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誕生日。

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それから数日が経ち、私の誕生日、3月3日がやって来た。




翔平「鈴、誕生日おめでとう。」




朝、目が覚めてリビングに行くと、翔平お兄ちゃんが言ってくれた。



鈴「ありがとうっ。16歳だよっ。」

翔平「うん。お祝いは・・・夜にしたいんだけど・・いいか?」

鈴「楽しみにしてるーっ。」





翔平お兄ちゃんはそのあとすぐに仕事に行ってしまった。

恭吾お兄ちゃんもお父さんもいないから、きっと仕事だ。



鈴「さー、洗い物して、洗濯して・・・。」




朝から家事を一通り終わらせ、今日の分の勉強をする。



鈴「えー・・・と、これがこうで・・・うーん・・。」



うさぎのペンをふりふりしながら問題を解いたりしてると、ケータイが鳴った。



ピピピッ・・・ピピピッ・・・




鈴「電話・・?あ、直哉お兄ちゃんだ。」



ピッ・・・



鈴「もしもし?」

直哉「鈴?ちょっと今、出れる?」

鈴「う・・うん。大丈夫だけど?」

直哉「じゃあ家の前で待ってるから。」ピッ・・・



鈴「?・・・家の前で・・・待ってる?」



私は玄関に向かい、靴を履いた。

ドアを開けて、そーっと外を見ると、うちの駐車場に直哉お兄ちゃんの車が止まっていた。


直哉「よ。鈴。」

鈴「直哉お兄ちゃん!?何してるの!?」




直哉お兄ちゃんは車から下りてきて、私の前に立った。

後ろ手に頭を掻きながら細長い箱を私に差し出した。



鈴「?」

直哉「あー・・おめでとう、誕生日。」

鈴「!!・・・ありがとう。」



差し出された箱を受け取る。



鈴「開けても・・・?」

直哉「・・・笑うなよ?」



箱を開けると、ネックレスが入っていた。

トップの形は・・・うさぎの輪郭だ。



鈴「・・・かわいい!」

直哉「まだ高校生だしな。あんま大人っぽいのもどうかと思って・・・。」

鈴「つけてもいいっ?」

直哉「いいけど・・・。」




私は箱からネックレスを取り出して、自分の首に回した。

初めてつけるネックレス。

首の後ろで上手くつけれない・・・。



鈴「あれ?んー・・・。」

直哉「・・・やってやるよ。」



そう言って直哉お兄ちゃんは私に近づいてきた。

私の指からネックレスを受け取り、つけてくれる・・・んだけど、私の顔はお兄ちゃんの胸のあたりにあたってしまってる。



鈴「---っ!」

直哉「んー・・・ここか?」



小さいネックレスに苦戦してるのか、なかなか終わらない。

どきどきと高鳴る気持ちに任せて、私はお兄ちゃんの服をぎゅっと掴んだ。



直哉「鈴?」

鈴「・・・好き。」

直哉「---っ!」




聞こえないように服に顔を押し付けて行ったのに、どうも聞こえてたようで、直哉お兄ちゃんは私を抱きしめてきた。




ぎゅー・・・




鈴「!?・・・くっ・・苦しいっ・・!」

直哉「もっと・・・抱きしめたい・・。」

鈴「!?」

直哉「なぁんてな。」



ぱっ・・と私の体を離したお兄ちゃん。



鈴「もうっ・・!」

直哉「ははっ。お、似合ってる。」



胸元でちらちら見えるであろううさぎちゃん。

私の目からは見えないんだけど・・・。





鈴「ありがとう。」

直哉「どういたしまして。鈴、今度時間もらえる?暇な時でいいから。今から仕事でさ。」

鈴「お昼からなら・・・いつでも空いてるよ?」

直哉「わかった。連絡するよ。」






直哉お兄ちゃんは車に乗って、仕事に行った。





鈴「あ、私も勉強っ。」




リビングに戻り、勉強の続きをする。

続きをしながら・・・



鈴「・・・直哉お兄ちゃんが好きなこと、翔平お兄ちゃんたちに言うべき?」



また私の頭を悩ませる種が生まれた。












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