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聖女の仕事。
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「聖女・・さま・・・?」
その言葉にドキっとした私は聞き返した。
「あまりにも干ばつが酷すぎて国が聖女さまを呼んだって噂が流れてきたから・・」
「え・・聖女さまと干ばつって何か関係あるの?」
私が巻き込まれた話だ。
何の為にここに呼ばれたかを何も聞いてないことに気がついた。
「聖女さまは国最大の干ばつが到来した時に一度だけ呼べる人なの。」
「一度だけ?」
「そう。」
みんなはリンゴをあげたことで色々話を始めてくれた。
口々に知ってる話をしてくれるから、私の頭の中でまとめていく。
なんでも聖女さまを呼ぶことができる『召喚石』なるものがあって、それを使うとこの国の干ばつを救う聖女が現れるということらしい。
それは一回しか使えない石で、代々王家が大切に保管してきたのだとか。
呼ばれた聖女さまはその干ばつの土地に足を運ぶだけで改善できるような力を持っているようで、みんな期待をしてる・・・とのことだった。
(じゃあ今川先生がこの辺りに来たら、干ばつは解消されてまた作物が実るってことか・・・。)
早く来てあげて欲しいと思いながらも、干ばつはこの国全体に広がってることが頭をよぎった。
どこから行くのかをきっとお城で議論されて、重要なところから回っていくだろうから・・・
(もしかしたらここはまだ時間がかかるかもしれないなぁ・・・。)
私が向かう町は着くまでに1ヶ月かかる場所。
きっとその町は最後のほうになるだろう。
(一年は後になるかも。)
そんなことを考えてると、彼女たちは次の町の話を始めていた。
よく出稼ぎにいくようで、泊まってるところや働いてるところの情報交換が始まってる。
「え・・!あそこで働いてるの!?給料低いでしょ・・!」
「でも雇ってくれるところが無くてー・・・。」
「うちにおいでよ!話してあげるから!」
「うちも人手足りないからいけると思うよ!」
そんな話がされていてた。
どこの世界も女性は話すことが大好きで、話すことでストレスを発散してる。
レリーって町まで楽しく過ごせれたらいいなと思いながら、私は彼女たちの話に参加していったのだった。
ーーーーー
「じゃあ・・・お世話になりました。」
無事に3日の時間をかけてレリーに着いた私は彼女たちに別れの挨拶をした。
みんな最初の時より少しだけ顔色がよく見えて、明るい感じがする。
「リンゴ、ありがとうございました。この恩は一生忘れません。」
突然そんなことを言われ、私は手をぶんぶんと振った。
「いやっ・・!そんな大それたことをしたわけじゃないんで・・・!」
「いえ、3日ぶりに食べれた人もいるんです。本当にありがとうございました。」
その人が頭を下げてくれたのを皮切りに、他の人たちも一斉に頭を下げた。
前の世界ではこういうこと・・食べ物を分けて食べるとかない世界だったから、なんだか不思議な気持ちだ。
「・・・早く聖女さまが来て、改善されるといいですね。」
「はい・・・!あ、あなたはこの後どこへ・・?」
「ケルセンって町に行きたくて馬車を乗り継いでるんです。まだまだ時間がかかるんで、この町で準備してから出発します。」
そう言うと彼女たちは口々に驚いたような声を上げ始めた。
「ケルセン!?」
「隣国との境の町・・!」
「すっっっごく遠いですよ!?」
そんな声を聞きながら、私は苦笑いした。
「あはは・・・わかってるんですけど行きたいんです。」
行くと決めたことはもう覆さない。
それに・・一部ではあるけどこの国を見ながらいくのも楽しかったのだ。
私の人生でこんなにたくさんの自然は見たことはなく、心が癒されていく気がしていたのだ。
「行きたいのなら止めないですけど・・・気を付けてくださいね?」
「ありがとうございます。」
私は手を振って彼女たちと別れ、次の馬車の準備を進めていった。
そしてケルセンに近づくための町行きの馬車に乗り、またガタゴト揺られていく。
(ドナドナの歌みたい・・・。)
そんなことを考えながら一日、また一日と過ぎていく。
最初こそは痛かった体も、日が過ぎるごとに慣れていくのかそんなに辛くはなくなっていった。
早く宿のベッドで寝たい気持ちは膨らんでいくけど、それは最後の最後に取っておきたかった。
最初に休んでしまうときっと・・・動けなくなりそうだから。
(次が最後の馬車だ・・・!)
城下町の馬車からスタートして3週間と少しの時間が流れた時、御者から『ケルセン行きの馬車は向こうから出るよ。』と教えてもらった時、私は嬉しくて思わずガッツポーズをした。
どんな町なのかわくわくすることはもちろん、馬車の揺れや振動から解放される時が来るのだ。
(もうしばらくは馬車には乗らない!向こうの宿に泊まる!)
そう決めて準備をし、私は馬車に乗り込んだのだった。
そして馬車で4日の時間を過ごしたあと、馬車はケルセンの町に入っていった。
ーーーーー
「ここが・・・ケルセン・・・・!」
明け方くらいに到着した馬車から降りた私は、やっと目的地に着いたこともあって、解放感に包まれていた。
もう体が痛くなるような乗り物に乗らなくていいのだ。
「とりあえず宿・・・!」
町の散策は明日にすることにして、御者に宿の場所を教えてもらった。
町の少し奥にたった1軒しかない宿らしいけど、横になって寝れるなら選べなくても全然大丈夫だ。
「すみませーん・・・お部屋空いてますかー・・・?」
少し薄暗い感じがする宿の中に足を踏み入れ、私は声をかけた。
すると恰幅のいい店員さんらしき女の人がカウンターの所にいるのが見えた。
「あぁ、いらっしゃい!一人かい?」
「はい。」
「部屋の種類は一つしかないんだ。夜と朝のご飯がついてて一泊1000リル。何泊する?」
「1銀貨・・・とりあえず10日お願いします。」
「はいよっ!」
私はカウンターで支払いを済ませた。
銀貨を10枚手渡すと、店員さんは私を部屋まで案内してくれたのだ。
「部屋は2階の一番奥。風呂とトイレは1階にあるよ。食事は好きなときに1階に来てくれたら出すから。」
「わかりました、お世話になりますー。」
階段を上がりながらこの宿のことを教えてもらい、私は10日間お世話になる部屋に足を踏み入れた。
「わぁ・・・・!」
木目のダークブラウンで統一された部屋の中は、日当たりがいいのか明るかった。
旅の荷物が置ける台に、小さな机、それと椅子があって、一番奥に少し大きめのベッドがあった。
ふかふかそうな布団が私を呼んでる。
「昼ごはんは外で食べておくれ、うちでも出せるけど別料金になるからね?」
「はいっ。」
「じゃ、なんかあったら言ってくれよー。」
そう言って店員さんは扉を閉めて出て行った。
私は斜めがけのカバンを下ろし、ベッドにダイブする。
「うわぁぁ・・・気持ちいい・・・!」
1ヶ月以上ぶりのふかふかベッド。
疲れもあってか私は秒で夢の世界に誘われていったのだった。
その言葉にドキっとした私は聞き返した。
「あまりにも干ばつが酷すぎて国が聖女さまを呼んだって噂が流れてきたから・・」
「え・・聖女さまと干ばつって何か関係あるの?」
私が巻き込まれた話だ。
何の為にここに呼ばれたかを何も聞いてないことに気がついた。
「聖女さまは国最大の干ばつが到来した時に一度だけ呼べる人なの。」
「一度だけ?」
「そう。」
みんなはリンゴをあげたことで色々話を始めてくれた。
口々に知ってる話をしてくれるから、私の頭の中でまとめていく。
なんでも聖女さまを呼ぶことができる『召喚石』なるものがあって、それを使うとこの国の干ばつを救う聖女が現れるということらしい。
それは一回しか使えない石で、代々王家が大切に保管してきたのだとか。
呼ばれた聖女さまはその干ばつの土地に足を運ぶだけで改善できるような力を持っているようで、みんな期待をしてる・・・とのことだった。
(じゃあ今川先生がこの辺りに来たら、干ばつは解消されてまた作物が実るってことか・・・。)
早く来てあげて欲しいと思いながらも、干ばつはこの国全体に広がってることが頭をよぎった。
どこから行くのかをきっとお城で議論されて、重要なところから回っていくだろうから・・・
(もしかしたらここはまだ時間がかかるかもしれないなぁ・・・。)
私が向かう町は着くまでに1ヶ月かかる場所。
きっとその町は最後のほうになるだろう。
(一年は後になるかも。)
そんなことを考えてると、彼女たちは次の町の話を始めていた。
よく出稼ぎにいくようで、泊まってるところや働いてるところの情報交換が始まってる。
「え・・!あそこで働いてるの!?給料低いでしょ・・!」
「でも雇ってくれるところが無くてー・・・。」
「うちにおいでよ!話してあげるから!」
「うちも人手足りないからいけると思うよ!」
そんな話がされていてた。
どこの世界も女性は話すことが大好きで、話すことでストレスを発散してる。
レリーって町まで楽しく過ごせれたらいいなと思いながら、私は彼女たちの話に参加していったのだった。
ーーーーー
「じゃあ・・・お世話になりました。」
無事に3日の時間をかけてレリーに着いた私は彼女たちに別れの挨拶をした。
みんな最初の時より少しだけ顔色がよく見えて、明るい感じがする。
「リンゴ、ありがとうございました。この恩は一生忘れません。」
突然そんなことを言われ、私は手をぶんぶんと振った。
「いやっ・・!そんな大それたことをしたわけじゃないんで・・・!」
「いえ、3日ぶりに食べれた人もいるんです。本当にありがとうございました。」
その人が頭を下げてくれたのを皮切りに、他の人たちも一斉に頭を下げた。
前の世界ではこういうこと・・食べ物を分けて食べるとかない世界だったから、なんだか不思議な気持ちだ。
「・・・早く聖女さまが来て、改善されるといいですね。」
「はい・・・!あ、あなたはこの後どこへ・・?」
「ケルセンって町に行きたくて馬車を乗り継いでるんです。まだまだ時間がかかるんで、この町で準備してから出発します。」
そう言うと彼女たちは口々に驚いたような声を上げ始めた。
「ケルセン!?」
「隣国との境の町・・!」
「すっっっごく遠いですよ!?」
そんな声を聞きながら、私は苦笑いした。
「あはは・・・わかってるんですけど行きたいんです。」
行くと決めたことはもう覆さない。
それに・・一部ではあるけどこの国を見ながらいくのも楽しかったのだ。
私の人生でこんなにたくさんの自然は見たことはなく、心が癒されていく気がしていたのだ。
「行きたいのなら止めないですけど・・・気を付けてくださいね?」
「ありがとうございます。」
私は手を振って彼女たちと別れ、次の馬車の準備を進めていった。
そしてケルセンに近づくための町行きの馬車に乗り、またガタゴト揺られていく。
(ドナドナの歌みたい・・・。)
そんなことを考えながら一日、また一日と過ぎていく。
最初こそは痛かった体も、日が過ぎるごとに慣れていくのかそんなに辛くはなくなっていった。
早く宿のベッドで寝たい気持ちは膨らんでいくけど、それは最後の最後に取っておきたかった。
最初に休んでしまうときっと・・・動けなくなりそうだから。
(次が最後の馬車だ・・・!)
城下町の馬車からスタートして3週間と少しの時間が流れた時、御者から『ケルセン行きの馬車は向こうから出るよ。』と教えてもらった時、私は嬉しくて思わずガッツポーズをした。
どんな町なのかわくわくすることはもちろん、馬車の揺れや振動から解放される時が来るのだ。
(もうしばらくは馬車には乗らない!向こうの宿に泊まる!)
そう決めて準備をし、私は馬車に乗り込んだのだった。
そして馬車で4日の時間を過ごしたあと、馬車はケルセンの町に入っていった。
ーーーーー
「ここが・・・ケルセン・・・・!」
明け方くらいに到着した馬車から降りた私は、やっと目的地に着いたこともあって、解放感に包まれていた。
もう体が痛くなるような乗り物に乗らなくていいのだ。
「とりあえず宿・・・!」
町の散策は明日にすることにして、御者に宿の場所を教えてもらった。
町の少し奥にたった1軒しかない宿らしいけど、横になって寝れるなら選べなくても全然大丈夫だ。
「すみませーん・・・お部屋空いてますかー・・・?」
少し薄暗い感じがする宿の中に足を踏み入れ、私は声をかけた。
すると恰幅のいい店員さんらしき女の人がカウンターの所にいるのが見えた。
「あぁ、いらっしゃい!一人かい?」
「はい。」
「部屋の種類は一つしかないんだ。夜と朝のご飯がついてて一泊1000リル。何泊する?」
「1銀貨・・・とりあえず10日お願いします。」
「はいよっ!」
私はカウンターで支払いを済ませた。
銀貨を10枚手渡すと、店員さんは私を部屋まで案内してくれたのだ。
「部屋は2階の一番奥。風呂とトイレは1階にあるよ。食事は好きなときに1階に来てくれたら出すから。」
「わかりました、お世話になりますー。」
階段を上がりながらこの宿のことを教えてもらい、私は10日間お世話になる部屋に足を踏み入れた。
「わぁ・・・・!」
木目のダークブラウンで統一された部屋の中は、日当たりがいいのか明るかった。
旅の荷物が置ける台に、小さな机、それと椅子があって、一番奥に少し大きめのベッドがあった。
ふかふかそうな布団が私を呼んでる。
「昼ごはんは外で食べておくれ、うちでも出せるけど別料金になるからね?」
「はいっ。」
「じゃ、なんかあったら言ってくれよー。」
そう言って店員さんは扉を閉めて出て行った。
私は斜めがけのカバンを下ろし、ベッドにダイブする。
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