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ステラを抱えて小さな森に向かって飛んでると、ステラが妙なことを聞いてきた。
「タウさんの好きな場所とか・・・ないんですか?」
「え?」
「いや・・私の好きな場所って言ってくれたので・・・」
「・・・。」
ステラは人を気遣うことが多い。
他人のために何かをできる人間だ。
それはとても誇らしいことだが・・・同時に『自分』を押し閉じ込めてしまいそうな気も感じていた。
「俺はステラが好きな場所が好きだ。」
「え・・・?」
「ステラが好きな場所で、心の底からの笑顔でずっといてほしいと思ってる。」
ステラの笑ってる顔が好きだ。
幸せに満ち溢れて、ふにゃっと笑った顔がたまらなく愛しい。
ずっと俺の腕の中で飼っていたいくらいだ。
「わ・・私はタウさんが近くにいてくれたら・・・嬉しくて笑っちゃいますけど・・・」
聞こえないように言ったつもりなのか、もごもごと言うステラ。
そんな姿もかわいいのだが、自覚がないところが恐ろしいところだった。
「なら一日でも早く一緒に暮らさないとな。」
そう言って平静を保つふりをしながら飛び続け、目的の小さな森に降り立つ。
ステラの足を地面につけさせると、ステラの目が輝き始めた。
「わぁ・・・・!」
「森みたいだろ?」
城下町三つ分くらいの大きさの森。
この地にピストニアという国が誕生した時からある森で、手付かず・・・というわけではないけどあまり人の手は加えてない場所だった。
加える必要もないし、獣もいないから害もないのだ。
「ここ・・・誰か住んでたりするんですか?」
ステラに聞かれ、俺は頭の中の記憶を引っ張り出した。
この周りには家や小さな町が点在するものの、森の中は誰も住んで無かった記憶があった。
「いや、いないと思う。」
「住んじゃダメな区域とか・・・」
「ピストニアの国内ならどこに住んでも大丈夫だ。・・・とりあえず森に入ってみよう。」
俺はステラの手を握り、少し前を歩くようにして手を引っ張った。
ステラは森の景色に夢中のようで、辺りをきょろきょろと見回してる。
「堺の森はどの辺りまで行動してたんだ?」
「え?・・・あ、えっと・・・私の足で日帰りで帰ってこれる距離・・ですかね。」
「獣もでるだろうに・・。」
「防界があるんであまり出会わないですよ。食べれるキノコ採りに行ったり、罠を張った魚を取りに行ったりしてましたねー。」
ハマル様に出会ったときから森で生きることを教えられてきたステラは、嬉しそうに思い出話をしてくれていた。
初めて魔法を見たときの感動は、いつまでたっても忘れないものらしい。
「18年しか一緒にいれなかったけど、ハマルおばぁちゃんに拾ってもらえて・・・ほんとによかったと思ってます。」
「そうだな。18年しか一緒に入れなかったのは寂しいな・・・・・・って、え!?18年!?」
「?・・・はい。」
「待て待て待て・・・ステラ、お前・・・歳は?」
「18ですけど・・?」
「!?」
「どうかしました?」
てっきり50から60くらいの間だと思っていたのに、18と聞いて俺は思わず足を止めてしまった。
「え?18って変ですか?」
「変も何も・・・18って言ったら子供のはず・・・・」
「へ?」
ピストニアの国の18歳は、早い子で読み書きができるくらいの歳だ。
背ももっと低く、大人と対等に会話なんてできるはずがない。
「え・・お前、もしかして体はこっちの人間と違うのか・・・?」
そう聞くとステラの目が不安そうに揺れた。
「わ・・わからないです・・・」
「赤ん坊の姿でこっちに来たんだよな?」
「そうです・・けど・・・」
「・・・なら、瞳の色が違うだけで他は前の体のままこっちに来たとか・・・?」
可能性は0ではない。
現にステラの記憶は前のままなのだから。
「ちょっとわからないですけど・・・身長とかは前と大差ないような気はしますね・・。」
「!!・・・本当か!?」
「はい。」
「他は!?他に何か一緒のものとかあるか!?」
「うーん・・・・。」
ステラは自分の体を見るようにくるくると回りだした。
「髪の毛は金色じゃなかったですし、瞳の色も金じゃなかったですね。体型はたぶん同じくらいで・・・あ、確か肩に黒子があったはず・・・。」
「ほくろ?」
「黒い点・・・みたいなものですね。この辺りに3つあったと思うんですけど・・・」
そう言ってステラは肩に手を置いた。
すぐに確認したい俺はステラの服を少しずらしてみる。
「ふぁっ・・!?」
「!!・・・あった!3つある!」
三角を描くようにあった3つの黒い点。
これがあることから体は前のままのようだ。
「え・・どういうことなんでしょうか・・・」
「俺もわからない・・・ステラの時間が巻き戻ったのか、それともこっちの世界に来るために赤ん坊からのスタートになったのか・・・。」
どっちにしても、中身も外見もステラだ。
瞳の色と髪の毛の色は救い人の象徴だけど、ステラがサナのままなら・・・苦い思い出を消してやるまでのこと。
「・・・ステラ、前の世界の男に酷い目に遭わされてたって言ってたよな?」
「え?あ、そうですね・・・。殴られたり蹴られたりは普通でしたし・・・」
この小さな体にそんな仕打ちをしていた男に腹が立つものの、ステラがその男に二度と会うことはない。
ステラの体が前のままなら・・・その記憶を上書きしないといけないのだ。
「この体に刻まれたであろう酷いことを・・・俺が消してもいいか?」
そう聞くとステラはわからないといった様子で首をかしげた。
「?・・・消す?魔法でですか?」
「違う。体の傷はないだろうけど、心は・・・記憶は傷を負ったままだろう?その傷、俺が癒したい。」
「心の傷・・・」
「ステラを一生愛することは当たり前の誓いだ。ずっと側にいるし、何があってもお前を守る。」
毎日一緒に太陽を迎え、毎日一緒に月を送る。
同じ家で同じ空気を吸い、同じ時間を共有する。
それは契りを交わした時点で当たり前のことだ。
でもそれ以上にステラには・・・俺の想いを注ぎたかった。
「私も・・・ずっとタウさんの側にいますよ?好きですから・・・。」
「---っ!」
嬉しそうに笑うステラがあまりにもかわいくて、俺はステラの体を抱きしめた。
力を込めすぎると折れてしまいそうな体も、愛おしくて仕方がない。
「もう無理、限界・・・。ステラの全部を愛していいか・・・?」
好きすぎて限界を超えそうになってる俺はステラが欲しくてたまらなかった。
何度か交わした口づけの感触から、体の相性はこの上なく良さそうだ。
「全部って・・・・」
「そのままの意味だ。お前を・・・抱きたい。」
そう言うとステラの顔が一瞬で青くなった。
カタカタと小刻みに震えも感じる。
「・・・ステラ?」
「あ・・・すみません、大丈夫です・・・。」
そう言ってステラは自分の手で自分の体をぎゅっと抱きしめた。
これは無意識に自分を守ろうとする防衛反応だ。
「・・・。」
きっとステラは前の世界で契りを交わしたやつのことを思い出したのだろう。
一度だけ聞いた話だったが、夜も悲惨そうだった。
ステラの経験がそれしかないのだとしたら、俺が言った『抱きたい』という言葉は地獄のように感じたかもしれない。
「ステラ、俺との口づけ・・・嫌だった?」
「へっ?」
「思い出してごらん?」
そう言うとステラは自分の唇に指をそっと置いた。
「嫌・・・というか、知らないことだったんで・・・」
「知らないこと?」
「あんな・・私のことを『好き』って言ってくれるようなのは初めてだった・・・」
「!!」
前の世界で経験はあるものの、何も知らないステラ。
俺色に染めたくて・・・その小さな両頬をそっと手で包み込んだ。
「じゃあ俺が・・・ステラのことをぐずぐずに蕩けるまで甘やかす。俺がステラのことをどれだけ愛してるか、体全部を使って伝えるから・・・受け止めて?」
そう言ってステラの唇に自分の唇を重ねた。
「んっ・・・!?」
「震えなくていい。ステラが怖いと思うことは絶対にしないから・・・。」
そう言うとステラの硬かった唇が、少し柔らかくなった。
密着させるように体を引き寄せ、ステラの口の中に舌を滑り込ませていく。
「んぅ・・・っ。」
「しっかり息しろよ・・・?」
舌をゆっくり出し入れしながらステラの口の中を犯していく。
くちゅくちゅと音を立てながら角度を変えて深く深く口づけをすると、ステラが俺の服をぎゅっと掴んできた。
それを合図にステラの上あごに舌を這わせる。
「!?・・・あっ・・あっ・・!?」
「ステラ、足に力が入らないか?もうガクガクしてる・・・」
自分の体を支えれないのか、ステラの体がずるずると崩れ落ち始めていた。
抱きしめてる腕に自然と力が入ってしまう。
「・・・このまま部屋に飛ぶからな?」
そう言って俺は自分の部屋まで瞬間移動した。
着いた瞬間にステラの体をベッドに沈める。
「ふぁっ・・・!?」
「甘い声・・・聞かせて?」
「タウさんの好きな場所とか・・・ないんですか?」
「え?」
「いや・・私の好きな場所って言ってくれたので・・・」
「・・・。」
ステラは人を気遣うことが多い。
他人のために何かをできる人間だ。
それはとても誇らしいことだが・・・同時に『自分』を押し閉じ込めてしまいそうな気も感じていた。
「俺はステラが好きな場所が好きだ。」
「え・・・?」
「ステラが好きな場所で、心の底からの笑顔でずっといてほしいと思ってる。」
ステラの笑ってる顔が好きだ。
幸せに満ち溢れて、ふにゃっと笑った顔がたまらなく愛しい。
ずっと俺の腕の中で飼っていたいくらいだ。
「わ・・私はタウさんが近くにいてくれたら・・・嬉しくて笑っちゃいますけど・・・」
聞こえないように言ったつもりなのか、もごもごと言うステラ。
そんな姿もかわいいのだが、自覚がないところが恐ろしいところだった。
「なら一日でも早く一緒に暮らさないとな。」
そう言って平静を保つふりをしながら飛び続け、目的の小さな森に降り立つ。
ステラの足を地面につけさせると、ステラの目が輝き始めた。
「わぁ・・・・!」
「森みたいだろ?」
城下町三つ分くらいの大きさの森。
この地にピストニアという国が誕生した時からある森で、手付かず・・・というわけではないけどあまり人の手は加えてない場所だった。
加える必要もないし、獣もいないから害もないのだ。
「ここ・・・誰か住んでたりするんですか?」
ステラに聞かれ、俺は頭の中の記憶を引っ張り出した。
この周りには家や小さな町が点在するものの、森の中は誰も住んで無かった記憶があった。
「いや、いないと思う。」
「住んじゃダメな区域とか・・・」
「ピストニアの国内ならどこに住んでも大丈夫だ。・・・とりあえず森に入ってみよう。」
俺はステラの手を握り、少し前を歩くようにして手を引っ張った。
ステラは森の景色に夢中のようで、辺りをきょろきょろと見回してる。
「堺の森はどの辺りまで行動してたんだ?」
「え?・・・あ、えっと・・・私の足で日帰りで帰ってこれる距離・・ですかね。」
「獣もでるだろうに・・。」
「防界があるんであまり出会わないですよ。食べれるキノコ採りに行ったり、罠を張った魚を取りに行ったりしてましたねー。」
ハマル様に出会ったときから森で生きることを教えられてきたステラは、嬉しそうに思い出話をしてくれていた。
初めて魔法を見たときの感動は、いつまでたっても忘れないものらしい。
「18年しか一緒にいれなかったけど、ハマルおばぁちゃんに拾ってもらえて・・・ほんとによかったと思ってます。」
「そうだな。18年しか一緒に入れなかったのは寂しいな・・・・・・って、え!?18年!?」
「?・・・はい。」
「待て待て待て・・・ステラ、お前・・・歳は?」
「18ですけど・・?」
「!?」
「どうかしました?」
てっきり50から60くらいの間だと思っていたのに、18と聞いて俺は思わず足を止めてしまった。
「え?18って変ですか?」
「変も何も・・・18って言ったら子供のはず・・・・」
「へ?」
ピストニアの国の18歳は、早い子で読み書きができるくらいの歳だ。
背ももっと低く、大人と対等に会話なんてできるはずがない。
「え・・お前、もしかして体はこっちの人間と違うのか・・・?」
そう聞くとステラの目が不安そうに揺れた。
「わ・・わからないです・・・」
「赤ん坊の姿でこっちに来たんだよな?」
「そうです・・けど・・・」
「・・・なら、瞳の色が違うだけで他は前の体のままこっちに来たとか・・・?」
可能性は0ではない。
現にステラの記憶は前のままなのだから。
「ちょっとわからないですけど・・・身長とかは前と大差ないような気はしますね・・。」
「!!・・・本当か!?」
「はい。」
「他は!?他に何か一緒のものとかあるか!?」
「うーん・・・・。」
ステラは自分の体を見るようにくるくると回りだした。
「髪の毛は金色じゃなかったですし、瞳の色も金じゃなかったですね。体型はたぶん同じくらいで・・・あ、確か肩に黒子があったはず・・・。」
「ほくろ?」
「黒い点・・・みたいなものですね。この辺りに3つあったと思うんですけど・・・」
そう言ってステラは肩に手を置いた。
すぐに確認したい俺はステラの服を少しずらしてみる。
「ふぁっ・・!?」
「!!・・・あった!3つある!」
三角を描くようにあった3つの黒い点。
これがあることから体は前のままのようだ。
「え・・どういうことなんでしょうか・・・」
「俺もわからない・・・ステラの時間が巻き戻ったのか、それともこっちの世界に来るために赤ん坊からのスタートになったのか・・・。」
どっちにしても、中身も外見もステラだ。
瞳の色と髪の毛の色は救い人の象徴だけど、ステラがサナのままなら・・・苦い思い出を消してやるまでのこと。
「・・・ステラ、前の世界の男に酷い目に遭わされてたって言ってたよな?」
「え?あ、そうですね・・・。殴られたり蹴られたりは普通でしたし・・・」
この小さな体にそんな仕打ちをしていた男に腹が立つものの、ステラがその男に二度と会うことはない。
ステラの体が前のままなら・・・その記憶を上書きしないといけないのだ。
「この体に刻まれたであろう酷いことを・・・俺が消してもいいか?」
そう聞くとステラはわからないといった様子で首をかしげた。
「?・・・消す?魔法でですか?」
「違う。体の傷はないだろうけど、心は・・・記憶は傷を負ったままだろう?その傷、俺が癒したい。」
「心の傷・・・」
「ステラを一生愛することは当たり前の誓いだ。ずっと側にいるし、何があってもお前を守る。」
毎日一緒に太陽を迎え、毎日一緒に月を送る。
同じ家で同じ空気を吸い、同じ時間を共有する。
それは契りを交わした時点で当たり前のことだ。
でもそれ以上にステラには・・・俺の想いを注ぎたかった。
「私も・・・ずっとタウさんの側にいますよ?好きですから・・・。」
「---っ!」
嬉しそうに笑うステラがあまりにもかわいくて、俺はステラの体を抱きしめた。
力を込めすぎると折れてしまいそうな体も、愛おしくて仕方がない。
「もう無理、限界・・・。ステラの全部を愛していいか・・・?」
好きすぎて限界を超えそうになってる俺はステラが欲しくてたまらなかった。
何度か交わした口づけの感触から、体の相性はこの上なく良さそうだ。
「全部って・・・・」
「そのままの意味だ。お前を・・・抱きたい。」
そう言うとステラの顔が一瞬で青くなった。
カタカタと小刻みに震えも感じる。
「・・・ステラ?」
「あ・・・すみません、大丈夫です・・・。」
そう言ってステラは自分の手で自分の体をぎゅっと抱きしめた。
これは無意識に自分を守ろうとする防衛反応だ。
「・・・。」
きっとステラは前の世界で契りを交わしたやつのことを思い出したのだろう。
一度だけ聞いた話だったが、夜も悲惨そうだった。
ステラの経験がそれしかないのだとしたら、俺が言った『抱きたい』という言葉は地獄のように感じたかもしれない。
「ステラ、俺との口づけ・・・嫌だった?」
「へっ?」
「思い出してごらん?」
そう言うとステラは自分の唇に指をそっと置いた。
「嫌・・・というか、知らないことだったんで・・・」
「知らないこと?」
「あんな・・私のことを『好き』って言ってくれるようなのは初めてだった・・・」
「!!」
前の世界で経験はあるものの、何も知らないステラ。
俺色に染めたくて・・・その小さな両頬をそっと手で包み込んだ。
「じゃあ俺が・・・ステラのことをぐずぐずに蕩けるまで甘やかす。俺がステラのことをどれだけ愛してるか、体全部を使って伝えるから・・・受け止めて?」
そう言ってステラの唇に自分の唇を重ねた。
「んっ・・・!?」
「震えなくていい。ステラが怖いと思うことは絶対にしないから・・・。」
そう言うとステラの硬かった唇が、少し柔らかくなった。
密着させるように体を引き寄せ、ステラの口の中に舌を滑り込ませていく。
「んぅ・・・っ。」
「しっかり息しろよ・・・?」
舌をゆっくり出し入れしながらステラの口の中を犯していく。
くちゅくちゅと音を立てながら角度を変えて深く深く口づけをすると、ステラが俺の服をぎゅっと掴んできた。
それを合図にステラの上あごに舌を這わせる。
「!?・・・あっ・・あっ・・!?」
「ステラ、足に力が入らないか?もうガクガクしてる・・・」
自分の体を支えれないのか、ステラの体がずるずると崩れ落ち始めていた。
抱きしめてる腕に自然と力が入ってしまう。
「・・・このまま部屋に飛ぶからな?」
そう言って俺は自分の部屋まで瞬間移動した。
着いた瞬間にステラの体をベッドに沈める。
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「甘い声・・・聞かせて?」
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