異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。

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ライム。

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そういうとジニアは私の大事なとこに自分のモノをあてた。

ぐいぐい押し込もうと押し当ててくる。


「あれ・・・なんで・・・・」

「・・・・。」


アイビーの身体は処女のまま。

男の人のモノなんてそう簡単には入らない。

ましてや気持ちのない人が相手だったら・・・入るわけなかった。


「ここで合ってるはずなのに・・・どうして・・・」


諦めてくれるまで抵抗せずにいた。

暴れたって縄は解けない。

今はジニアを刺激しないようにするのが一番いいと思って・・・何も言わずにいた。


(濡れてもいないし・・・入るわけない。)


ジニアは何度も何度もチャレンジしていた。

ジニア自身に経験がないのかぎこちなく、できないまま終わりを迎えた。


「まぁ・・そんな急がなくってもいい。アイビーはずっと俺といるんだしね。」


こんな山小屋で一生暮らすなんてごめんな私は身を捻って身体を起こし、床に座った。

裸のままだけど・・・そのままジニアに聞いてみる。


「私、ジニアと結婚するから・・・だから町に戻ろう・・?」


ジニアの目的が私との結婚なら、町でできることだ。

なにも山小屋で暮らさなくたっていい。

なのにジニアは・・・それを許してくれなかった。


「何言ってるの?町に戻るとニゲラさんもいるしセダムたちもいるんだよ?」

「私がジニアとだけ結婚すればいいでしょ?」

「俺と結婚してくれるなら・・・ここでで十分だと思うよ?」

「・・・・。」

「また今度、アイビーのハジメテをもらうね。俺は戻らないとシャガさんたちに怪しまれる。」


ジニアは持って来たご飯を私に食べさせ、山小屋を出て行った。

服は着せてもらえなかったから裸のまま放置されてる。


「はぁー・・・。」


腕を折れば縄から出れるのかを考えるけど、自分で折ることなんてできるはずがない。

どう考えても無理なことを認識し、私は身体を少しずつずらして横になった。

明日の朝までジニアが来ないことを考えると・・・寝るのが一番いいと判断したからだ。


「トイレの我慢しなきゃ・・・。」


寝れるかどうかはわからなかったけど目を閉じ、時間が過ぎていくのをただひたすらに待った。




ーーーーー




翌朝・・


太陽が昇ると同時にシャガは動き始めた。

1秒でも早くアイビーを見つけたくて、自警団が動き出すより先に山に入ったのだ。


「山菜でも取りにいって迷子になってんのか・・・?でも一人で山に入ることなんてほとんどないし・・・。」


誰かに攫われたにしても町の住人たちは全員揃っていた。

なら一人でどこかに消えてしまったとしか考えられない。

でも・・・


「俺に黙って出て行くとかは考えられないんだよな・・・。」


出て行きたいなら俺に相談するはずだと思った。

自惚れかもしれないけど、アイビーは父親である俺に信頼を置いてる。

だから・・・反対されることでもちゃんと言ってくる。


「獣にでも攫われたか・・・?」


地面を注視しながら歩いてると、少し離れたところから人の足音が聞こえてきた。

振り返って姿を確認すると・・・ライムが息を切らしながら登ってくるのが見えた。

俺とはまだ距離があるものの、確実にこっちに向かってきてそうだ。


「しゃ・・シャガさんーーっ・・!!」

「ライム。お前、何してんだ?」


研究者のライムは山で仕事をすることはほとんどない。

本や研究材料とにらめっこをするのが仕事だから体力はない。

それでも女のアイビーよりはあるけれども、シャガと比べたら半分ほどしかない。


「ぼ・・僕も一緒に探したいんです・・・!」

「それはいいけど・・・無理すんなよ?お前を抱えて下山しないといけないようじゃ意味ないからな。」

「わかってます・・・!」


歩く速さを少し落とし、周りを見ながら歩いていく。

いつもと違ったものはないかとか・・・アイビーの足跡や獣の足跡が無いかとかを探しながら。


「くそ・・・どこにも何もないな・・・。」


『アイビーは本気で出て行った』

そんな考えが頭にちらつく。

嘘までついて記憶を失くしたことにしていたのが引っかかって仕方ない。


(嘘をつくのなら俺から離れないってことだよな?)


何かをしたくて嘘をつく。

その何かが『出て行くこと』なら病院から帰ってきた時点で出て行ってもよかったはずだ。


(なのに出て行かなかった。じゃあなんで・・・)


考えながら地面に落ちてる木の葉を足で散らす。

ばっさばっさと蹴りながら歩いてると、後ろを歩いていたライムが口を開いた。


「・・・あ!シャガさん!待ってください!!」

「なんだ?」


振り返るとライムは地面から何かを拾い上げてるところだった。

指で摘まみ、太陽の光にあてながらじーっをそれを見てる。


「これ・・・僕があげた薬です。」

「・・・薬?」

「えぇ、実はーーーーー」


ライムの話によると、研究の過程で出来た『痛みを取る薬』をアイビーに分け与えたらしい。

それはかなり貴重なものだったけど、なにかケガをしたりして『痛み』に苦しむアイビーがいたら・・・その姿を見たくなくて手渡したとか。


「で?その薬がそれなのか?」


指で摘まめるほどの大きさだ。

黄色くて・・・丸い形をしてる。


「はい。他の薬と混ざらないように色を付けてあるんですよ。」

「へぇー・・・でもなんでこんなところに薬が・・・?」


そう言った瞬間、俺とライムは顔を見合わせた。


「アイビーが落とした・・・!?」


山に薬が落ちてるはずなんかない。

ましてや貴重な薬だ。

そんな勿体ないことはこの世界を生きる人間なら絶対にしないことだった。

でもアイビーは違う。

前の世界の話を聞いたときに、こっちとは医療の進み具合が全然違うことを聞いていた。

薬も大量にもらい、余らせて捨てることもしばしばだと・・・。


「アイビーなら捨てるかもしれない・・・ライム!他にもあるか探せ!!」

「はいっ!!」

「あとその薬、よく見せてくれ!」


俺はライムから薬を受け取り、まじまじと見つめた。

色、大きさ、形を頭と目に覚えさせる。


「ありがとな。よし・・・行くぞ。」


じっと目を凝らしながら辺りを見る。

木の枝や木の葉を見ないようにして、黄色の・・・薬だけを見つけるようにして歩いて行く。


「・・・この辺にはないな。もっと奥行くぞ。」

「はいっ!!」


ライムの手柄でアイビーの『足跡』を見つけることができた。

俺たちは歩きながらその『足跡』を探して行く。

葉の下や、木の根元、石と石の間など見つけにくいところばかりあったものの、順調にアイビーに近づいている気がする。


「全部でいくつあったんだ?薬は。」

「10です。」

「今見つけたので・・・8か。」


あと二つ、落ちてるのか落ちてないのかわからないけど探して歩いた。

水の音がザーザーと聞こえるから、もしかしたら川に薬が落ちてしまってるものもあるかもしれない。


「この先が分かりにくいな・・・。」


音のするほうに行くと、大きめな川が流れていた。

川があるということは獣たちもくる。

そうするとアイビーが落としていった薬を食べてしまうかもしれないし、踏みつけて地面にめり込んでしまったかもしれない。

ここで小さな薬を見つけることは無理だと判断するしかなかった。


「でもあと・・・2つだ。この近くにいるかもしれない。」


近くにあった大きな岩に飛び乗り、辺りを見回した。

ライムも同様に見回す。


「でも・・・なんでアイビーは薬を落としていったんでしょうか・・・。」

「・・・そうだよな。」


鞄か何かに入れていたら普通、落とすことはない。

なのにアイビーは薬を落として行ってる。

ご丁寧に・・・目印になるかのように・・・。


「誰かに連れて行かれた・・・?」

「!!・・・誰にですか!?」

「それはわからない・・・。でもこれを目印にして俺たちに探させるつもりなのかも・・。」


セダムもライムも・・・マネッチアも町にはいた。

一番怪しいジニアでさえだ。

疑えるものは一人もいないけど・・・誰かがアイビーを連れて行ったことだけは間違いなさそうだった。


「ライム!!」


俺は岩から飛び降り、ライムの前に立った。




「・・・話がある。」


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