら口々に疑問の声を出していた。
『ビタミンD欠乏症』の可能性があるなんてわからなくても無理はないのだ。
「確実とは言えないですけど、あくまでも可能性の話ですからね?人間の体にはビタミンDというものが不可欠で・・・」
私は覚えてる限り、太陽の光を浴びることが大切なことを説明した。
所々この世界にない単語があったようで時々首を傾げる4人だったけど、王子さまや騎士団に所属してるだけのことあってすぐに理解してくれたようだ。
「・・・つまり、毎日塔の外に出ろってことだよな?」
「そうです。」
「それだけでこの状態が改善されると・・・?」
「多分。」
「そんなことあるのか・・・?」
「一応食品も考えましょう。普段は何を食べてるんですか?」
「芋粥だが?」
「それはちょっと・・・できればきのこ類を多くしてもらって、お魚とか・・・あと葉物の野菜と鶏肉なんかも欲しいところですね。」
「・・・。」
医者の打つ手なしの言葉は4人に深く刺さっていたようで、4人は顔を見合わせて頷き始めた。
「俺、料理長に言ってくる。」
「俺は外に出れるように車輪付きの椅子持ってくる。」
「ぼ・・ぼくは・・・えっと・・・なんかする!」
3人はすぐに行動を開始し、王子さまはとりあえず一回、外に連れ出すことになった。
(これが正解だったらいいんだけど・・・)
小さいころから太陽の光を浴びてなく、それでいて同じものばかり食べていたら『ビタミンD欠乏症』を疑ってもいいと思ったのだ。
加えてこの世界はサプリメントなんてなさそうだし、科学技術も前の世界ほど発展はしてない。
打つ手なしなら試してみる価値はあるのだ。
「どれくらいで改善されるかもしれないんだ?マオ。」
外で太陽の光をバンバンに浴びてる王子さまが私を見上げながら聞いて来た。
「そうですね・・・1ヶ月は先になるかと・・・効果がでなければごめんなさいなんですけど・・。」
その時はがっかりさせてしまうことになる。
でもたぶん、合ってる気がしていた。
「ははっ、別にいい。マオのおかげでこうして外に出る理由ができた。それだけでいいさ。」
久々の空気なのか、王子さまは大きく深呼吸を繰り返していた。
それだけだけど、顔色がどことなく良くなった気がする。
「ふふ。気分が晴れるだけでも違いますからね。」
「そうだな。」
こうして王子さまは毎日外に出るようになった。
本を片手に塔の入り口付近で朝から昼まで過ごし、夜は栄養バランスの取れた食事をとる。
カーマインさんたちが毎日王子さまのところに通い、話をしたりする。
そんな生活が1ヶ月続いたある日、私は彼に聞きたいことがあって王子さまのもとを訪れることにした。
「・・・こんにちは。」
いつも通り塔の下で日光浴をしてる王子さまに声をかけると、王子さまは読んでいた本をパタンと閉じた。
「一人かい?マオ。」
「はい。カーマインさんたちはもう一人の王子さまに呼ばれて行きました。」
「そうか。そろそろ動きがありそうだな。」
「?」
少し遠くを見るように視線を移した王子さま。
どことなく悲しそうな表情をしてるような気もするけど、私は聞きたいことがあったのだ。
「あの・・あの木のこと、もう少し詳しく教えてもらえませんか?ちゃんと聞きたくて・・・」
あの木が本当に私を呼んだとしたら、何か接点があるはずだ。
その接点を見つけ出したくて、今日、一人で聞きに来たのだ。
「いいよ?どこからがいいかな?」
「できれば・・王子さまが知ってること全部・・・」
「『ライラック』でいいよ。じゃあ・・・」
ライラックさんは自分が文献や本で知ったことを細かく話してくれた。
この前聞いた通り、あの木はこの世界のものではないらしい。
別の世界で後悔の念を残して枯れたのち、この世界で再び芽吹いたのだとか。
そしてあの木は前の世界に残してきた後悔の念を晴らすためにこの世界で誰かを待ち続けていたらしい。
「それは誰なのかって・・わからないんですか?」
「わからない。でもあの木は別の名前があったらしいんだ。」
「別の名前?」
「あぁ。『枯れた木』とか『原初の木』とか呼ばれてるだろう?だがそれはこちらが勝手に呼んでるだけなんだよ。最初に名前をつけた人がいるんだ。」
その言葉を聞いて、昔の記憶が私の頭をよぎった。
小さいころに折られた桜の枝の記憶だ。
「もしかして・・・あの木・・・・」
その時、ざわざわと大勢の人の声が聞こえてきた。
どうもお城の入口らへんが騒いでるようだ。
「・・・ライラックさん、行ってみます?」
「そうだな。ちょっとなら歩けるから・・・」
ライラックさんは椅子から立ち上がり、ゆっくりした足取りで歩き始めた。
その一歩後ろをハラハラしながらついていき、私たちはお城の入り口付近までやってきた。
「これは・・・国民たちか?」
「なんか文句言ってそうな気がしますね・・・」
入口では押しかけて来たような国民たちを騎士団の人達が通さないように必死に抵抗していた。
「聖女さまは何をしてるんだ!!」
「全く何も変わらないじゃないか!!」
「前に緑が増えたところはまた無くなったんだぞ!?どうしてくれるんだ!!」
話を聞く限りではどうも今川先生へのクレームのようだった。
「え・・今川先生はちゃんとお勤めしてるって聞いてるのに一体・・・」
「・・・。」
何がどうなってこんなことになってるのかわからず、私はぽかんと口を開けてこの様子を見ていた。
するとライラックさんがゆっくりと押しかけてる人たちのところに向かって歩き始めたのだ。
「・・・不満はわかる。だがもう少し待ってくれ。必ず期待に応えるから。」
そうライラックさんが言うと、押しかけていた人たちは驚いた顔をして彼を見ていた。
「・・・第一王子さま!?」
「うそ・・・病気じゃ・・・」
「ライラックさまがどうにかしてくださるんですか!?」
注目が集まり始めたライラックさんは、右手をスッと上げた。
「約束する。だからもう少しだけ待ってくれ。」
そう言うと不満をぶちまけていた人たちはみんな散り散りに帰っていき始めた。
『待ってくれ』の一言で納得させてしまうところはさすが王子さまといったところなのだろう。
「さてマオ。ちょっと身内の喧嘩に付き合ってくれるか?」
「?」
にこっと微笑むライラックさんは、またゆっくりした足取りで歩き始めた。
その少し後ろを同じ歩幅で歩いて行く。
お城の中に入り、長い長い廊下を歩き、角を曲がり、階段を上がり・・・
「・・・どこに向かってるんですか?」
迷子になりそうなくらいの距離を進んでいくライラックさんだけど、一体どこに向かってるのか気になった私は問いかけた。
「ビリジアンの部屋だ。仕事をしてないのは明らかだからな。」
そう言ってライラックさんはお城の中をぐるっと見回した。
視線の先には廊下や部屋のような場所の前で話し込んでる侍女さんたちの姿がある。
(なんか前より・・・おおらかというか仕事をしてないというか・・・)
そんな印象を受けながら歩き続け、一つの大きな扉の前でライラックさんは足を止めた。
重厚感がある造りに、私は思わず一番上まで見上げてしまう。
「・・・この扉の向こうにもう一人の王子さまがいらっしゃるんですか?」
細部まで細かく作られた扉の隅々まで見ながら聞くと、ライラックさんは険しい顔をしながら扉を見ていた。
いや、扉ではなく、まるでこの部屋の中を見てるかのようだ。
「ちょっと・・部屋の中はあまりいい雰囲気ではないな。マオ、耳を塞いでくれるか?」
「?・・・わかりました。」
言われた通りに両手で自分の耳を塞ぐと、ライラックさんは私の目を塞ぐようにして手を覆いかぶせてきた。
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