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バイト2。
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直哉side・・・
鈴「え・・・と、チェックして、資料を渡す。」
直哉「そう。わかんなくなったら近くのやつ呼んで聞けよ?」
鈴「はいっ。」
鈴に仕事内容を説明し終わってすぐ、講習者たちがちらほらやって来はじめた。
鈴「おはようございますっ。お名前どうぞっ。」
直哉(ははっ。初々しくていいな。)
最初は動きがぎこちなかったものの、数人さばくとスムーズな動きになっていった。
飲み込みが早いのか、要領がいいのか・・・。
しばらく鈴を眺めてると、道の角から顔を覗かせてるやつがいることに気づいた。
あの顔は・・・
直哉(翔平と恭吾?何やってんだ、あいつら。)
俺は反対の道から後ろに回って声をかけた。
話を聞いてると、どうも鈴はバイトのことを兄たちに言ってなかったみたいだった。
直哉(翔平たちに言ってないってことは、内緒で金を貯めたいってことか。なら、一肌脱ぐかな。)
俺は鈴の意志を尊重するように言ってから署に戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
直哉(鈴、熱っぽいって言ってたよな。)
署に戻ってきた俺は、遠巻きに鈴を見てたけど、特に体調が悪そうには見えなかった。
直哉(・・・確認しとくか。)
俺は鈴の後ろに立って、背中側から首をそっと触った。
直哉(ちょっと熱いか・・?)
熱があったとしても微熱くらいっぽい。
本人もしんどそうじゃないし、このまま様子を見ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
夕方4時・・・
鈴side・・・
無事に一日が終わった私は片づけのお手伝いをしていた。
消防署のみなさんはとても優しくて、みんな色々話しかけてくれる。
署員「鈴ちゃんって高校生?」
鈴「はい、そうです。」
署員「この辺の高校?」
鈴「いえ・・通信制の高校なんです。」
署員「へぇー、どこの通信?」
鈴「四つ葉通信高校です。」
高校の名前を言った途端、周りにいた消防士さんたちが手に持っていた荷物を落とした。
ごんっ・・!どさっ・・!ばさっ・・!
鈴「?」
署員「え・・あの超賢いとこ?」
署員「将来は国を動かすような職業につく人がめっちゃ多いとこ?」
署員「まじかよ・・・俺、あの高校に通ってる知り合いなんて一人もいない・・・。」
鈴「?・・・わかんないですけど・・あ、これ、持って行きますね?」
私は近くにあった椅子を抱えた。
歩き出そうとした瞬間、直哉お兄ちゃんが私の荷物を取り上げた。
直哉「鈴はもう帰んな?片づけは男どもがするから。」
鈴「でも・・・。」
直哉「ほら。今日のバイト代。ありがとな。」
鈴「!!・・・ありがとうっ。」
私がバイト代の入った封筒を受け取った時、直哉お兄ちゃんが私の後ろを指差した。
直哉「ほら、お迎えがきてるぞ。」
鈴「え?」
振り返るとそこには翔平お兄ちゃんと恭吾お兄ちゃんの姿があった。
鈴「!?」
翔平「ほら、鈴。帰るぞ。」
恭吾「バイトはダメだって言っただろ?」
私は全身の血の気が引いていった。
鈴(怒られる・・・。)
がっくり肩を落としながらお兄ちゃんたちのほうへ歩いていく。
翔平お兄ちゃんの目の前まできたとき、お兄ちゃんは私の頭を撫でた。
鈴「?」
翔平「最後までちゃんとできて偉いぞ?」
鈴「え・・怒らないの?」
翔平「・・まー、今日のは仕方ない。でもこれが最後な?兄ちゃんたち心配するから。」
鈴「・・・・今度は相談します。」
『もうしない』なんて約束はしたくなくて、そう答えた。
恭吾「ははっ。だいぶ俺らに慣れたな。」
鈴「?」
恭吾「で?それで何買うんだ?」
鈴「えっ・・?」
お兄ちゃんたちに言うわけにいかず、私は別の理由を考えた。
鈴「・・・・ほ・・本?」
翔平「本ぐらい買ってやるのに。」
恭吾「なんなら帰りに本屋に寄るか?」
鈴「いやっ・・!大丈夫っ!今度買うから・・・!」
恭吾「?・・・そうか?」
なんとかバレないようにその場をやり過ごし、私とお兄ちゃんたちは家に帰ってきた。
私はそのまま2階の自分の部屋に入り、もらったバイト代の金額を確かめる。
鈴「・・・・5000円!やった・・!」
財布の残金と合わせると6900円だ。
来週初めにもらえるお小遣いを合わせると、タイピンを買えるはず!
私はもらった5000円を大事に財布になおした。
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鈴「え・・・と、チェックして、資料を渡す。」
直哉「そう。わかんなくなったら近くのやつ呼んで聞けよ?」
鈴「はいっ。」
鈴に仕事内容を説明し終わってすぐ、講習者たちがちらほらやって来はじめた。
鈴「おはようございますっ。お名前どうぞっ。」
直哉(ははっ。初々しくていいな。)
最初は動きがぎこちなかったものの、数人さばくとスムーズな動きになっていった。
飲み込みが早いのか、要領がいいのか・・・。
しばらく鈴を眺めてると、道の角から顔を覗かせてるやつがいることに気づいた。
あの顔は・・・
直哉(翔平と恭吾?何やってんだ、あいつら。)
俺は反対の道から後ろに回って声をかけた。
話を聞いてると、どうも鈴はバイトのことを兄たちに言ってなかったみたいだった。
直哉(翔平たちに言ってないってことは、内緒で金を貯めたいってことか。なら、一肌脱ぐかな。)
俺は鈴の意志を尊重するように言ってから署に戻った。
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直哉(鈴、熱っぽいって言ってたよな。)
署に戻ってきた俺は、遠巻きに鈴を見てたけど、特に体調が悪そうには見えなかった。
直哉(・・・確認しとくか。)
俺は鈴の後ろに立って、背中側から首をそっと触った。
直哉(ちょっと熱いか・・?)
熱があったとしても微熱くらいっぽい。
本人もしんどそうじゃないし、このまま様子を見ることにした。
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夕方4時・・・
鈴side・・・
無事に一日が終わった私は片づけのお手伝いをしていた。
消防署のみなさんはとても優しくて、みんな色々話しかけてくれる。
署員「鈴ちゃんって高校生?」
鈴「はい、そうです。」
署員「この辺の高校?」
鈴「いえ・・通信制の高校なんです。」
署員「へぇー、どこの通信?」
鈴「四つ葉通信高校です。」
高校の名前を言った途端、周りにいた消防士さんたちが手に持っていた荷物を落とした。
ごんっ・・!どさっ・・!ばさっ・・!
鈴「?」
署員「え・・あの超賢いとこ?」
署員「将来は国を動かすような職業につく人がめっちゃ多いとこ?」
署員「まじかよ・・・俺、あの高校に通ってる知り合いなんて一人もいない・・・。」
鈴「?・・・わかんないですけど・・あ、これ、持って行きますね?」
私は近くにあった椅子を抱えた。
歩き出そうとした瞬間、直哉お兄ちゃんが私の荷物を取り上げた。
直哉「鈴はもう帰んな?片づけは男どもがするから。」
鈴「でも・・・。」
直哉「ほら。今日のバイト代。ありがとな。」
鈴「!!・・・ありがとうっ。」
私がバイト代の入った封筒を受け取った時、直哉お兄ちゃんが私の後ろを指差した。
直哉「ほら、お迎えがきてるぞ。」
鈴「え?」
振り返るとそこには翔平お兄ちゃんと恭吾お兄ちゃんの姿があった。
鈴「!?」
翔平「ほら、鈴。帰るぞ。」
恭吾「バイトはダメだって言っただろ?」
私は全身の血の気が引いていった。
鈴(怒られる・・・。)
がっくり肩を落としながらお兄ちゃんたちのほうへ歩いていく。
翔平お兄ちゃんの目の前まできたとき、お兄ちゃんは私の頭を撫でた。
鈴「?」
翔平「最後までちゃんとできて偉いぞ?」
鈴「え・・怒らないの?」
翔平「・・まー、今日のは仕方ない。でもこれが最後な?兄ちゃんたち心配するから。」
鈴「・・・・今度は相談します。」
『もうしない』なんて約束はしたくなくて、そう答えた。
恭吾「ははっ。だいぶ俺らに慣れたな。」
鈴「?」
恭吾「で?それで何買うんだ?」
鈴「えっ・・?」
お兄ちゃんたちに言うわけにいかず、私は別の理由を考えた。
鈴「・・・・ほ・・本?」
翔平「本ぐらい買ってやるのに。」
恭吾「なんなら帰りに本屋に寄るか?」
鈴「いやっ・・!大丈夫っ!今度買うから・・・!」
恭吾「?・・・そうか?」
なんとかバレないようにその場をやり過ごし、私とお兄ちゃんたちは家に帰ってきた。
私はそのまま2階の自分の部屋に入り、もらったバイト代の金額を確かめる。
鈴「・・・・5000円!やった・・!」
財布の残金と合わせると6900円だ。
来週初めにもらえるお小遣いを合わせると、タイピンを買えるはず!
私はもらった5000円を大事に財布になおした。
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