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ーーーーー
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
お城の中を歩きながら侍女さんに聞かれ、私は自分の名前を名乗った。
「ステラと言います・・・。」
「ステラ様、まず最初にお風呂に入りましょう。それから服を準備いたしますのでお好きな服をお選びくださいませ。」
「・・・お風呂!?」
ピストニア国に入るための登録だけをすると思っていた私は、侍女さんの言葉に驚いていた。
少しだけ国の中を散策させてもらって帰るつもりだったのにお風呂に入ることになるなんて思いもしなかったのだ。
「はい。湯は専門の侍女にお任せくださいませ。」
「専門の侍女・・・?」
「はい。ステラ様にぴったりの湯をご用意いたします。」
「?」
侍女さんの言う『ぴったりのお湯』の意味がわからない私は、案内されるがままにお城の中を進んでいった。
いくつか階段を上り下りしたあと一つの大きな扉の前に辿り着き、侍女さんはその扉をコンコンっとノックした。
「ヌンキ、お客様の湯をお願いします。」
そう侍女さんが言ったあと、大きな扉はギギッと音を立てて開いた。
「お客さま・・・?」
扉からひょこっと顔を出したのは、キノコのような丸いマッシュボブの髪型をした女の子だった。
(かわいい・・・。)
大きくてくりくりした目と髪型がよく似合ってるかわいい女の子は、扉から手を伸ばしてきて私の手を握った。
そしてそのままぐぃっと引っ張られ、私は扉の中に足を踏み入れた。
「わっ・・・!」
「ではヌンキ、あとで着替えを持ってくるのでお願いしますね。」
「はい。お預かりします。あとで隣の部屋にお連れします。」
バタンっと扉が閉められ、私は部屋の中を見回した。
「すごい・・・。」
目の前にあったのは四角い形をした大きなお風呂で、温かそうな湯気が立ち上ってるのが見える。
その周りにも少し小さめの丸いお風呂が全部で四つあり、どれも湯気が立ち上っていた。
「ではまず・・・服を変えましょう。」
彼女がそう言った瞬間、私は服を脱がされていた。
「!?」
代わりに白くて薄い生地の簡素な服を着せられていて、一瞬の出来事に私は目を丸くして驚いていた。
「え!?・・・え!?」
「ではまずあちらのお風呂から。滑りやすいのでお手をどうぞ。」
「あ・・はい・・・。」
差し出された彼女の手を取り、私は言われたお風呂に向かった。
そこは小さくて丸いお風呂で、少し黄色っぽいお湯が張られていた。
「どうぞ。熱くはないと思うのですが、熱かったらおっしゃってください。」
「はい・・・。」
腰を落として湯船に足をつけ、私は中に入った。
お湯は体温くらいの温度で、熱くもなければ冷たくも感じない。
「いかがです?」
「えと・・・熱くはない・・・です。」
「よかったです。順番に入っていくので気分が悪くなったら教えてくださいね。」
そう言うと彼女は私の背後で髪の毛を触り始めた。
手櫛で梳かされながら頭を軽くマッサージされ、少し緊張が解けていく。
「ふぁ・・・」
「ふふ、気持ちいいです?」
「はい・・・。」
「よかったですー。あ、私『ヌンキ』っていいますー。少しずつ体と心を解していきましょうねー。」
しばらくそのお風呂で頭を解されたあと、私は次のお風呂に入らされた。
さっきと違って少し温かい温度に、前世のお風呂を思い出す。
(お風呂は好きだったけど・・・長湯したら誠也さんがいい顔しなかったからゆっくり入れなかったんだよねー・・。)
お風呂用のスピーカーを持ち込んで入ってみたいと思っていたことを思い出し、私は鼻歌を口ずさんだ。
「♪~・・・」
ヌンキさんが私の頭や首を優しくマッサージしてくれるものだから心地よすぎて自然と口が音階で遊んでる。
「わ・・お客さま、きれいな歌声ですねぇー。」
「あ、私『ステラ』って言いますー。」
「ステラさまの歌ってらっしゃる曲、聞いたことのない曲ですけどすごくいいですー。」
「ふふ、ありがとうございますー。」
ほんの少し鼻歌を口ずさんだあと、私は次のお風呂に案内された。
そのお風呂もさっきのお風呂より少し温かいお湯で、なんだか体の芯から温もっていってるようだ。
「次で体の垢を落としますねー。」
「ふぁい・・・」
少しずつ体をマッサージされていた私は、四つ目のお風呂に入るころにはもう緊張が解けきっていた。
久しぶりという域を超えまくってる久しぶりなお風呂に、身も心もぐずぐずに解けてしまったのだ。
「ちょっと変わったお風呂なんですけど、体は温もってるはずなので冷えないと思いますよー。」
そう言われたのち、私は四つ目のお風呂に連れていかれた。
そのお風呂は湯船の中がベッドのような形をしていて少し体が外に出るようになってる。
「眠たかったら寝てもらって大丈夫ですからー。きれいに体、磨いていきますねー。」
中に入って少しすると、ヌンキさんは石鹸を使って私の体を優しく擦り始めた。
「え、待って・・・気持ちいい・・・。」
「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいですー。」
自分で擦るのとはまた違った感覚に思わず目を閉じてしまう。
指先から順番に丁寧に洗われ、私はいつの間にか夢の世界に旅立ってしまった。
「・・・zzz。」
ーーーーー
「あらあら。今のうちにパックもしちゃいましょうかねぇー。」
寝てしまったステラを見ながら、ヌンキは嬉しそうに笑った。
久しぶりなお客なうえ、ステラのきれいな肌と髪を見て興奮していたのだ。
「汚れてはいるけど極上じゃないですかぁー。いったいどこからこんな上玉連れてきたんだか。」
女性をきれいにすることに至極光悦感を抱くヌンキは、ステラを輝かせようとあれこれ磨いていった。
頭をきれいに洗い、香油をつけて艶を出す。
少し傷んでる髪の毛を鋏で整え、手はクリームをつけてマッサージをした。
「・・次が最後のお風呂なんですけどー・・・起きそうにないですねー。」
そう思ったヌンキは指をパチンっと鳴らした。
するとステラの体がお風呂のお湯と一緒にふわっと浮いたのだ。
「このまま最後の湯にいきましょうかー。」
そう言って魔法を使ってステラを最後の湯である四角い浴槽に入れた。
今、纏わせてる湯を剥ぎ取るように魔法を調整し、新しい少し熱めの湯にステラを浸からせていく。
「のぼせると大変ですからねー、少しだけにしましょうー。・・・ってあらあら、どんな幸せな夢を見てるんだか。」
にこにこと笑いながら幸せそうに寝てるステラが沈まないように魔法で固定し、ヌンキはタオルの準備をしにいったのだった。
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
お城の中を歩きながら侍女さんに聞かれ、私は自分の名前を名乗った。
「ステラと言います・・・。」
「ステラ様、まず最初にお風呂に入りましょう。それから服を準備いたしますのでお好きな服をお選びくださいませ。」
「・・・お風呂!?」
ピストニア国に入るための登録だけをすると思っていた私は、侍女さんの言葉に驚いていた。
少しだけ国の中を散策させてもらって帰るつもりだったのにお風呂に入ることになるなんて思いもしなかったのだ。
「はい。湯は専門の侍女にお任せくださいませ。」
「専門の侍女・・・?」
「はい。ステラ様にぴったりの湯をご用意いたします。」
「?」
侍女さんの言う『ぴったりのお湯』の意味がわからない私は、案内されるがままにお城の中を進んでいった。
いくつか階段を上り下りしたあと一つの大きな扉の前に辿り着き、侍女さんはその扉をコンコンっとノックした。
「ヌンキ、お客様の湯をお願いします。」
そう侍女さんが言ったあと、大きな扉はギギッと音を立てて開いた。
「お客さま・・・?」
扉からひょこっと顔を出したのは、キノコのような丸いマッシュボブの髪型をした女の子だった。
(かわいい・・・。)
大きくてくりくりした目と髪型がよく似合ってるかわいい女の子は、扉から手を伸ばしてきて私の手を握った。
そしてそのままぐぃっと引っ張られ、私は扉の中に足を踏み入れた。
「わっ・・・!」
「ではヌンキ、あとで着替えを持ってくるのでお願いしますね。」
「はい。お預かりします。あとで隣の部屋にお連れします。」
バタンっと扉が閉められ、私は部屋の中を見回した。
「すごい・・・。」
目の前にあったのは四角い形をした大きなお風呂で、温かそうな湯気が立ち上ってるのが見える。
その周りにも少し小さめの丸いお風呂が全部で四つあり、どれも湯気が立ち上っていた。
「ではまず・・・服を変えましょう。」
彼女がそう言った瞬間、私は服を脱がされていた。
「!?」
代わりに白くて薄い生地の簡素な服を着せられていて、一瞬の出来事に私は目を丸くして驚いていた。
「え!?・・・え!?」
「ではまずあちらのお風呂から。滑りやすいのでお手をどうぞ。」
「あ・・はい・・・。」
差し出された彼女の手を取り、私は言われたお風呂に向かった。
そこは小さくて丸いお風呂で、少し黄色っぽいお湯が張られていた。
「どうぞ。熱くはないと思うのですが、熱かったらおっしゃってください。」
「はい・・・。」
腰を落として湯船に足をつけ、私は中に入った。
お湯は体温くらいの温度で、熱くもなければ冷たくも感じない。
「いかがです?」
「えと・・・熱くはない・・・です。」
「よかったです。順番に入っていくので気分が悪くなったら教えてくださいね。」
そう言うと彼女は私の背後で髪の毛を触り始めた。
手櫛で梳かされながら頭を軽くマッサージされ、少し緊張が解けていく。
「ふぁ・・・」
「ふふ、気持ちいいです?」
「はい・・・。」
「よかったですー。あ、私『ヌンキ』っていいますー。少しずつ体と心を解していきましょうねー。」
しばらくそのお風呂で頭を解されたあと、私は次のお風呂に入らされた。
さっきと違って少し温かい温度に、前世のお風呂を思い出す。
(お風呂は好きだったけど・・・長湯したら誠也さんがいい顔しなかったからゆっくり入れなかったんだよねー・・。)
お風呂用のスピーカーを持ち込んで入ってみたいと思っていたことを思い出し、私は鼻歌を口ずさんだ。
「♪~・・・」
ヌンキさんが私の頭や首を優しくマッサージしてくれるものだから心地よすぎて自然と口が音階で遊んでる。
「わ・・お客さま、きれいな歌声ですねぇー。」
「あ、私『ステラ』って言いますー。」
「ステラさまの歌ってらっしゃる曲、聞いたことのない曲ですけどすごくいいですー。」
「ふふ、ありがとうございますー。」
ほんの少し鼻歌を口ずさんだあと、私は次のお風呂に案内された。
そのお風呂もさっきのお風呂より少し温かいお湯で、なんだか体の芯から温もっていってるようだ。
「次で体の垢を落としますねー。」
「ふぁい・・・」
少しずつ体をマッサージされていた私は、四つ目のお風呂に入るころにはもう緊張が解けきっていた。
久しぶりという域を超えまくってる久しぶりなお風呂に、身も心もぐずぐずに解けてしまったのだ。
「ちょっと変わったお風呂なんですけど、体は温もってるはずなので冷えないと思いますよー。」
そう言われたのち、私は四つ目のお風呂に連れていかれた。
そのお風呂は湯船の中がベッドのような形をしていて少し体が外に出るようになってる。
「眠たかったら寝てもらって大丈夫ですからー。きれいに体、磨いていきますねー。」
中に入って少しすると、ヌンキさんは石鹸を使って私の体を優しく擦り始めた。
「え、待って・・・気持ちいい・・・。」
「ふふ、そう言ってもらえると嬉しいですー。」
自分で擦るのとはまた違った感覚に思わず目を閉じてしまう。
指先から順番に丁寧に洗われ、私はいつの間にか夢の世界に旅立ってしまった。
「・・・zzz。」
ーーーーー
「あらあら。今のうちにパックもしちゃいましょうかねぇー。」
寝てしまったステラを見ながら、ヌンキは嬉しそうに笑った。
久しぶりなお客なうえ、ステラのきれいな肌と髪を見て興奮していたのだ。
「汚れてはいるけど極上じゃないですかぁー。いったいどこからこんな上玉連れてきたんだか。」
女性をきれいにすることに至極光悦感を抱くヌンキは、ステラを輝かせようとあれこれ磨いていった。
頭をきれいに洗い、香油をつけて艶を出す。
少し傷んでる髪の毛を鋏で整え、手はクリームをつけてマッサージをした。
「・・次が最後のお風呂なんですけどー・・・起きそうにないですねー。」
そう思ったヌンキは指をパチンっと鳴らした。
するとステラの体がお風呂のお湯と一緒にふわっと浮いたのだ。
「このまま最後の湯にいきましょうかー。」
そう言って魔法を使ってステラを最後の湯である四角い浴槽に入れた。
今、纏わせてる湯を剥ぎ取るように魔法を調整し、新しい少し熱めの湯にステラを浸からせていく。
「のぼせると大変ですからねー、少しだけにしましょうー。・・・ってあらあら、どんな幸せな夢を見てるんだか。」
にこにこと笑いながら幸せそうに寝てるステラが沈まないように魔法で固定し、ヌンキはタオルの準備をしにいったのだった。
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