異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。

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4対1。

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朝ご飯を食べながらシャガに聞くと、シャガは驚いた顔をしてすぐに顔を曇らせた。


「?」

「仕事もいいんだけど・・・お前に会いたいってやつが今日、来る。」

「今日?誰?」

「学校の奴らと・・・ジニアだ。」



シャガが言った『学校の奴ら』はおそらくライムとセダムのことだ。

卒業してから会ってない。



「ライムとセダム!?」

「あぁ。依頼屋に俺宛てのメッセージが来てた。『アイビーが15歳になった次の日に行きます』ってな。」

「へぇーっ、3年ぶりくらいかなぁっ、楽しみ!」

「ジニアも同じメッセージを送ってきてた。だから今日は多分3人が来る。」




思っても見ない来客の予定に、私の心は躍った。

今、ライムとセダムが何をしてるのか気になってたし、ジニアはシャガを目指してがんばってることをマネッチアさんから聞いて気になっていた。

滅茶苦茶な動きをするシャガをマネて無茶してないかが心配だったのだ。


「聞きたいこといっぱいあるなーっ。」


ウキウキしながらご飯を食べる私とは反対に、シャガの表情は曇ったままだった。


「どうしたの?」


気になって聞くとシャガは持っていたお箸を机に置き、片手で顔を隠した。


「はぁー・・・娘って・・もつもんじゃないな・・・。」

「?・・・はい?」

「お前が他所の男に取られるかとおもうと・・・ムカつく。」

「いやいやいや・・・他所の男に取られるって・・・・私、結婚は・・・・」


『しない』。

そう言おうと思ったのにシャガが遮るようにして口を開いた。


「いや、いい!仕方ないことだし!とりあえずみんなと会え。俺は仕事に行って来る。」


そう言って自分の食器を手早く片付けてシャガは出て行ってしまった。


「えー・・・世の中の父親ってみんなあんな感じなのかな・・・。」


私は自分の分のご飯を食べ、食器を下げた。

洗い物を済ませ洗濯をし、一通りの家事が終わったところでライムとセダム、ジニアが家を訪ねてきてくれた。



「よぉ、アイビー!」

「元気だったかい?僕のアイビー。」

「大きくなったね、アイビー。」


「!!・・・セダム!ライム!ジニア!」



家の戸を開け、私に声をかけてくれた3人。

私は靴を履いて外に出た。


「セダム・・・随分背が伸びたんだねぇ。」

「そうか?」


学校にいる時も大きかったセダム。

3年会わないうちにまた大きくなったようで、私は首が痛くなるくらい見上げないといけなさそうだった。

黄色の髪の毛は短くカットされていて『野球少年』のようだ。



「お前はちっさいままだな。」

「セダムが大きくなりすぎてるのよっ。・・・ライムはなんだか大人っぽくなった。」


紫の髪の毛はサラサラだけど、学校にいた時より短くなっていた。

セダムほどの背はないものの、私よりははるかに大きい。


「そう?アイビーはなんだか可愛くなったね。」

「!!・・・そんなお世辞まで言うようになっちゃって・・・ジニアは今日、仕事無いの?」


一番年上のジニア。

もう22歳だからか完全な大人・・・というより出会った頃のシャガみたいな感じだった。

逞しい身体に目が奪われる。


「今日は依頼は受けてないよ。久しぶりに会うの楽しみにしてたんだから。」

「そ・・そうなんだ。」


なんだかみんなキラキラしてるように見えるのは気のせいだろうか。

ライムとセダムはジニアのことを知ってるからか、3人で話をし始めた。

その様子を微笑ましく見ながら『家に上がってもらうべきなのか』を自問自答する。


(どうぞって言うべき・・・?でもここで話は弾んでるし・・・うーん・・・。)


悩みに悩みまくってると、私を呼ぶ声が聞こえた。


「おーい!アイビーっ!」


声のする方を見ると、そこにはニゲラの姿があった。


「え・・・ニゲラ?」


深い青色の髪の毛をかき上げながら、ニゲラは歩み寄ってきた。


「俺も入れてくれるか?」


にこっと笑いながらニゲラはジニアたちの側に立った。


「・・・誰ですか?」



ライムとセダムが怪訝な顔をしながらニゲラを見てる。

それはもう上から下まで何度も往復しながら。


「あ、『ニゲラ』っていうの。私のとうさんの友達で・・・えっと・・何の仕事してるんだっけ?」


私も知らないことが多いニゲラ。

聞くようにして見るとニゲラはわかるように説明をしてくれた。


「アイビーの父親よりは少し年が下だ。普段は家で仕事をしてるが学者をしてる。」


その言葉に、私を含め全員が驚いた。

私が学校に入る前にシャガが出してきた問題は、ニゲラのものだったのだ。



(確かに『ニゲラに用意してもらった』って言ってたけど・・・まさかニゲラが学者だなんて想像もつかなかったよ・・・。)



ぽかんと口を開けながらニゲラを見てると、ニゲラは軽く笑いながら続きを話始めた。



「ははっ。・・・アイビーが小さかったころは俺もシャガと同じで依頼を受けてたんだよ。」

「・・・そうなの!?」

「あぁ。お前が学校に入る前くらいに学者の試験に受かって・・・今は学者だ。研究が仕事。」

「へぇー・・・。」


ニゲラの新たな一面を知って驚いてると、ジニアとライム、それにセダムがニゲラを囲んだ。


「お?」

「アイビーの側にいるにはちょっと年がいってません?」

「おっさんにアイビーは渡せないと思うけどなぁ?」

「ニゲラさん・・・なんで今日来たんですか・・・。」



ジニアはニゲラと面識があるらしくて呆れるようにしてニゲラを見てる。

ニゲラはそんな3人に向かって言った。



「『今日』来なきゃ意味ないだろ?」

「!!」

「!!」

「!!」



4人は思うところがあるのか、お互いを見つめ合ってる。

私は意味が分からずに4人を見ていた。

数分の時間が流れたのち、ジニアが口を開いた。



「アイビー、俺たちとデートしてほしいんだけど・・・誰からがいい?」



その言葉の意味が一瞬理解できずに私は固まった。


(今・・・『デート』って言った・・?)



頭の中にある辞書を引っ張り出してきて検索する。



(『デート』って・・男の人と女の人が待ち合わせしてどこかに遊びに行くやつ・・・?)



言葉の意味を理解できた私は4人を見た。

ニゲラに、ジニア、それにライムとセダム。

4人が私を見てる。



「・・・・えぇ!?」



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