溺愛彼氏は消防士!?

すずなり。

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雪華の料理。

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ーーーーー





雪華「あとはこれをお皿に盛って・・・完成っと。」




雄大さんが取りに言ってくれた調味料と野菜を使って、私は計11品を作った。

鶏肉や豚肉が多かったからメインばかりになってしまったけど・・・

食べ盛りの消防士さんたちばかりだから・・・まぁ大丈夫だろう。




雄大「すげぇ・・・ほんとすごいな・・・。」

雪華「へっへー。・・・あ、そろそろみなさん呼びに行く?」

雄大「うん、呼んでくるよ。」




そう言って雄大さんがキッチンから出て行こうとしたとき、ぞろぞろと隊の皆さんがキッチンに入ってきた。




「うまそーな匂い・・・」

「うわっ・・!めっちゃすごいご飯が並んでる!!」

「せっちゃんすげぇ・・・。」




隊のみなさんの最後にリーダーさんが入ってきた。

申し訳なさそうに後ろ手に頭を掻いてる。



「すまない、匂いにつられてしまって・・・」

雪華「!・・・ふふ、大丈夫ですよ?今出来上がったとこなんで・・・ちょうどよかったです。」

「!・・・助かるよ。・・・さぁ!みんな!席に着いて!」




リーダーさんの言葉に、みんなが一斉に席に座った。

手を合わせて・・・みんなが私を見た。



雪華「?」

「せっちゃんにお礼!!」

全員「ありがとうございますっ!!」



驚きながらも嬉しかった。

私が言う言葉は決まってる。




雪華「・・・ふふ、召し上がれっ。」

全員「いただきます!!」




ばくばくと食べ進められていく私が作った料理。

みんなが『おいしい』と口々に言ってくれ・・・それが自信に繋がっていく。




「あっ・・!お前、から揚げばっか食い過ぎだぞ!?」

「それ俺が狙ってた最後の一個!!」

「せっちゃん!ご飯のおかわりってある?」

雪華「ありますよー。」




わいわいと戦争のような食事。

いそがしくご飯をよそってると、あっという間におかずのお皿が空っぽになっていくのが見えた。



雪華(すごい・・・。)



驚いてる間におかずは全て平らげられてしまい、空っぽのお皿だけがテーブルに残った。




雪華「うそ・・足りなかった?」

雄大「そんなことないよ。腹いっぱいになるまで食えないし。」

雪華「そ・・それならいいんだけど・・・」




みんなの表情を見ると満足感溢れた顔をしてるのが見えた。

もっと作れたらよかったかもと思いながらも食器をシンクに下げていく。




「せっちゃんありがとー・・・。」

「めっちゃ幸せだった!」

「ごちそうさまっ。」



口々に言われる中、私は一つ思い出したことがあった。

雄大さんを呼んで、手伝ってもらう。




雪華「雄大さん、冷蔵庫からバットとサイダー出してくれる?」

雄大「?・・・・わかった。」




雄大さんに出してもらったバットの中身に少しお湯を入れて中身を取りだす。

それをまな板の上に乗せてキューブ状に切っていった。



雪華「コップ取ってくれる?人数分。あとスプーンと。」

雄大「おっけ。」



作業台に置かれたコップに、キューブ状に切ったものを入れてサイダーを注ぐ。



雪華「はいっ、デザートですっ。」

「!?」




甘さを抑えたシロップで作ったゼリー。

それに甘いサイダーを注げば、ジュースゼリーの完成だ。


みんなの前にコップを置くと、みんなは不思議そうにしながらスプーンでゼリーをすくった。




「いただきまーす?」



恐る恐る口の中に入れられたけど・・・みんなの顔つきが一瞬で変わった。




「うまっ・・!!」

雪華「色粉とかで色を付けたらカラフルでキレイなんですけどねー。」




デザートもバクバクと食べ進めてもらい、あっという間に空になった。




「ごちそうさまでした!!ありがとう!!」

雪華「お粗末様でしたっ。」






ーーーーー






みんなが食べ終わったあとの食器を洗ってると、雄大さんが私にすり寄りながら食器を拭いていってくれた。

なんだか家でご飯を食べた後みたいだ。



雪華「雄大さん、仕事は?」

雄大「ひと段落ついてる。・・片づけまで・・・ほんと助かる。」

雪華「いいよー、私もどこまで作れるかやってみたかったし(笑)」



私たちは食器を片付けながら、この1週間のことを話した。

会ってなかった1週間は、短いのか長いのかわからなかったけど、何を食べて・・とか、何時に寝て・・・とかの話をひたすらしていた。




雪華「え、ほんとにアパートに帰ってなかったの?」

雄大「ほんと。洗濯も風呂もあるから別にどうってことはないけど・・・雪華には会いたいなーって思ってた。まさかこんな形で雪華に会えてご飯まで食べれるとは思ってなかったけど・・・。」

雪華「私も会いたかったから・・・会えてよかった。お仕事がんばってね?」




最後のお皿を洗い終わり、使った食器や道具を元の場所に片付ける。

全部の作業が終わったのち、私は手を洗ってハンカチで拭いた。




雪華「さてと・・・じゃあ、私は行くね?」



鞄を持ち、キッチンを後にしようと思った時、雄大さんが私の手を掴んだ。



雄大「ちょっとだけ・・・雪華を充電させて・・?」

雪華「い・・いいけど・・・・。」




そう言うと雄大さんは私の身体をぎゅっと抱きしめた。

逞しい腕のは・・・心地がいい。




雪華「・・・だーい好き・・。」

雄大「!!・・・俺も。缶詰状態から解放されたらまたどっかいこうな。」

雪華「・・・うんっ。」




ちゅっと軽くキスをして、私はキッチンを出た。




雄大「送ってく。」



そう雄大さんは言ってくれたけど、私はこれから家にかえるわけじゃなかった。



雪華「ううん、ちょっとカフェに忘れ物しちゃって・・・取りに行くからここでいいよ。」

雄大「忘れ物?」

雪華「うん。レシピ書いたノート。家で試作品を作るまでのやつを忘れてきちゃったみたいなの。」




カフェで出すメニューのアレンジを思い付いたときに記してるノートがある。

そのノートを持って帰るのを忘れてしまったようだった。




雄大「そっか・・・。気をつけてな?」

雪華「うん。またねー。」




私は消防署の出入り口で雄大さんと別れた。




雪華(みんな喜んでくれてよかったなー。あのゼリーも評判良かったし。)




自分で思いついたメニューが褒められるのは嬉しかった。

カフェをオープンした際には定番メニューにしたいところだ。




雪華(経営のノウハウも色々セミナーで聞かせてもらってるし・・・もうちょっと地盤が固まったら・・・出店場所を探してみようかな。)



そんなことを考えながら私はカフェに向かって足を進めた。







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