リンクして跳んだ先は異世界だった!?幸せを願う者にもらった未来~

すずなり。

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綻び。

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カーマインたちは森に向かったあと、歩きながらこの数日で気がついたことをお互いに報告していた。


「マオの様子は?」

「さっき見ての通り、子供たち相手に計算教えてるのしか見てないよ。」

「僕もー。」


3人は町の中をうろつきながら万桜の様子を見ていたのだ。

『聖女らしい動き』をしてるかどうかを確認するために。


「これといって特に何もしてないよな。」

「でも聖女ってその地にいるだけで状態が良くなっていくんだろ?なら何もしなくて当然なんじゃないか?」

「そうだよねぇ。」


一旦町の外に出てこの後のことを計画しようと考えて町の外に出た3人。

『獣の討伐をしながら旅をしてる』という名目を保つために、町の周辺を見回りながら歩いて行く。


「いくつか獣を倒して戻らないとな。」

「何日くらいで戻ろうか。」

「3日?4日かなぁ?」


そんな話をしながら歩いて行くけど、俺たちの目に獣の姿は映らなかった。

歩けど歩けど、木々しかないのだ。


「・・・おかしくないか?こんな隣国との境目の町の森に獣が1匹も出ないなんて。」


トープに聞いた俺は手で木の枝を押し分けながら歩いていた。

生い茂ってる森の中は、まるで壁のように見えてくる。


「獣の姿どころか痕跡もないよ。これだけ木々が生い茂ってたら獣も入れないんじゃない?」


そう言ったトープだったけど、葉っぱをたくさんつけたセラドンが興奮気味に口を開いた。


「!・・・ねぇ!この木たち、みんな『守るために囲ってる』って言ってるよ!?」

「は?」

「え?どういうことだ?セラドン。」


セラドンは近くの木の枝に触れ、そっと耳を近づけた。


「えっとね、『守らなきゃいけない存在がある』って言ってる。」

「『守らなきゃいけない存在』?」

「それはなんだ?」


その存在があるから木々が自分たちの意思で囲ってるとしたら大変なことだった。

そんな前例、今までなかったのだから。


「よくわからないけど・・・『原初の木』がそう言ってるらしい。」


その言葉に、俺とトープは目を見合わせた。


「『原初の木』って・・・国の境目にある木のことか?」

「あれはもう枯れてるだろう?」


原初の木はこの世界ができたときからあると言われてる木だ。

この辺りにある木とは比べ物にならないほど大きく、幹の幅は50m。

周りを回ると170mほどあるのだ。

そしてその木はもう何百年も前に花を咲かすことをやめてしまってる。


「原初の木が守らなきゃいけない存在・・・」

「一体なんだ・・・?」




3人が悩むようにして考えてる時、万桜は町で一人の男と出会っていた。

子供たちに勉強を教えてる時に通りかかった男が万桜の目の前で銅貨をばらまいてしまったのだ。


「あ・・!すみません!!」


そう言って落ちた銅貨を拾い集める男。

万桜や子供たちも一緒になって集めていく。


「みんなー、集めたら渡してあげてねー。」

「はーい!」

「はーい!」

「はぁい!」


計算を一時中断して銅貨を集めた私は男の人に手渡した。


「はい、どうぞ。」

「すみません・・!ありがとうございます!!」

「いえ。」


お礼を言いながら男の人は革袋に銅貨を入れていく。

でも入れた銅貨はその革袋の底から落ちてきてしまったのだ。

チャリンチャリンと地面に銅貨が落ちる音が耳に聞こえてくる。


「ぅわっ・・・!破れてる・・・」

「あー・・・・」


驚いた顔で革袋の底を見る男の人。

私も一緒になって覗くと、大きな穴が開いてしまっていたのだ。


「急いでるのにどうしよう・・・・」

「・・・。」


困ってる人を放っておくことができず、私はある提案をしてみることにした。


「・・・ちょっと待っててもらえますか?それ、直せると思うので・・・」


そう言うと男の人は驚いた顔をして私を見た。


「え!?」

「すぐ戻ってきますからー。」


私は子供たちに待つように言って、走って家に戻った。

買いそろえていた裁縫道具を持って広場に戻る。


「お待たせしました。ざっくり縫うのでどこかで新しいのを買うか修理に出してくださいね?」


そう言って針に糸を通す。

破れた革袋を預かり、私は破れていたところを縫い合わせていった。


(大きく穴が開いたわけじゃない。コインが擦れて破れちゃったみたいに見える。)


あて布をする必要もなく、私は生地を合わせて縫っていった。

ある程度は強度が出るようにして縫い、最後にきちんと止めておく。


「よし、これでしばらくは大丈夫だと思いますよ。」


そう言って革袋を手渡すと、男の人は嬉しそうに笑ってくれた。


「ありがとう・・!助かったよ!!」

「ふふ、よかったです。」


落としてしまった銅貨を革袋に入れた男の人は、銅貨が落ちてこないことを確認してカバンにしまった。

そして本当に急いでいたようで、いそいそと歩き出したのだ。


「ほんとにありがとう!!俺は『マロー』!いつかお礼するから・・!!」


名前を名乗りながら歩いて行く男の人に、私は叫んだ。


「いや、お礼なんてしてもらうほどのことじゃないんで気にしないでくださいー!」


手を振りながら男の人を見送り、私はまた子供たちとの勉強を再開したのだった。




ーーーーー



一歩そのころ、お城には優雅な生活を送っていたキララがいた。

王子たちとベッドで戯れ、地位のある人々がキララに贈り物を届けに来る毎日。

見目がいい男がいればベッドに誘い込み、王子にアクセサリーをねだっては買ってもらう日々を送ってる。


(ほんと人生イージーモード。)


自分の見た目に自信があるキララはこの生活が楽しくて仕方なかった。

侍女たちは毎日エステをしてくれ、服も着せてくれる。

男たちは自分のことを大切に扱ってくれ、機嫌を損ねないようにしてくれるのだ。


(今の生活もいいけど・・・もっと・・・国民全員からの支持が欲しいわねぇ・・・。)


キララがアイドルのような地位を求め始めた1か月後。

一人の騎士がキララに報告をしに来た。


「ご・・ご報告です!!」


ここから馬車で1日ほどの町で作物が全て枯れたと、この騎士は言い始めたのだ。

この話を『チャンス』だと思ったキララはベッド上にいた王子『ビリジアン』に猫なで声で言った。


「ねーぇ?王子さま?私、その町が心配でたまらないわ?すぐ行きましょう?」


その言葉に王子はすぐ乗り気になった。

そろそろ国民の支持を集めたいと思っていたからだ。


(ここでキララが活躍すれば兄上は完全に失脚。この国は私のものだ。)


二つ返事を返したビリジアンは、すぐに出発できるように指示を飛ばす。

『聖女の仕事』をすることになったキララは馬車に揺られていき、町の宿に留まることになったのだ。

ビリジアンとその護衛のコルク、アンバー、レグホーンたちと一緒に。


「ここの干ばつは結構酷いって話だ。キララ、頼めるかい?」

「もちろんですっ。・・・終わった後は新しいドレス、買ってくれますよね?」


上目遣いでビリジアンを見るキララ。

キララの聖女としての力が必要なビリジアンは、そんなキララの頭を優しく撫でていた。


「もちろんだよ。欲しいものは全て与えてやる。」

「やったぁ!」


嬉しそうに少し飛び跳ねて喜ぶキララ。

だがこの町に何日留まろうとも、干ばつが解消されることはなかった。

解消されるどころか兆しすら見えない状況に、王子たちを始め町の者たちの不安感が募っていく。


「いつになったら干ばつは解消されるのですか!?」

「聖女さまは仕事をされてるのでしょうか!」

「一度も土地に足を下ろしてくれていませんよね!?」


そんな声が宿の外に響いていた。


「キララ、調子はどうだい?そろそろ解消できそうかい?」


心配したビリジアンがキララに聞くものの、キララは何も答えられなかった。

なぜなら『どうすれば聖女の力を使えるのか』わからなかったからだ。


(待って・・確かその土地に『いるだけで』解消されるって言ってたよね・・・!?なのになんで何も起こらないの!?)


前はちゃんと解消されたことを確認していたキララ。

だから聖女の仕事なんて楽勝で、町の人たちの証言があればアイドル的地位にいけると思っていたのに、全く何も起こらなくて焦り始めていた。


「ちょ・・ちょっと調子が悪くて・・・もう数日お待ちいただいても・・・?」


とりあえず時間を稼ごうと思ったキララはそう答えた。


「そうか。・・まぁ、慣れない移動もあったし、もう数日待ってくれと町民には伝えよう。」

「ありがとう・・ございます。」


この数日の間にどうにか好転してくれることをひたすら祈るキララ。

好転してくれないと、これから先の贅沢三昧の暮らしと地位が保証されなくなってしまうのだ。


(宿にいるだけじゃなくてちゃんと土地に行ったほうがいいのかしら・・・。)


前と同じことをすれば、もしかしたら事態は好転するかもしれないと思ったキララはビリジアンに駆け寄った。


「王子さまっ、町民たちに邪魔されないように干ばつの土地に行きたいですぅ。」

「おぉ!そうだな!行ってみよう!」


聖女としてのやる気を見たビリジアンは、キララ、それに護衛騎士たちと一緒に町民たちに見つからないように宿の裏口から外に出た。

町から少し外れたところにある森に入り、一部砂漠と化したところで足を止める。


「ここが一番酷い。少しずつ広がってるようで数年もすれば町全部が砂漠になるとの計算だ。」

「へぇー。」


キララは砂漠化した砂を触りながら、心の中で唱えた。


(なんでもいいから早く土に戻りなさいよ!この砂漠が無くなれば私は生活は安泰なのよ!)


そう何度も強く念じていく。


「どうだい?キララ。何か感じるかい?」

「ちょっと黙ってて!」


キララにすごまれ、ビリジアンたちは一歩下がった。

どうにかしてキララが解消してくれることを祈りながら、その後姿を見つめる。


「・・・王子、大丈夫ですかね、キララさま。」


とりまきである護衛騎士のアンバーがそう聞いたとき、森の中を誰かが走ってくる音が耳に入ってきた。

何者かと思いながら全員が剣を構えたとき、低い木の間からバサッと音を立てて一人の男が姿を現したのだ。


「・・・マロー!?」


森の中から出てきた男『マロー』はアンバー直属部隊の新人騎士だ。


「あ!!アンバーさま!!」


直属の上司を見つけたマローは砂漠化したところを突き進んで歩いていく。

祈るようにして砂漠の砂に手をつけてるキララの横を素通りして。


「おま・・・なんでこんなところに・・・」


アンバーが驚きながら聞くと、マローは誇らしげに答えた。


「アンバーさまが出動されたと聞いたので追いかけてきました!!」

「え・・追いかけてって・・・お前、かなりの方向音痴・・・・」


そう、マローは国一番の方向音痴で、城の中でもよく迷子になる騎士だった。

調査に連れていけば必ず行方不明になり、2か月ほど経つと城に戻って来るのだ。

だからどこに行くにも城に置いてくるのに、どこからか出動を聞きつけて追いかけて来たようだ。


「お仕事、お手伝いします!!」


自信満々というかやる気に満ち溢れながら言うマロー。

アンバーは痛む頭を押さえるような仕草をしていた。


「はぁー・・・。」


その時、キララが口を開いた。


「あ・・・!砂漠に緑が・・・・!」


その言葉にビリジアンを先頭にみんながキララのもとに駆け寄った。

乾いた砂しかないはずの砂漠を見ると、小さな緑の葉がいくつも生えてるのが見えたのだ。


「さっきまで確かに何もなかったはず・・・」


砂漠化した土地に緑を生やすことができたキララは、自信に満ち溢れた。


「ふふん、私が直接触れば一瞬で元通りになるのよ。」


生えてきた緑は増え続け、あっという間に砂漠化したところを覆いつくしていく。

その様子を見ていた5人はキララを褒め称えた。


「さすがキララだ。」

「これが聖女の力・・・!」

「すごいです!キララさま!」

「格が違いますね・・・!」

「砂漠が消えた・・・!」


褒められたキララは『自分が聖女で間違いない』と確信し、その力を自負する。


「私は聖女なんだからもっときれいにしないといけないわ。王子さま、もっと私に見合う宝石、買ってくださるかしら?」


ピンクの髪を手ですくいながらそう聞くキララ。

この国を我が物にできるなら安いものだと思ったビリジアンは二つ返事だった。


「いくらでも買ってあげるよ?キララ。帰ったらベッドの中で相談しようか。」


そう言ってキララの肩を抱き、町で最高級の宿に戻っていったのだった。



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